1996年年賀状
あけましておめでとうございます
突然旦那に蹴飛ばされた。何が何だか解らない。
犬の額ほどの庭だが、針金が張られて、自由に動きまわれるようになっている。
その庭に車が進入、居座っている。ピカピカ、ツルツル綺麗なのでちょっと
なでて、ついでにタイヤに片足上げてやった。
それが旦那の気にさわったらしい。カラーバンバーに我輩の爪あとが
くっきり、動かぬ証拠だ。漱石カブレの旦那は、話題が無いので、
我輩を殺し、喪中につき年末年始のご挨拶は、・・・・と、
やりたいらしい。
頑張って話題作りをしないと、今年は危ない。犬のファティーより
10?年ぶりに北アに行きました。白馬岳から、針の木岳までテントを担いで
4泊5日、山を堪能してきました。白馬岳には驚いた。自販機はあるし、
登山者のファッションも楽しい。まさに山渓JOYの世界だ。
定評のある五竜山荘のトイレもしっかり見学して来ました。
もちろん当日は快晴でした。稜線で猛烈な雷雨に遭遇、
這い松帯に潜り込みフリースを着込んでシートを被る。
寒いのか、怖いのか、ブルブル。長ぁ〜い、時間でした。
皆様のご健康と、ご多幸をお祈りいたします
1996年 元旦 犬のファティーより
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1996年暑中見舞い
暑中お見舞い申し上げます
ゴールデンウィークには、残雪の北アルプスだと騒いでいた旦那が
屋根の上で ペンキを塗っている。我輩が見上げていると
「見上げたもんだよ、屋根屋のフンドシ」と、バカな事を言っている。
そんなある日散歩中に我輩の母犬にバッタリ出会った。
子犬の時あんなに強かった母犬だが、年老いて、すっかり衰えていた。
ジャレツク母犬を受け止め、じっと立ちつくすだけだった。
島根で一人暮らしの旦那の母が入院、そして6月1日亡くなった。
旦那と女将さんが2週間ぶりに帰ってきた。悲しみをいやすのには
良いシステムだと感心しながら、信仰心の無い旦那が一週間置きに
お寺に通う。誰も居ない島根の家に旦那は電話をかける。
呼び出し音を、しばらく聞いて、家は無事だ。と言って受話器を置く。
それにしても今年の梅雨は雨がよく降る。気がめいる。身体もなまる。
旦那は体重が増えたとぼやく。49日も過ぎ、梅雨も明けた。
旦那もやっと動き出した。早朝とはいえ右田ヶ岳は暑い。
今回は旦那に付き合って登ってやった。「わぁ〜!クマみたい」
「さわっていい」「かわいい」「かっこいい」次々と声がかかる。
もちろん我輩の事だ。「いやぁ〜、雑種のバカ犬ですよ」と言いながらも、
旦那は嬉しそうだ。山頂で飲んだ水は美味かった。
でも、暑い日は昼寝にかぎる。
皆さんも我輩同様睡眠を十分に取り、夏を乗り切りましょう。
くれぐれもご自愛のほどお祈り申し上げます。
1996年 盛夏 犬のファティーより
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