1997年年賀状
「あぁ〜ぁ〜あ!」「ウォ〜ワォ〜ン」旦那につられて、我輩もおおあくびだ。
好物のソーセイジをくれたオバァ〜サンはもう来ない。
我輩をクチャクチャにする女の子も仕事だ。年賀状も来ない。
宝くじも当たらない。スキー場にも、山にも、雪が無い。
あぁ〜あ・・・ 元旦や冥土の旅の1里塚・・・・旦那がつぶやいている。
我輩も切なくなる。よほど退屈なのか、娘からプレゼントされた、
シュラデザインズの定番のパーカーが嬉しいのか、
やたら我輩を散歩に連れ出す。旦那が10月から広島に出張で、
散歩がお預けだった我輩は筋肉痛だ。明日から、寒くなるぞと
言いながら、毛布を敷いてくれた。
あぁ〜あ、宝くじが当たっていたらなぁ〜と、呟きながら、
賽銭をジャラジャラいわせて旦那は、天満宮へジョギングで初詣に
行ってしまった。正月が終わると旦那は広島だ。
後1ヶ月又、散歩はお預けだ。
毛羽たきのような尻尾に顔を埋めて丸くなる、我輩は寒さに強い。
厳しい寒さにむかいます。
くれぐれもご自愛のほどお祈り申し上げます
犬のファティーより
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1997年暑中見舞い
暑中お見舞い申し上げます。
「バンドエイドはママのキス〜、この傷、なおらんかなぁ〜」
旦那はブツブツ言いながら登山靴の破れにバンドエイドを貼っている。
「南アルプス1週間の縦走で引退させてやるぞ、頑張ってくれよ」
ボロボロの登山靴は「よっしゃ」と、答えてはくれない。
旦那は心を込めてボロ靴を磨く。「1週間のテント泊で、ザックは
50リッター重量は15kg以下、現地調達は水とビールだけウ〜ン」
旦那もよる歳波には勝てず装備の軽量化に頭を悩ましている。
旦那が鼻先で紙切れをヒラヒラさせる。「ブルートレインの切符だ、
寝台車に乗るんだぞ」我輩にはよく解らないが、旦那は嬉しそうだ。
台風9号の影響で荒れ模様だとゆうのに28kgのザックを担いで
右田ヶ岳に行ってしまった。台風一過また暑い日が戻って来るだろう。
我輩は紫陽花の根本に穴を堀り、腹ばいになる。ヒンヤリとして、
気持ちがいい。「ファティー、紫陽花が枯れるじゃないね」
パートから帰った女将さんが我輩を追い出し、穴を埋める。
「イタチごっこならぬ、犬ごっこか!ハッハッハッハッハ〜」
旦那が笑う。 この攻防、当分続きそうです。
暑さとの戦い、皆様が必ず勝利されますよう、お祈りいたします。
1997年 盛夏 犬のファティーより
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