この世は全て一つに繋がってる。
そしてこの世はまた別の世界と繋がり、そしてまた別の世界に繋がる。
エンドレスなんだ。
錬成陣はもはや完成を待つばかりだった。
解除の方法なんてあるはずがない。
そもそも解除することなど想定されたものではなかった。
「くそ…!」
時間があればそれも叶ったかもしれない。
こうして考え込んでいる間にもは錬成陣の一部として組み込まれていく。
後ろではリザとアームストロング少佐が戦っていた。
「!目を覚ませ馬鹿者!」
自分でもどうかしていたと思う。
「起きろ!!」
声を掛けて何かが変わるわけではないはずなのに。
「何のために私が何年もかけて眠りに落としたと思ってるの?」
二人の相手をしながらもロイのすることを愚行として笑う。
「…!」
握りっぱなしの拳から流れた血が錬成陣に引き込まれた。
「起きろと言っているんだ!!」
「あっ!何てことを!!」
錬成反応が止まる。
「ロイのバカ!!」
「おまえにバカと言われる筋合いはない!」
手袋をはめ、発火布を利用して爆発を起こす。
「邪魔しないでよ!」
3対1は厳しいようだ。
「さっさとケリをつけよう」
初めて相手の顔に焦りの色を伺うことができた。
しかし早く何とかしなければ…。
「待って」
聞こえるはずのない声。
声をした方を振り返ると錬成陣に縛り付けられたままこちらを見つめているの姿。
「…?」
「何で、どうして起きちゃうのよ!!折角完全な眠りに落としたっていうのに…!!」
鉛のように重たくなった腕を動かし、指さす。
「ロイ、そこのケースの中に、髪の毛が…」
先ほどまでの体が収まっていたケース。
「ちょ…!!」
「邪魔はさせない!」
リザが立て続けに発砲する。
にもらった銃を構え直す。
「それを、錬成陣の近くに…」
言われたとおりにその一本の髪の毛を錬成陣の近くに置く。
それは先ほどのように素早く吸収されていった。
「こっちだ…」
体温が低下して思うように動かない手にそれを呼ぶ。
「、来い」
真紅の瞳が強い光を持つ。
「来い!!」
「嫌だぁぁ!」
抵抗するが強大な力には逆らえない。
錬成陣の中に引き込まれて体の自由が奪われる。
「嫌だ!折角ここまで来たのに…!」
「君は俺の家族、だから、俺が責任持って…」
「!」
ロイが泣きそうな顔をしている。
俺は本当に悪いヤツだね。
ほら、リザさんにまで…。
「さぁ、一緒に行こうか」
「やめろ!今助けてやる!」
必死な顔に思わず笑ってしまった。
本当なら助けてもらうところだけど。
でも…。
「ロイ、ごめん…」
そんな顔をしないでよ。
「俺はを届け、なきゃならない」
この世にとどめ置くわけにはいかない。
歪みを生み出す可能性のある者をみんなのところに放置しておくなんて危険すぎる。
「嫌!!」
泣かないで。
俺は大丈夫だから。
「中佐!!」
地面に寝ころんでいるせいか振動が直に伝わってきた。
あ〜あ、みんな来ちゃった。
しかし心配しないで、と目で伝える。
「世界は一つに繋がって、る」
だから
「《また》ね」
「離せー!!」
「!!」
の上着一枚を残して錬成陣もろとも二人の姿は消えた。
『嫌だ!離せ!!』
『やあ、久しぶり』
【また来たのかい?】
『今回はこれを届けに来ただけだよ』
【あぁ、そう。それは残念だ】
『な、何を…』
『じゃ、バイバイ』
背を向けると悲鳴が聞こえた。
全てが判明した以上、仕方がないことだ。
この場合はこうすればいい。
どういうわけだかそれは本能のように自分の中にある。
『今まで何をしてたのかって感じだ。ところで何かした?』
【今回は"痛み"も一緒に扉の向こうに送っておいた】
『そりゃどうも』
【あっちの世界はどんな様子だい?】
『知ってるくせに』
【まあな】
『…何だよ?』
【おまえはどうせまた来る】
『多分ね』
【"痛み"を背負う者として生きるってのはどうだい?】
『もう慣れたよ』
【"光の獅子"なんて生やさしい名前をもらったんだねぇ】
『俺に選択権はなかったからな』
【死刑執行人の方が合ってるんじゃないのか?】
『うるさい』
【わかっていると思うけどおまえが死んだらあの世界は完全に崩壊する】
『…歪みを生み出す者がいなくなれば世界は修正されるんじゃないのか?」
【だが"痛み"を背負う者がいなくなれば歪みを修正できなくなる】
『まさか…!』
【気づいたか?おまえは生かされてるって事だよ】
『…最悪だな』
【じゃあせいぜい生き延びることだね】
『まだ、まだ死ねないんだ』
【早いところおまえを元の世界に返しておかないとな】
『だったら早く戻してくれ』
【帰りたきゃこの扉を通ればいい】
『これ…』
目の前に扉が現れる。
さて、この扉はどこに通じているんだろう?
【だけど】
『今度は何?』
【もっと大きな"痛み"を受けやすくなる】
でもほかに扉はない。
『大丈夫だよ。もう慣れた…』
【皮肉なものだね。歪みを生み出し、その歪みに苦しむ。そしてそれを修正するために生かされる】
『苦しくなんてない』
【まぁいいや、通りな】
扉が開く。
『世界は繋がってるからね』
すぐにまたみんなに会えるはずだ。
この世界は歪んでる。
でも、歪んでいても繋がるところはただ一つ。
さぁ、
行ってみようか。
あとがきという名のいいわけ
無理矢理ー!!!
…って言ったらお終いだけど。
真理の人と仲良しの主人公君です。
仲良しかどうか、本人は仲良しだなんて最悪だーと言いそうですが。
本日は二本アップなので後残りすこーし。
もう少々おつき合いくださいませv