俺を追い込んでも何もいいことはない。
だからもう、やめてくれ…。
夢、それとも、これは現実? --4--
「っ、くそっ!」
何をさせたい!
は立ちくらみがするのを無視して一気に立ち上がる。
「、何をしている!」
「うるさい!寄るな!歪みたくないなら寄るな!」
自分が立っている地面も、周辺に咲く花も、自分のまわりにあるものが歪んでいく。
幻覚なのかそれともこれは現実なのか?
「何を言っている!落ち着け!」
「うるさい!」
ここから逃げ出したくなり、玄関に走った。
ドアを開けると驚いた顔のリザがいた。
いきなり開いたドアにおどろいたらしい。
リザの横を通り抜けようとしたとき中からロイの声がした。
その声に機敏な反応をしてみせるリザの手から間一髪のところで逃れることができた。
制止する声がはっきり聞こえたが止まったりはしない。
しかしまだ熱の下がり切らない体はいつもより重たかった。
また、強烈な眠気に襲われる。
止まりたくないのに足は次第に動きを止めていった。
もはや立っていることすら困難になって地面に膝をつくしかない。
また、あの、夢。
二人の声が一瞬だけ聞こえたがすぐにあの白い部屋に連れ込まれた。
【やぁ。また来たのかい?】
『今回はこれを届けに来ただけだよ』
自分の小脇に抱えているものは、何だ?
【あぁ、そう。それは残念だ】
『な、何を…』
女の子の声?
俺は何をしようとしているんだ!?
『じゃ、バイバイ---』
背を向けると悲鳴が聞こえた。
人のものとは思えない、絶命の声。
『今まで何をしてたのかって感じだ。ところで何かした?』
【今回は"痛み"も一緒に扉の向こうに送っておいた】
『そりゃどうも』
【あっちの世界はどんな様子だい?】
『知ってるくせに』
こんな記憶、あったっけ?
【"光の獅子"なんて生やさしい名前をもらったんだねぇ】
『俺に選択権はなかったからな』
そう、あの頃の俺はとんでもない罪を重ねていた。
【死刑執行人の方が合ってるんじゃないのか?】
『うるさい』
死刑執行人。
俺にとってはこっちのほうが合っていると思う。
【わかっていると思うけどおまえが死んだらあの世界は完全に崩壊する】
…何?
『…歪みを生み出す者がいなくなれば世界は修正されるんじゃないのか?」
【だが"痛み"を背負う者がいなくなれば歪みを修正できなくなる】
俺が、いなければ…、何だって?
『まさか…!』
【気づいたか?おまえは生かされてるって事だよ】
生かされてる?
ゆっくり情報が流れ込んでくる。
だんだんこの辺りの記憶が鮮明に戻ってくるがやはり先ほどの女の子の顔や名前は思い出せない。
『…最悪だな』
【じゃあせいぜい生き延びることだね】
『まだ、まだ死ねないんだ』
忘れてたわけじゃないけど。
いつも一人だけ別の時間に飛ばされて記憶も曖昧になったりで怖い。
【早いところおまえを元の世界に返しておかないとな】
『だったら早く戻してくれ』
【帰りたきゃこの扉を通ればいい】
『これ…』
目の前に扉が現れる。
どういうわけだか温かいイメージしかない。
【だけど】
『今度は何?』
【もっと大きな"痛み"を受けやすくなる】
確かに、毎日苦しいけど。
『大丈夫だよ。もう…』
慣れた。
【皮肉なものだね。歪みを生み出し、その歪みに苦しむ。そしてそれを修正するために生かされる】
例え生かされていたとしても。
『苦しくなんてない』
そう、苦しくなんてないんだ。
【まぁいいや、通りな】
扉が開く。
『世界は繋がってるからね』
帰れるはずだ。
このまま目覚めても苦しくなんてない。
あとがきという名のいいわけ
こんにちは、長瀬です。
どうも暑くて気分がすっきりしません。
それはさておき、第四弾です。
こうも暗くては気も滅入る…ということで一気にUPしてしまいました。
テストも近いのでそろそろ更新ができなくなってしまいます。
その前に頑張って更新したいと思います。
お気に召しましたら拍手よろしくおねがいします^^