「またかー!!!!!」
東方司令部に響き渡る声。
再び事件だ。
「二人とも、サボってないでどうにかしてくださいよ」
窓から逃げようとしていた行動パターンが上司に似ている部下が言う。
「…治療系の錬金術だからって連れて行かれたりしないよな」
毎度毎度呼ばれたのでは身が持たない。
勘弁してくれ…。
「命令、ですよね?」
突然の招集。
たった一人で向かう先は…。
「どうも、国家錬金術師の・です」
もう過去の『光の獅子』ではない。
殺さない。
できるだけ傷つけたくない。
「…置いていかないでくださいよー」
そう声をかけられて振り返るあなたはずっと聞いていたような人ではない気がする。
いえ、聞いていたような人ではない。
「それほどまでに大切な人なら一緒に目標の達成をしたいと思わないんですか?」
どうしてそんなに苦しみを背負って生きているんですか?
俺はわからない。
どうしてこんなにあなたの言葉で涙が出るのか。
そして、どうしてその笑顔に胸が痛くなるのか。
俺にはわからない。
"痛み"に耐えられなくなる前に終わらせなければならない。
その状況は焦りを生み出すばかりだった。
「そんなの…、そんなの間違ってます!」
この声、どうかとどいてほしい。
俺だって…。
『大型犬』
「はーい、東方司令部のマスタング…」
「嘘を言うな、嘘を」