等価交換
自分はその原則に則っていたのか?
そこで気づいておくべきだったのかもしれない
暁霧-4-
【そう、対価はお前の…】
血だ。
体から一気に体温が奪われる。
目の前には赤い液体を貪る黒い物体が蠢いていた。
それは、確かに人ではなかった。
一体、俺は何なんだ…?
「っあ…!」
飛び起きたは部屋の白さに先程の光景を思い出す。
「!」
貫かれたはずの胸には傷はない。
確かに自分は死んだ。間違いなく心臓を突かれたはずだ。
何だ?何があったんだ?
「!しっかりして!」
嫌な汗が流れる。心臓は鼓動を早めるばかりだった。
あの時確かに動きを止められたはずの、この心臓。
「どうした!」
ヤツは死なないと言った。俺は生かされてると、確かにそう言った。
死なない人間がいるのか?心臓を突かれても生きていられる人間がいるのか?
「!しっかりしろ!」
ならば…、俺はやはり…人、ではないのか?
「!」
頬をたたかれた衝撃で視界が揺らいだ。
何が起こったのか全く把握することができなかった。
「だ…」
誰だ、と言いかけて口をつぐむ。そう言ってはいけないような気がした。
彼らを視界に捉えた時、の顔を見て驚いた顔をして立ちつくしていた。
その瞳は以前にも増して鮮血に近い色で輝いている。
「どうかした…のか?」
「よかった…、大丈夫そうだな」
ずっと息を溜めていたのではないかと思うくらいの盛大なため息を吐いていた。
「うん…、大丈夫なんだ…。大丈夫であるはずがないのに大丈夫なんだ」
ロイとリザは顔を見合わせた。
そう、確かに凶器はの急所を貫いていた。見間違えるはずはない。
「ごめん」
がいきなりこう口にした。
「ちょっと混乱してたんだ。悪かった…」
頭を押さえて眉間にしわを寄せていた。
「ヤツは言った。【おまえは生かされてる】ってね。だから死なない、死ねない」
二人の視線に今頃気づいたかのようには微笑む。
「これで俺は死なないってわかった、少々無茶しても大丈夫だな」
いつもに増して顔が険しくなったロイの軍服の裾を捕まえる。
「苦しくなんてないよ。俺の生きている意味、だからな」
「…何を隠している」
「隠すって…、もうネタは無いと思うけど?」
それでもを問いただす視線は変わらない。
自分でもわからない。自分の中に何が隠されているのかなんて。
リザは横でじっと二人の様子を伺っているようだった。
先ほどのロイのように盛大にため息をついたの口元が歪みむが鮮やかさを増した真紅の瞳は笑わない。
「じゃあ何?俺はやっぱり人間ではありませんでしたって言えばいい?」
「!」
「そりゃそうだよな。心臓ブッ刺されて生き返ってるんだ、人間じゃないって言われても否定は出来ない」
二度目の手は遮られた。
ロイの手はに捉えられる。
「叩こうが殴ろうが刺そうが撃とうが無駄だよ」
「どうした!おまえらしくないぞ!」
「そんなに殴りたきゃ殴ってみれば?折角だからちゃんとした鈍器、持ってきて。次は死ねるかもしれないよ」
「ふざけるな!」
「大佐!」
つかみかかるロイの片手を軽くあしらって、はベッドを挟んで反対側に降り立つ。
「得意の焔で焼いてみる?それでも死ねなかったら本格的に人間じゃないよな」
「、落ち着いて!」
「そっか、さっきは頭じゃなかったから?だったらリザさんでもいいよ、君なら頭を狙っても外さないだろうし」
銃の形をマネをした手をこめかみに当てて狂った笑みを浮かべた。
リザの深く、眉間に寄せられた皺が何かを我慢していることを表している。
らしくない。
それは自身もわかっていた。それでも止めることは出来ない。
リザの顔をこんなに悲しみの色に染めたくはなかったのに。
「どっちでもいいや。早くやってみてよ」
「…いいだろう」
リザは耳を疑った。
「大佐!二人ともやめてください!」
ロイは発火布の手袋をはめ、標準をに合わせる。
「大佐!!」
「黙っていてもらおう、中尉。これは命令だ」
冷たい声にリザは首を振って聞こえた言葉を消し去ろうとした。
あとがきという名のいいわけ
子供ですから、と言ってみたり。
私たちではそう思うことは今の時点ではあり得ませんが、死ねない人間は恐ろしいだろうと思います。
そして主人公氏大混乱。
病院で暴れてはいけませんw
シリアスな雰囲気壊してるの、もしかしなくても管理人です。
そろそろ拍手にも新しい夢小説を入れたいと思っています。
恐らく次はその更新になると思います。
更新の際にはそちらもよろしくお願いします。
ここまで読んでくださってありがとうございました。