東方はとてもいな…、自然が豊かに広がる場所だ。
あの戦いの時にはもう復興なんてできないと思ったのに。
残されていたもの -1-
「、頼む!」
ま…めじゃなくて、史上最年少国家錬金術師のま…じゃなくてエドワード・エルリックが必死の形相でを見上げていた。
「いや…、それをやったのは俺の責任だし…」
「それは違う。俺が無理に頼んだから…」
手を合わせて頼もうにもその手が使えない。
昼下がり、東方司令部にひょっこり顔を出したエドとアル。エドがたまたま練兵場で軍隊格闘を教えていたを発見した。
何度も頼み込んで手合わせをしてくれとエドが頼むものだからは熱意に負けてそれを飲んだ。
アルが本当に申し訳なさそうにしていたため、少しだけ慰めてやった。
兄と弟交換した方がいいのではないかと心から思う。
練兵場で始まったのは錬金術無しの格闘技だけの手合わせ。
次第に早くなっていく動きには思わず本気の一歩手前まで来てしまったのだ。
それをエドは機械鎧で受け止めたのだがの細身からまさかそんなに重い一撃が来るとは全く予想していなかった。
「あ…」
エドの顔色が一気に悪くなって、は事態を飲み込んだ。
「あ…、ごめん!」
「兄さん!」
エドの肩にだらしなくぶら下がったように見える高性能の機械鎧。完全に壊れていた。
「あぁー!!どうしようどうしよう!」
「いや、落ち着…」
機械鎧が壊れたことよりも今は崩れたの顔に驚きを隠せない。
「ヤバイ!俺、機械鎧の知識なんて無いから直せないぞ!?」
「中佐、落ち着いてください!」
アルの声にぴたりと動きを止めて一気に落ち込んだ。
膝まで抱えて完全に負のオーラが禍々しい色で広がっている。
「はー、どうしよう…。それってどこに行ったら直せるの?」
「リゼンブール、だな」
その言葉を口にしたとたん今度はエドが奇声を上げる。
「あぁー!!どうしようどうしようどうしよう!」
「エド、どうした…?」
「ウインリィに殺されるー!!」
ウインリィ、といえばこの間エドにくっついて来ていたあの子のことだ。
その一日の半分程度の記憶が消えていた理由は未だにわからないが。
「どうしようどうしよう!」
「俺だってどうしようどうしよう…」
「二人とも落ち着いて!」
二人が同じ表情をして練兵場を走り回り、それをアルが追いかけた。
「何をやっている」
「ロイー!」
猛スピードでロイのもとに駆け寄り、慌てた様子でこれまでの経緯を話す。
後ろに控えていたリザに挨拶すらする余裕がないようだ。妙な手の動きでこれまでの経緯を説明した。
の後ろにたたずんでいたエドは顔を青くしている。
「ロイ、頼む!俺をリゼンブールに行かせてくれ!」
それを見たは顔をロイに向けて必死の形相で手を合わせた。
「頼む!ロイ!」
「中尉に聞かないことには何とも言えないな」
はリザに懇願の視線を送る。
「中尉〜!頼む!エドの機械鎧を壊したのは俺なんだ!だから…!」
リザはスケジュール表を取り出して難しい顔をしていた。
「一週間と3日くらいしか空けられません。それでもいいですか?」
の沈んでいた顔が一気に明るくなる。
「リザさんありがとう!」
周りに人がいることを気にかけず、というか周りの人間が全く目に入っていないため、リザの頬に軽いキスを落とした。
「よしエド!今から出発だ」
ほんのり染まった頬を抑えてリザは俯いていた。
ロイは若いな、とため息を付いていた。それが自らが若くないと認めている証拠なのだが。
「サンキュー、!」
「いや…、それをやったのは俺の責任だし…」
「それは違う。俺が無理に頼んだから…」
話がループしかけたところにアルがストップをかけた。
「早くしないと今日の最終がでちゃうよ?」
「あ、あぁ、そうだった!、早いとこ荷物を…」
「わかった。駅で待ち合わせでいいか?」
「あぁ」
こうして三人はリゼンブールに向かうことになった。
ロイも、リザも忘れていた。あの場所が一体どういう場所なのかを…。
決してをそこに向かわせてはならなかった。
あとがきという名のいいわけ
まだ全く暗くないのでこれはセーフ。
エルリック兄弟が出ればあの話ははずせないと思いました。
コミックになぞらえた連載をいい加減始めなければならないと思っているのですが、どうしても外せない話があるので…。
つじつま合わせをしなければならないし、まだ明らかにされていないことも書かなければ進めません(汗)
どうぞおつき合いくださいませ。
読んでくださって本当にありがとうございました。
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