情報誌 暮音小路 創刊号 

創刊号●1999年3月6日発行

山口住まい・まちづくりセンター
これからの活動に向けて

センター長 中園眞人

 昨年10月にセンターがオープンし早半年近くが経ちました.昨年はセンター組織の設立と活動拠点となる建物のリフォームを主とした活動に取り組み,設立総会・センター開所式の開催により一つの区切りをつけることができました.その後センターの日常的な運営及び今後の活動方針等について,企画運営委員会を設け検討・準備・試行を進めているところです.

 今後は住まい・まちづくりに関わる色々な団体・サークルの方々,また多くの関心をもたれる市民の方々が共に集い,共に活動してゆくための拠点となるよう,その受け皿としてお役に立てるセンターにしてゆくことが課題であると考えています.そのためには,これまでの住まいを中心とした活動のみでなく,会員の皆様の協力を得ながらより幅広い活動が展開出来る企画・運営を目指すと共に,広報活動の充実を図り,市民の方々に親しみのもてるセンターとしてゆくことが大切です.今回ようやくセンターニュースの第1号をお届けする運びとなりましたが,今後とも皆様の暖かいご支援をお願いいたします.


各部会・委員会の代表にそれぞれの活動内容を紹介してもらいまいた。


運営小委員会

徳田 勉

 センターの組織体制が会長・中園眞人、副会長・今井徹也、事務局長・徳田 勉に決定しました。さらにセンターの業務を円滑にするため、企画運営委員会を設けその中に3つの小委員会を、また住まい、まちづくり活動を充実したものにするため研究部会を設けました。ご協力をお願いします。



●企画運営委員会小委員会

 企画小委員会…事業の企画に関すること

 運営小委員会…組織、会勢、運営等に関すること

 広報小委員会…ミニコミ紙の発行等広報に関すること

●住まいづくり関連研究部会

 民家再生部会…民家、町屋等の再生活用

 山口型住まいづくり部会…山口らしい住まいの研究

 ハウジングアドバイス部会…住まいへのアドバイス推進

●まちづくり関連研究部会

 心市街地空洞化対策部会…都心の再生研究

 ケルトン定借研究部会…都心居住の推進

 アートふる山口部会…アートふる山口の推進


企画小委員会

荒瀬秀治

 当委員会の使命は、センター自体の使い方、ギャラリー部分の使い方についての企画立案をすることです。会員の皆さんの企画をどしどし提案いただきたいと思います。まだ委員会メンバーが確定してはいませんが、最初に打ち合わせをしたのが、インターネットの活用とセンターのホームページ開設に向けての活動です。運営小委員会、広報小委員会と連携を図りながら、企画運営委員会全体が円滑に進むように心がけたいと思います。


広報小委員会

水沼 信

この情報誌のタイトル「暮音小路」は、夕餉の支度をする包丁の軽快な音や近くの広場で遊ぶ子供たちの歓声など日々の暮らしの中で聞こえる心地よい音がいつも響いているような小径があちこちにある、そんなまちづくりを目指したいという思いから名付けました。もちろん当センターの所在地の地名「銭湯小路」からも分かるように、大殿大路、竪小路など、山口のまちづくりの歴史を今に伝える「通り」の呼称にも由来しています。このようなすてきな小径をたくさんの人が一緒になっていろんな色のクレヨンで彩っていく。そんなセンターにしたいものです。今後、「暮音小路」により定期的にセンター情報をお伝えしてまいります。


民家再生部会

前田哲男

 かつて市内の街道筋には、町家と呼ばれる民家が並び、良好な町並みが形成されていましたが、現在は見るも無惨な状態になっています。こうした状況をなんとか打開したい、今ならまだ間に合うと考え、私達のグループ活動が始まり、古い民家の調査と記録などを行ってきました。これまでの実績を踏まえて、これからは「民家バンク」と呼ばれる組織の設立を目標に、民家再生を地域社会の中に広く普及させるための活動を展開して行こうと考えています。


山口型住まいづくり部会

小山哲彦

歴史と自然の豊かさを背景に地域ごとに様々な特徴を持つ山口は、共通の地域性が探しづらいと思われがちです。しかし身の回りの情景や遠くの景色そしてふれあいなど各地域の個性や宝物を大切にしようという想いや工夫が山口全体の風景を創っていく…。そんな考えを元に「山口型の住まいに必要なポイントを綴ったパンフレット」を作成しました。今後は一の坂川町並み環境整備の為のデザインガイドマニュアルづくりなど具体的な地域や形への提案を模索していきたいと考えています。歴史的建築物の新用途活用による甦生など部会の枠にとらわれず山口型住まいの新しい提案に取り組みたいものです。


ハウジングアドバイス部会

内山秋久

本部会では将来家を建てる人、増改築・修繕をしようとしている人を対象に講演会・勉強会を開催してまいります。様々な角度からの情報提供を考えていますが、その中から自分たちの住まい方、ライフスタイルに合ったものを選択し、新築・増改築をするときに生かして頂きたいと思います。さらに建物そのものだけでなく、環境・健康・インテリア・町並みなど広く皆様にわかりやすい形で情報提供していきたいと思います。

まずは3月13日(土)10時〜12時と13時30分〜15時30分の2回、「ガーデニング」についての講習会を開催します。皆様の参加をお待ちしております。なお、参加人数確認のため事前にセンターに申し込みをお願いします。


中心市街地空洞化対策部会

兼重正司

 市営中河原アパートの建て替えに伴う中心市街地まちづくり提案に端を発した本部会は、現在一の坂川周辺を含めた中心市街地の活性化問題について、「山口らしさを活かしたまちづくり」「中心市街地での定住を確保する」「まちの多様性を確保する」「都市の基盤整備」の4点を基軸にしながら具体的手法を研究しています。これは山口の中心市街地の魅力あふれる市民生活の場づくりと、活気に満ちたハートフルなまちづくりを目指すものです。「まちづくり」あるいは「景観」といったことばが注目されていますが、地域の歴史・風土を踏まえながら地域に根ざした市民・行政による合意形成を図っていくことが一番大事と思われます。


スケルトン定借研究部会

中園眞人

 名称を見ただけでは,なにこれ_とだれにもわからない不思議な研究会が山口にあるのです.正式には「定期借地方式によるスケルトン分譲住宅研究会」といいますが,これでもまだ分かりにくい.定期借地方式とは土地を期間を決めて借地し,その分だけ安くて質のいい家を建てる方式のこと,スケルトン分譲とは建物の主構造部分のみを分譲し,住戸内の間取り・設備等は入居者が自分のライフスタイルに合わせて自由に自己資金で計画できる方式のことです.研究会では中心市街地の空き地・駐車場等の土地にこの方式を活用して良質な集合住宅を建設し,利便性の高い居住環境を提供することにより,都心部の人口回復と中心市街地の活性化を目指しています.従来とは全く異なる新しい住宅建設方式なので,勉強会を重ねながらできるだけ早く実現出来るよう活動しています.ご期待下さい.


アートふる山口部会

岡部憲治

山口には他県が喉から手がでるほど欲しがっている大内文化や明治維新など、本物の歴史や観光資源がいっぱいあります。それにも関わらず宝の持ち腐れで生かしていません。これまで3回開催した「アートふる山口」では、今まで気づかなかった山口の良さを市民に知ってもらう事が出来ました。「アートふる山口」は単なる一地域のイベントではなく、山口の地盤沈下を止めることの出来るまちづくりの官、民、住民の関わる合同事業なのです。まちづくりと言っても、なにか目標がなければ空論に終わります。まちづくりセンターで議論していく過程で人は育ちますし、その活動の発表の場が「アートふる山口」になればいいと思います。「アートふる山口」をどこでもできる客寄せイベントとしてではなく、山口の未来を創造する市民参加によるまちづくり運動に成長させたいと思います。御支援御協力をよろしくお願いします。

 

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