情報誌 暮音小路 10号 

2002年11月15日発行

 平成14年度山口まちづくりセンター総会報告

 平成14年6月1日(土)午後5時より平成14年度総会が出席者正会員16名、委任状35名で菜香亭にて行われました。
 議題としては平成13年度事業報告、平成13年度収支決算、平成14年度事業計画、平成14年度収支予算が議事として提出されました。これについて会場から、事業報告と収支決算について特定非営利活動にかかる事業と収益事業との区別がはっきりと分かるように表記した方が良いのではないかとの意見が出されました。
 平成14年度事業報告、収支決算については形式を検討することとし、議題は原案通り可決されました。
 また、議長がその他自由意見について会場に求めたところ、米山荘跡のマンション建設計画への反対運動が報告されました。
 総会終了後、懇親会が出席者17名で開催され、会員どうしの情報、意見の交換などが行われ午後8時に終了しました。



 今年もアートふる山口開催される

 10月5日(土)、6日(日)、山口市の一の坂川・竪小路周辺でアートふる山口が開催されました。7回目を数え定着したせいか来客の出足は良く、最終日午後の雨にも拘わらず例年以上の賑わいとなりました。
 今年の目玉は移築保存される菜香亭で、オリジナルの姿では最後の参加となりました。当日は鷺流狂言の公演など様々な催しで飾られ、歴史空間を多くの方々にゆっくりと楽しんでいただきました。
 又、事務局として皆さんが集まる山口まちづくりセンターも展示会場の一つとなり、市内の建物に見られる彫刻の写真パネルやこの催しの歴史を紹介するパネルなどが展示され、来場者の方々に楽しんで頂きました。

 民家再生部会

前田 哲男 

 古民家再生が地域社会の中で市民権を得たとき、私達の役割は終了したと考えられます。しかし、まだ市民権を得ていないというのが現実の状況でしょう。
 古民家そのものが元来、長寿命の住宅のため、それに助けられているものの、手をこまねいていると、取り返すことのできない状態になってしまいます。
 今年の活動ですが、部会員の中に、再生された古民家に住まわれている方がおられるので、民家再生の問題点と可能性を具体的に検証していきます。また、センターに寄せられた民家再生相談にも対応していきます。
 できるだけ多くの方々にも関心を抱いていただきたいと考えていますので、現地調査につきましても、相談者の了解を得て、できるだけ公開の活動にしていきたいと思っています。

 山口型住まい部会

小山 哲彦

 山口らしい住まいとは、身近にある景色を共に創っていく大きな素材である家に必要な仕掛けとは何かを追求しています。
 自然になじんできた既存の古民家とは違い、新たな建物は利便性が向上し住みやすくなる長所とともに、形やボリューム、色彩といった構成要素の選択次第でかなり出来上がるものに差がある様に、山口のまちの風景をつくる一員としての役割を担っている事を忘れてはいけません。 
 一律の統制基準を持つことだけで景観を形成しようとは思いませんが、部会活動の一環でこんな事には気を配っておきたい、どういう風に考えていけば良いのだろうか、等のポイントの整理を中心に少し身近な答えを探して行きたいと思います。
 又 町屋も市街地のなかで生き残りにくくなってきており単純な保存ではまかないきれない現況を補完していく新設建物の在り方などの研究も、強いては山口型に通じるものとして幅広い活用やデザインの在り方を考えてみたいものです。 

 町中住まい研究会

中園 眞人

H14の活動案内

 研究会では(1)定期借家方式によるまちなかの民家再生と、(2)スケルトン定借方式によるまちなかの集合住宅建設支援、の2つのプロジェクトの実現を目指して活動しています。
 平成14年度は昨年度に引き続き、山口市中心市街地の土地・住宅調査(空家の古い民家・空き地・駐車場など)を継続し、プロジェクトの候補物件を見つけ出すとともに、持ち主に土地・住宅の活用意向を尋ねる調査を行い、少しでもプロジェクト実現にむけて前進したいと考えています。
 またスケルトン定借については、今春新南陽市で具体的なプロジェクトを立ち上げ、入居者募集の説明会を開催しました。この秋(10月13日)にも徳山市で2箇所の現地見学会を開催し、希望者を募集するイベントを企画しています。こちらの方はようやく実践的な活動に展開できるようになりました。
 これからはセンターのHPを活用し、これらの活動・イベント案内を会員の皆さんに迅速に紹介してゆきますので、関心のある方は是非参加ください。

 やさしいまち研究部会

小林 裕一

「共生のまちづくりワークショップ」

 今年度のやさしいまち研究部会は、NPO法人山口ウッドムーンネットワーク(障害のある子供をもつ親が中心となってできた団体)と共同で勉強会を開きます。
 これからのまちづくりとして、すべての人すべての子供達が豊かに安心して住めるまちを目指し、ウッドムーンの持つソフトの部分と我々のハードの部分での知識等をかみ合わせて、出来うる部分を探しだそうという勉強会です。

スケジュールは下記の予定です。

○第1回 テーマ:良いまちを見て学ぼう
       6月8日(土) 因島視察研修

○第2回 テーマ:見学会からのヒント探し
       7月13日(土) 共生のまちづくりへのキーワード探し

○第3回 テーマ:私達のまちの問題点探し
       9月14日(土) 問題点の整理と改善案

○第4回 テーマ:共生のまちづくりへの第一歩
       10月26日(土) 具体的な提案のまとめ

 因島視察研修風景

 「一千年西の京」部会

 

入交 知則

 平成14年度活動計画は、部会組織の拡充と「一千年の西の京」のまちづくりの更なる一歩前進を図りたいと思っています。
 本年度の活動計画の一つは、平成13年度の活動において「アートふる山口」が開催される地域の皆様に対して、ご協力頂きましたアンケートの結果報告会を行う予定をしています。 
 その報告会の中などで募集や勧誘をさせて頂きまして、ご賛同を頂ける地域の皆様がいらっしゃれば、是非ご一緒に報告書「一千年の西の京」のまちづくりについて軌道修正を含めた検証をしながら、アクションプランを地域の皆様を中心に検討及び計画立案を進めて参りたいと思います。    
 この2〜3年以内で大殿地区一体に様々なまちづくりの施策が山口市当局を中心に実施されることと思いますが、民間もそのフォローな風を逃すことなく「アートふる山口」の思想を基に、具体的な町並み保存等を含めた大内文化のまちづくり運動を展開する一つの核になれるような部会をめざして行く為のステップの1年でありたいと考えています。

 やまぐち街なか大学


平成14年度(後期)受講生募集

 やまぐち街なか大学は、「いつでも誰でも大いに学べる」大学を目指して活動しています。現在受講生を募集中の講座情報をお知らせします。全講座受講無料。

※実費が必要な場合もあります。
  この他にもいろんな講座がありますが この号発行後のものを抜粋しております。

●お申込み方法

1.希望講座名
2.ご住所 
3.お名前
4.ご職業
5.ご連絡先(Tel/Fax/E-mail)

を明記の上、
街なか大学実行委員会事務局(センター内)
TEL/FAX 083-934-3515  E-Mail info@idom.jp
に送信してください。

■ホームページ開設しました!! http://www.idom.jp/

各講座の最新情報ほか、受講申込みもできますので、詳しくはこちらを是非一度ご覧のうえ ご参照下さい。

■生活(くらし)のゼミナール「楽しく学べる栄養学T」第2回 

コーディネーター:山田次郎氏
(山口大学教育学部教授・生活健康科学)

日 時 12月15日(日)13:30〜15:00
会 場 大殿公民館

【託児無料】(申込み時に人数・年齢をお申し出下さい。)

■生活(くらし)のゼミナール「ケアする人のケア講座」第2回

コーディネーター:志村哲郎氏
(山口県立大学・社会福祉学部教授)

日 時 未定(申込者に後日連絡)
会 場 ふるさと やまぐち まちのえき

※介護所有り・ヘルパー付※ (申込み時に申請)

■「情報のびっくり箱2」 

〜ホームページの企画・運営・活用編〜

コーディネーター:河村 孝氏
(株式会社コア マルチメディア課・課長)

第2回 「ホームページで情報発信をするためには」
     〜調査の方法や見せ方について〜

日 時 12月7日(土)18:00〜20:00
会 場 地域情報交流センターPASOLA

■第2回「コミュニティ・ビジネス」研究会

学級委員:末永光正

日 時 12月10日(火)18:30〜20:30
会 場 小郡商工会議所

 ハウジングアドバイス部会

 

内山 秋久

平成14年度すまい講座報告

 今年度で、すまい講座も4年目を迎えました。平成10年のガーデニング講座から始まり、毎回参加者の希望に答えるべく、また応援に助けられ、スタッフの協力によりここまでやってきました。

●見知らぬ受講者の助け合い

 車いすの体験タイムを始まる前に行ったところ、受講者同士がお互いに助け合い、また場所々々で検討会が自発的に行われる。
体験後の講座は積極的に意見が出てより一層盛り上がりました。

 今年は介護と住宅改良にテーマをしぼり、5回シリーズで組み立て、受講者に分かりやすく身近な問題として、また将来に備えて考えて頂けるようにと企画しました。
 第1回〜第3回までは部会スタッフの西牟田真弓さんに講師を依頼し、県内の高齢者のための住宅改修の実例をスライドで紹介し、良い所、悪い所、注意点などを知ってもらいました。

身近な距離での講座で日常会話的な言葉のやりとりがあります。

 

第4回はあかりと人体について、一昨年も講師を依頼した山手利恵さんに高齢者とあかりの関係、また四季折々のあかりの楽しみ方について講演して頂きました。

室内でのあかり体験で、受講者も納得。

 

 最後の5回目には介護保険制度について、丘病院の松永利夫先生に分かりやすい言葉で介護保険のしくみとその利用について講演して頂きました。

最終回は介護保険のしくみ等難しい話が松永先生のやさしい笑顔で気楽になり、分かりやすい言葉、事例で受講者の皆様も大満足。
最後の20分の質問タイムは少なすぎて時間の延長でした。

 

 初めての試みとしてテーマを決めて5回シリーズで、すまい講座を開催しましたが、10〜20人の参加者で複数回の受講をして頂き、延べ受講者は56人で大成功でした。
 参加者の受講の熱心さにはびっくりした次第です。次年度以降も心を引き締めて企画してまいります。
 部会としての後半の研究課題として、県内産材料の発掘として"石"を取り上げていましたが、12月1日(日)に美祢石材業界の方々と意見交換会を開催する予定にしています。
 詳細と申込みにつきましては、この暮音小路10号と同封いたしますのでご覧下さい。会員の皆様方にも広く参加して頂けるよう企画しましたので、ぜひご参加ください。お待ちしています。
 最後に来年度「すまい講座」についてのご意見がございましたら、山口まちづくりセンターまでFAX、Eメールでお知らせ下さるようお願いいたします。

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