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映画「ティコ・ムーン」をご紹介   ( 最終更新 : 2006/09/10 )

JULIE DELPY
JOHAN LEYSEN
MICHEL PICCOLI
MARIE LAFORET
RICHARD BOHRINGER
JEAN-LOUIS TRINTIGNANT







「ティコ・ムーン」

1997年 仏・独・伊 合作。
        上映時間 104分

  監督・脚本 エンキ・ビラル
  主演     ジュリー・デルピー
          ヨハン・レイゼン




あらすじ
ライン



月のどこか。
独裁者マクビーは、かつての反政府活動のリーダー
 ”ティコ・ムーン” を探していた。
ちまたでは、「伝説のティコ・ムーンは生きている」 と騒がれている。

マグビーは革命を恐れると同時に”臓器提供者”としてのティコを欲していた。
その ”青いアザ” に細胞を犯される奇病を食い止めるには、
どういうわけかティコの細胞でなくてはならないのだった。

   


ティコが囚われた20年前、マクビーの妻エヴァはティコを愛してしまった。
ティコは、臓器を取られ、その代わりに豚の内臓を移植されてしまった。、
その上、脳細胞の一部まで奪われ記憶を失ったティコ。
彼を死亡したことにして、エヴァは密かに彼を逃がしていた。

三男のコンスタンチンは自分だけ一族で青いあざが無いことから、
「自分はティコの息子ではないか?」と思い、
レナというスパイを雇い、他のマクビー一族からティコを守るように命じていた。
エヴァとコンスタンチンはマクビー一族の関係者でありながら、
マクビー達を牽制する立場でもあった。

   

マクビーの秘密警察 ”トリプラクス” が市中でティコを探していた。
レナは娼婦になりすまし、ホテルを転々としながらついにティコを見つけるが、
アメリカ人記者を名乗るグレンバールたちもティコを発見する。

グレンバールは実はマクビー一族を暗殺するよう、国連から派遣されていた。
グレンバールもティコを守る立場だが、
マクビーの息子から雇われたレナは敵でもあった。

   

アニクストを名乗っていたティコは記憶喪失のまま。
幾度とレナと会ってる内にティコはレナを食事に誘う。
彼はレナに記憶喪失のことを語りだす・・・

「人は歴史だとか記憶にしがみつく」
「自分を知れば、ほかの事すべてを知りたくなる。」
「だから、記憶なんて興味ないのさ。今を生きたいのさ。」


レナとティコは引かれ合うようになるが、
ティコはレナを置いて一人で逃亡する。

   

グレンバールとレナは「ティコを守ること」で共闘し、ティコを追った。
レナ 「人を殺す作家は嫌いよ」、
グレンバール 「恋をする娼婦は嫌いだ」

・・・レナは仕事ではなく、恋のためにティコを守る決心をしていた。

再び捕らえられたティコを救うため、二人はマクビーの大統領府をめざす・・・


作品解説
ライン



近未来、月面都市での独裁者とかつての反乱軍の英雄。
そしてセットやマット・ペイントの色彩美と魅力的キャラクターたち。
影響を与えたとされる作家は、
リドリー・スコット、リュック・ベッソン・大友克洋・・・
クールなヴィジュアル・SF作品”ティコ・ムーン”!

フランス製劇画 ”
バンド・デシネ(BAND-DESSIEE)”の 作家
エンキ・ビラル” の監督作品第二弾。
カルト・ムービー然とした扱いをされてるので、
”難しい”と思われる方もいますが、実際のストーリーは明快です。
むしろ映像の中の”色彩”の方にコダワリを感じます。

青いトカゲ。
鳥が羽ばたく記憶のフラッシュバックの白。
そしてレナの赤いヘアピース。

・・・青、白、赤・・・フランス国旗”トリコロール”・・・を連想してしまいました。
独裁からの開放・・・というテーマとシンクロしますね。

独裁者マクビーと戦った”伝説の英雄”ティコ・ムーンは記憶喪失だが、
それを悔やむ事も無く、 「記憶にしがみつきたくない」 と語る。

ラストでは、ティコの伝記を、その作家グレンバールから渡されるが、
ティコはそれを受け取らず、レナを連れ月を脱出します。
極端に言えば、”愛に生きる二人”なのですが、
恋愛描写自体の演出には重きはおかれてないように感じます。

敵が明確であるという意味において、”ヒロイック・ファンタジー”的要素は強いですね。
・・・それはキャラクターの色分けがはっきりしている・・・という事にも現れています。
そのキャラを演じるのは、
フランスを代表する古今の名優たち!

必要以上に”泣いたり、怒ったり”という激しさはないのに、
どんどん作品に吸い込まれていくクールな映画・・・。

なお、エンキ・ビラルの監督第一弾は”バンカーパレスホテル”
こちらは微妙にカラーが異なるが、やはり独特の映像美で、オススメです。


登場人物
ライン

 レナ (ジュリー・デルピー)

独裁者マクビーの三男コンスタンチンに雇われ、
ティコ・ムーンを守る任務を負う。女スパイ。
本作品のビジュアル・イメージの
中心的キャラクターでもある。

 ティコ・ムーン (ヨハン・レイゼン)

かつての反政府運動の英雄。
奇病にかかったマクビーの
臓器提供者とされてしまうが、
記憶喪失かつ行方不明となっていた。
”アニクスト”と名乗っている。
★ 独裁者マクビー (ミシェル・ピコリ)

奇病に冒され、脳細胞の一部すら移植された彼は
物覚えだけでなく、
理解力すら怪しくなってしまった普通でない状態。
残虐で、小心者の独裁者然とした独裁者。

★ アメリカ人記者グレンバール
 (リシャール・ボーランジェ)

その正体は
国連からマクビー暗殺の任を受けたエージェント。
かつ「ティコ・ムーン〜蘇った伝説」の著者でもある。

やたらとハードボイルド調のキャラクター。
★ マクビーの妻エヴァ (マリー・ラフォレ)

かつて、ティコを愛し、
ティコを死亡したことにして逃亡を手伝った。

★ マクビーの双子の息子
      アルビンとエドワード (ヤン・コレット)
 

マクビー同様に青いアザを持つ為、ティコの臓器を欲する。
二人とも、グレンバールに暗殺される。

★ マクビーの三男コンスタンチン

自分がティコの息子ではないかと、
ティコの捜索と保護をレナに依頼する。
エヴァと彼は他のマクビー一家と微妙な距離感がある。

★ マクビーの主治医 (ジャン・ルイ・トランティニアン)

マクビーの主治医にしてティコの記憶と臓器を奪った張本人。


キャスト

ライン

Julie Delpy
 ジュリー・デルピー

1969年生まれ。7歳で映画デビュー。
ゴダール、カラックスなど仏の大物監督の作品などで活躍後、
ハリウッドにも進出。近年歌手デビューも果たした。

代表作  
「汚れた血」 「トリコロール白の愛」 「恋人までの距離」

2003年発売のCDアルバム
「JULiE DELPY」
スザンヌ・ヴェガやヴェルベット・アンダーグラウンドを
彷彿させる楽曲群は、ほぼ全曲ジュリーの作詞・作曲。
女優の企画物とは言えない本格的な
ヴォーカル・アルバム。

日本版もリリースされてます。
女優「ジュリーデルピーについて」



Richard Bohringer
● リシャール・ボーランジェ

1942年生まれ。
俳優、作家、歌手、脚本家。
強烈な個性のフランス国民的俳優。
娘のロマーヌも女優。

代表作  
「ディーバ」 「フランスの思い出」 「タンゴ」
映画「タンゴ」をご紹介

「ブルース」
「C'est Beau une ville nuit」 (仏語原題)


本国フランスではベストセラーとなった
リシャールのエッセイ集。
詩集とも解釈できる。
1997年に幻冬社文庫として日本発売。
監訳・村上龍 、 訳・鳥取絹子
「SAHARA BLUE」 Hector ZAZOU

1992年リリースの本作品で歌声が聴けます。
参加アーティストは”そのスジ”のつわものぞろい!
詩人ランボー没後100年記念にエクトル・ザズー
のプロデュースで製作された。

リシャールがヴォーカル(語り?)の曲には
David Sylvian、Bill Laswellが参加。
他の曲では  坂本龍一、
John Cale、Yuka Fujii、等が参加。

俳優として有名になる以前、
歌手だったらしいのですが、当時の音源は入手困難。



Michel Piccoli
● ミシェル・ピコリ

1925年生まれ。
60年代から活躍する名優。ヒトクセありそうな役がハマリ。

代表作  
「軽蔑」 「パリは燃えているか」 「汚れた血」 「美しき諍い女」




Marie Laforet
● マリー・ラフォレ

1941年生まれ。
監督ルイ・マルが見出すも、デビューは、ルネ・クレマンの 
「太陽がいっぱい」
・・・そうです!あのアラン・ドロンの作品のヒロインです。
歌手、作家としても活躍。

代表作  
「赤と青のブルース」 「ソフィー・マルソー恋にくちづけ」



Jean-Louis Trintignant
● ジャン・ルイ・トランティニアン

1930年生まれ
本作品では、マクビーの主治医を演じる。
ビラル監督の前作 
「バンカー・パレス・ホテル」 にも出演。
超国民的俳優!そこにいるだけで様になる存在感。
最近ではクレジットが大抵「特別出演」扱いである。
代表作  
「男と女」 「トリコロール赤の愛」

「トリコロール・赤の愛」
1994年 フランス・ポーランド・スイス合作
監督・脚本 クシシュトフ・キェシロフスキ
主演     イレーヌ・ジャコブ、ジャンルイ・トランティニアン


ヒロインのの隣に住む 盗聴が趣味の
元判事をトランティニアンが演じる。
キェシロフスキ監督の遺作。

トリコロール三部作の他のヒロインとして、
ジュリー・デルピー、ジュリエット・ビノシュも
一瞬だけ出演。


スタッフ

ライン

監督・脚本 エンキビラル 1951年ユーゴスラビア(現ユーゴ)生まれ。
20歳でマンガ家デビュー。
後にバンドデシネのパイオニアと呼ばれる。

映画との関わりは
「アメリカの伯父さん」(’80)のポスター画。
「ザ・キープ」(’84)のクリーチャー・デザイン
「薔薇の名前」(’86)ストーリーボードなど。
映画初監督は
「バンカー・パレス・ホテル」(’89)

最新監督作品に
 「ゴッド・ディーバ」(2004)
がゴールデンウィークに公開された。
この作品では、「ティコ・ムーン」主演の
ジュリー・デルピーの曲
「My Deer Friend」も使用される。
http://www.god-diva.jp/
 
(ゴッド・ディーバ公式サイト)
「バンカー・パレス・ホテル」
1989年フランス
監督  エンキ・ビラル
主演  キャロル・ブーケ
     ジャン・ルイ・トランティニアン
     マリア・シュナイダー
     ジャン・ピエール・レオー


音楽 ゴラン・ヴェイヴォダ
主題歌 ブリジッド・バルドー


サントラCDは、発売されていたのですが、
インディーズ扱い。現在は入手困難。

主題歌の「ミスター・サン」だけなら、
ブリジッド・バルドーの
CD 
「今宵バルドーとともに」 で聴けます。

ちなみにそのイニシャルから”BB”(ベベ)と
呼ばれていたバルドーは、60年代から70年代に
活躍した女優であり、歌手。
当時、並び評されたイタリアの女優、
クラウディア・カルディナーレは”CC(セセ)”。
その二人共、定番吹き替えは、
小原乃梨子さん
「ドラえもん」の”のび太くん”は洋画吹き替えでは
セクシー女優さんが多いのです。
他にジェーン・フォンダ、シャーリー・マクレーンなど。
脚本 ダン・フランク
撮影 エリック・ゴティエ
製作 
     サロメ(仏)
     シュレマー・フィルム(独)
     ノヴァ・フィルムズ(伊)


DVD
ライン

発売元 : 日本コロムビア
COBM-5038 税抜 4.700円
  • 撮影風景のスチル映像、
  • 予告編
  • エンキ・ビラルのインタビューが特典映像。

    ジャケットがおそらく
    レーザーディスク時代のものを
    トリミングしたのだと思うのですが、
    メイン・キャスト部分が省略されて、
    キャスティング・ロール2順目
    の配役から始まってます。
    再発売の時は修正されると思います。
    さらに現在CDと同じサイズのケースですが、
    トール・ケース使用になるでしょうね〜。

    吹き替え音声も収録されているのですが、
    声優さんのクレジットがないので、
    再発売の折には、ゼヒ収録して欲しいです。


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