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UJIターン


田舎暮らしを推奨するかのような本が出版されています。

都道府県でもUJIターンと称して特に団塊の世代をターゲットに、

都会から田舎への転入を促進しています。

私自身が団塊の世代ですがこの言葉には抵抗を感じています。

団塊。単なるかたまりのようで、

(烏合の衆)という言葉に通じるような気がしてなりません。

この言葉を作った堺屋太一という人は団塊の世代ではありませんから、

別に抵抗は無いでしょうが、少し無理な表現であると私は思っています。

この世代は(パワーエイジ)だと思います。

私が通っていた小学校は1クラス60人で6クラスありましたから、

同じ学年が360人。小学校全体で約2000人がいたということです。

それもそのはず、小学校から私の家まで 約300メートル。

その間に同じ学年の人が道路沿いに10くらいいたのを覚えています。

大勢の同年代の中で入学試験、入社試験、など人が多いだけに、

競争も激しかったように思います。

その中で自然にパワーがついたのかもしれませんが、

それでもそのパワーに違いがあります。

昭和20年頃から24年頃までに生まれた人たちが、

この第一次ベビーブームの(パワーエイジ)ですが、

この人たちを田舎へ呼ぼう!と、自治体が動いているのです。

しかし新規就農における仕事の内容や都会と田舎との条件の違いがもとで、

定住することの難しさを表す出来事も多いのです。

私の住む地域では過去において他の地域から新規就農した人の中で、

6年以上継続できた人はいないと聞いています。

5年間継続すれば助成金を返還しなくても良いので、

この5年間がひとつの節目となるのです。

以前から果樹農家として活躍しておられる方の、

息子さんや弟さんなどの中には10年近くになる方や、

一旦故郷を出てから親元に帰って就農して活躍している方はおられますが、

親類縁者のない人が新規就農した場合、

なかなか続きにくいというのが現状のようです。

静かな田舎でスローライフ。

現実は良いことばかりではないのです。

夢とは逆に金銭的精神的な苦痛を増幅させただけという人もいるのです。

地域によっては米や野菜など主力生産物に違いはありますが、

農業を主体とした会社組織のところもありますから、

若い人なら自分が生産しようとする作物を選んで適した企業で勉強をして

成功率を高めてからでも遅くはないでしょう。

また、自分が栽培しようとする農産物を作っている農家で、

一年間を通して全ての農作業を体験するのもひとつの方法でしょう。