NPT

国連本部で被爆二世や将来世代を含む核被害者の人権確立と核廃絶を訴える
− 全国被爆二世協 第10回NPT再検討会議代表団派遣 −
全国被爆二世団体連絡協議会(以下「全国被爆二世協」)は、2022年8月1日(月)から26日(金)にかけてニューヨーク国連本部で開催されている第10回NPT再検討会議に代表団を派遣し、サイドイベントやNGO意見表明セッションで、被爆二世や将来世代を含む核被害者の人権確立と核廃絶を訴えました。

全国被爆二世協は、
@被爆二世や将来世代を含む核被害者の人権確立と核廃絶を訴える、
A被爆二世の置かれた状況や活動を知ってもらうことによって、次の世代である被爆三世との連携につなげる、
BNGOなどと交流し、今後の連帯をめざす、
ことを目的に代表団を派遣しました。

メンバーは、長崎の被爆二世:崎山昇・門更月、広島の被爆二世:上野勢以子、高校生平和大使派遣委員会のご協力を頂き、通訳として、広島の被爆三世:片山実咲・牟田悠一郎の5人でした。

 主な活動としては、8月2日(火)13:15〜14:30、国連本部内会議室Bにおいて、現地参加5人のほか、日本から4人がオンラインで参加し、サイドイベント「ヒロシマ・ナガサキの被爆二世の訴え(声):将来世代を含む核被害者(ヒバクシャ)の人権の確立と、核のない世界の実現をめざして」を開催しましたが、マスコミ関係者も含めて約40人の会となりました。内容は以下のとおりでした。(配付資料)

◯開会に当たって 平野克博(全国被爆二世協事務局長)(オンライン)
◯被爆二世や将来世代を含む核被害者の人権の確立と核のない世界の実現をめざして
   崎山昇(全国被爆二世協会長)
◯被爆二世の現状−ヒバクシャの子どもとしての私たちの経験と考え
  上野勢以子(広島県被爆二世団体連絡協議会)
  門更月(長崎被爆二世の会監事)
  丸尾育朗(長崎県被爆二世の会会長)(オンライン)
  角田拓(広島県被爆二世団体連絡協議会事務局長)(オンライン)
通訳:片山実咲(2014年第17代高校生平和大使)牟田悠一郎(2019年第22代高校生平和大使)

 その後、ディスカッションを行いましたが、長崎大学核兵器廃絶研究センターの中村桂子さんに通訳としてサポートをお願いしました。そして、振津かつみさん(全国被爆二世協科学・医療アドバイザー)(オンライン)に「放射線の遺伝的(継世代)影響」についてのコメントをお願いしました。そして、参加者から「核兵器禁止条約(TPNW)を活用して被爆二世に対する援護を実現しようとしているのか」という質問が出され、全国被爆二世協として、TPNWに作業文書を提出したこと、その中で、@被爆二世や将来世代を含む核被害者を「被害者に対する援助」の対象とすること、A被爆者援護法に基づく総合的な「被害者に対する援助」を行うことを提案したことを報告し、日本国内では集団訴訟を行っているが、日本政府に被爆者援護法を適用させることによって、TPNWにおいて私たちの提案を実現したいと説明しました。また、参加していただいていたピースボート、ICAN国際運営委員の川ア哲さんから、日本の市民社会として第6条、第7条に関する勧告を行っていること、TPNWにおける「被害者に対する援助」をどうするかは今後の議論であることなどが話されました。
 最後に、崎山から、私たちの活動へのご理解とご支援、ご協力をお願いし、参加のお礼を申し上げてサイドイベントを終了しました。

 今回のサイドイベントは被爆二世と三世が協力して開催しましたが、被爆二世が置かれた状況や思い、被爆二世や将来世代を含む核被害者の人権確立と核廃絶をめざす私たちの活動について市民社会の皆さんや被爆三世に知ってもらう機会となり、今後の連帯につながっていくきっかけになったのではないかと思います。また、被爆三世と協力してサイドイベントを実現できたことは、今後の連携した取り組みにつながっていくのではないかと期待しています。

 その後、8月5日に行われたNPT再検討会議のNGO意見表明セッションにおいて、全国被爆二世協会長崎山昇のビデオメッセージを流していただき、日本の被爆二世として初めての発言となりました。被爆二世が置かれた状況や被爆二世や将来世代を含む核被害者の人権確立と核廃絶をめざす私たちの思いを各国政府代表部や市民社会の皆さんに訴えることができたのではないかと思います。このことは、今回のNPT再検討会議に対する取り組みの大きな成果であり、今後につなげていきたいと思います。

 なお、帰国報告会をNPT再検討会議終了後、8月31日(水)18時30分〜長崎県勤労福祉会館で開催します。ぜひご参加ください。
(文責:崎山昇)


 トップページに戻る