総 会 宣 言
 原爆被爆から70年が過ぎましたが未だ核廃絶は実現していません。にもかかわらず、今年初めに朝鮮民主主義人民共和国が核実験を行いました。私達はどこの国であろうと核実験や核兵器の保有・使用に絶対反対です。
 1945年8月6日広島、8月9日長崎へアメリカ軍が投下した原子爆弾は、20万人を超える人々を殺し、傷つけました。生き残った被爆者も原爆放射線の後障害に苦しみ続けてきました。そして、原爆の被害は私たち被爆二世・三世にも引き継がれてきました。
 被爆したのは日本人だけではありません。日本の侵略戦争の結果、アジアから連れてこられた多くの方が被爆しました。私たちはこれまで、日韓被爆二世交流会を重ねてきました。その中で学んだのは、日本の侵略戦争が如何にアジアの人たちを苦しめたかであり、未だに日本政府が謝罪しないため、その苦しみが続いているということです。私たちは原爆の被害者ですが、侵略戦争の加害者であることを忘れてはなりません。
 私たちは原爆にも戦争にも反対する被爆者の背中を見て育ちました。しかし、2012年末に誕生した第二次安倍政権は安保関連法を成立させ、日本を戦争のできる国家に変えようとしています。また東京電力福島第一原発事故は現在も続いており、10万人を超える人々が故郷に帰れないでいるのに、事故がなかったかのように、原発の輸出、再稼働、新増設を目論んでいます。
 これまで私たちは、原爆や戦争の悲惨さを知らせるため、シンポジウムや集会を開いてきました。そして、被爆二世が被爆二世自身の問題を解決するために30年以上にわたり、その先頭に立って、粘り強く運動してきました。今年4月より被爆二世健診に多発性骨髄腫の検査が加わることは、これまでの運動の成果と言えます。しかし、国(厚生労働省)に対し、被爆二世への被爆者援護法の適用をずっと訴えてきましたが、未だに実現をしていません。私たちは、この総会を機に、国際社会において被爆二世の人権侵害を訴え日本政府に人権保障を促す取り組みや裁判によって日本政府に被爆二世の援護対策を求める取り組みを新たにスタートし、被爆二世への被爆者援護法の適用をめざすことを確認しました。
 被爆二世の社会的役割はますます重要になっています。私たちの共通の願いは「二度と侵略戦争を起こさない。加担しないこと」「再びヒバクシャを作らないこと」です。また高齢化する被爆者に代わり、私たち被爆二世が被爆の実相を世界に広めていかなければなりません。フクシマのヒバクシャを含む、様々なヒバクシャやヒバク二世・三世との連帯はもちろん、思いを同じくする人達とも連携し、核と人類は共存できないことをこれまで以上に強く訴えていきましょう!


                           2016年2月13日 
                          2016年全国被爆二世団体連絡協議会総会 参加者一同

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