総 会 宣 言

 原爆被爆から72年、ようやく国連で核兵器禁止条約が採択されました。核兵器廃絶に向けた世論は高まっています。にもかかわらずトランプ米政権は、今月2日発表した「核態勢の見直し(NPR)」において今後の核政策に新たな小型核兵器や核巡航ミサイルの開発を盛り込み、核兵器を使わない攻撃への反撃にも核を使用する可能性にまで言及しました。私たち全国二世協は、米国の「核態勢の見直し(NPR)」に断固抗議します。また、日本政府は河野外務大臣談話で朝鮮民主主義人民共和国の核実験やミサイル開発を口実にこの米国の「核態勢の見直し(NPR)」を支持しました。拡大抑止の名のもとに米国と一緒になって戦争準備を推し進める日本政府を許すわけにはいきません。核抑止論が生み出すものは、戦争の危機と核保有国の増加、ヒバクの拡大であり、人類の生存を脅かす行為でしかありません。
 私たちはどこの国の核実験にも核兵器の保有・開発・使用にも絶対反対です。
 私たちは「二度と侵略戦争を起こさない、加担しないこと。」「再びヒバクシャを作らないこと」という願いをこれまで以上に強く訴えます。
 その為にも私たちは被爆二世集団訴訟に立ち上がりました。このまま黙って原爆に殺されるのではなく、声を上げて国の立法不作為を問い、被爆二世・三世の援護を勝ち取るためです。志を共にする弁護団の奮闘もあって、7回に及ぶ学習会の成果の上に、昨年2月広島地裁と長崎地裁で提訴しました。現在広島原告、長崎原告共に26名となり、これから正念場を迎えようとしています。私たちが原爆被害と向き合いながら生きてきた現実をしっかりと社会に訴えて、被爆者援護法を被爆二世・三世にも適用させましょう。
 また、私たちは国連人権理事会への働きかけも行っています。その結果、去る11月国連人権理事会の普遍的定期審査(UPR)でコスタリカ共和国とメキシコ合衆国が日本政府に対し被爆二世にも医療保障を求めるよう勧告を行いました。
 私たちの要求は、世界中の核被害者の未来につながる問題であると同時に、福島の原発事故被災者や原発被曝労働者の援護につながる問題でもあります。放射線の人体への影響を過小評価しようとする日米両政府に対して、継世代への遺伝的影響も含めて核の被害をもたらす行為が人道上許すことのできない犯罪であることを世界中に知らせていきます。
 被爆一世の多くが死去し、被爆体験を話せなくなる中で、私たち被爆二世・三世が自らの体験と合わせて被爆の実相を伝えることはますます重要な闘いとなっています。被爆二世は団結し、被爆者差別を許さず、核と人類は共存できないということを語り継いでいきます。
 最後に、放射線影響研究所の被爆二世健康影響調査に対し被爆二世の人権を守り、真に科学的な調査になるように今後も働きかけていきます。また、現在行われている単年度措置の被爆二世検診が、ガン検診も含めた被爆二世の命と暮らしを守るための法制度になるように、厚生労働省に対し強く働きかけます。
皆さん、共に闘いましょう!
  2018年2月11日 
  2018年全国被爆二世団体連絡協議会総会 参加者一同

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