活動報告

<2012年>
2012年全国総会
 2012年2月4日から5日にかけて、2年に1度の全国総会を広島市で開催し、約40名の仲間が全国より集まりました。
 黙祷、「原爆許すまじ」斉唱のあと、山崎会長の挨拶に続き、来賓の方々から挨拶をいただきました。和田隆志衆議院議員、柳田稔参議院議員、東保行広島県議会議員、そして連合広島より伊丹幸男会長からも挨拶をいただきました。
 その後、2年間の活動を総括し、この先2年間の方針を全員で、確認しました。今回新たに「フクシマとの連帯」について方針に追加しました。
 総会終了後、広島県被団協の坪井直さんより「今、二世にたくしたいもの」という演題で、記念講演をしていただきました。坪井さんは、東日本大震災・福島原発事故にも触れられたあと、自らの被爆体験も話されました。そして、「この問題は、被爆者だけ、二・三世だけの問題ではない。すべての人の問題として取り組めるよう運動を広げて行かなくてはならない。」と私たちにエールを送っていただきました。
 続いて兵庫医科大学の振津かつみさんより「フクシマと連帯するために」という演題で講演していただきました。振津さんは実際に福島にも何度も行かれる中で「今までの被爆者運動・被爆二世運動の経験がフクシマでもいかされるべきだ」と話されました。
2日目は、二世協の今後の取り組みについて議論を深めました。
参加者のみなさんから、各県の取り組みの報告がありました。また、フクシマとどう連帯すべきか、被団協との関係を強化すべきだ、等の意見も出されました。 
 今後とも、喫緊の課題として、現行の「二世検診」の中にがん検診を追加すること、そして、その延長線上に二世検診を法制化・私たち被爆二世を被爆者援護法の中に位置づけさせることを目指して取り組みを進めることを確認しました。
そのためにも、厚労省交渉の強化や、政党に対する具体的な取り組みの確認も行いまた。また、要求実現のためにも、全国の被爆二世が団結をすることが重要であり、組織の強化拡大も大きな課題であることなども全員で意識統一がなされました。


兵庫県被爆二世の会第1回総会参加について
 2012年3月10日(土)兵庫県被爆二世の会総会が神戸市生田文化会館で開催されました。2年前の原水禁広島大会で、二世の会設立についてお話があったという経緯もあり、全国二世協から寺中副会長と平野事務局長が参加しました。
 会長の畑井克彦さんは、開会のあいさつの中で、被爆者である母親の体験や思いを語られながら、人と人とのつながりを大切にする会にしていきたいと話されました。
その後、記念公演として写真家の吉田敬三さんが「被爆二世の写真を撮り続けて」
とう演題で講演されました。
 二世協からは、寺中副会長が全国自治体の二世援護の状況を説明しました。また、発言の中で、全国二世協の活動など報告できたことも成果でした。
 今後、兵庫県被爆二世の会とも連携できるようにしていきたい。


第12回 日韓被爆二世交流会
 2012年6月17日(日)広島市アークホテルにおいて、日韓被爆二世交流会を開催しました。
 初めに、主催者を代表して崎山副会長が「ここに日韓の被爆二世が集い、世界の平和に貢献したい」という趣旨の挨拶を行いました。
 来賓として在広島大韓民国領事館の辛亨根(シン・ヒョングン)総領事より、挨拶をしていただきました。辛総領事は、この韓日交流会の歴史にも触れ、「自らも被爆二世としてこの会に参加できたことをうれしく思う。両国が不幸な歴史を乗り越え未来志向的な取り組みが必要である。市民レベルでのこのような会が開かれ、平和的な問題の解決を次の世代につなげていくことが大切である」と話されました。
 報告1では、「韓国被爆二世の活動報告」ということで、韓国被爆二世の会会長の李太宰(イ・テジェ)さんから報告がありました。第1回からこの交流会の歴史をたどりながら、被爆者に対する差別の問題や手帳取得者が増えてきているという報告もありました。 報告2では、崎山副会長が「日本の被爆二世運動の課題」と題して報告しました。「日本政府は二世に対して、放射線の遺伝的影響がないと言えないのなら援護すべきだ。」と何も対策をとろうとしない日本政府に対して強く訴えました。さらに、私たち二世の健康不安を解消するためにも、「二世検診」にガン検診を追加させることが喫緊の課題であると報告しました。また、フクシマの問題にも触れ、脱原発・エネルギー政策の転換についても触れていきました。
 閉会の挨拶では、寺中副会長が「今日の日韓交流会の意義を確認し、今後の日韓の二世の関係が未来へつながるものにしていきたい」とまとめました。
 二日間にわたり日韓双方の二世の交流を深めることができたことは、大きな成果となりました。


厚生労働省政務官との話し合い
 2012年7月13日、全国二世協で、厚生労働大臣政務官と面会しました。そこで要請書を渡し、要請の趣旨を説明しました。特に喫緊の課題として、被爆二世の健康不安を解消するために、単年度の予算措置で行っている健康診断にガン検診を追加していきたいことを強く要請しました。
 それに対して、科学的な知見が障壁となっており、要求を実現するためには運動との連携が必要であり、日教組や自治労の協力議員を対象に話をする場を作ってはどうかとの提案が政務官からありました。


被爆67周年原水禁世界大会広島大会 ひろば「被爆二世・三世問題について」
 2012年8月5日。今年も「二世・三世のひろば」を広島で行うことが出来ました。 はじめに、広島の被爆者の児玉光雄さんに「放射線の人体への影響」ということで講演をしていただきました。児玉さんは、ご自分の染色体の写真を見せながら放射線が人体に与える影響の恐ろしさについて話されました。また、自らの被爆体験の中では被爆者としての思いを熱く語られました。児玉さんは、福島原発事故のことにも触れられ、「放射線の人体への影響をあまりにも過小評価しすぎである」と報告されました。最後に、「原爆であろうが原発であろうが、核と人類は共存できない。」ことを訴えて結びとされました。
 続いて、平野事務局長より、「被爆二世の現状と課題」を報告しました。再開された放影研の二世調査について概要の報告と、それに対する全国二世協のスタンスや政府への要求行動、さらには全国連帯を模索していることなど報告しました。
 参加者の中から、兵庫被爆二世の会の畑井会長から、二世の会の立ち上げや活動についての報告がありました。また、山口二世の会からは、全国二世協副会長でもある寺中代表から、「全国被爆二世検診の自治体調査」の結果報告も含め二世運動の必要性を訴えました。
最後に広島二世協の新中事務局長が「このひろばも3年目を迎えることが出来た。今後も継続・発展させていきたい」とまとめをしました。
 参加者40名で、改めて「核と人類は共存できない」ことを確認して会を閉じました。


被爆67周年原水禁世界大会長崎大会「被爆二世・三世分科会」
 2012年8月8日、長崎市勤労福祉会館において分科会「被爆二世・三世問題を考える」を開催しました。
 3人の方から問題提起がありました。
兵庫医科大学の振津かつみさんから「放射線の継世代への影響と被爆二世三世問題」という演題でお話がありました。放射線の遺伝的影響はヒト以外では継世代への影響があることが過去の研究結果をもとに報告されました。また、「日本政府は原発推進をしたいがために放射線の人体への影響を過小評価している。フクシマでも日々被曝している人が400万人もいるのに、何もなかったかのように対策をとろうとしない。国の責任を追及し、被爆二世もフクシマを援護させる取り組みをするべきだ。」と話された。
 長崎県被爆二世の会会長の丸尾育朗さんより「被爆二世運動の取り組みと課題」という演題でお話がありました。丸尾さんは、2012年6月3日に長崎で開かれた「第53回原子爆弾後障害研究会」での被爆二世の白血病の発症率についての報告や長崎の被爆体験者について触れながら、もっと私たちは真実を追究すべきだと話されました。平野事務局長より、「被爆二世の課題と今後の取り組み」を報告しました。放影研の二世調査や政府に対する取り組み、さらには仲間を増やしていくことの重要性など訴えました。
 参加者から、熊本では昨年から二世の会を作ろうと努力している。11月には結成予定であること。大分二世の会からは被爆者と連携を取り合って活動をすすめていること。長崎二世の会からは、親の被爆体験を継承しながら国への援護を要求していきたい。鹿児島二世の会から結成当時の苦労したことや、今では、九州ブロックで年4回集まりを持っていることなど報告がされました。さらに宮崎や熊本の被爆者からも二世に対する期待や励ましの声もいただきました。
 最後に広島二世協の政平会長のまとめで会を閉じました。


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