活動報告

「被爆二世運動の使命と展望」─ 被爆75周年被爆二世シンポジウム ─ 
 2020年7月18日(土)14時から,全国被爆二世団体連絡協議会(全国被爆二世協)と長崎県被爆二世の会(県二世の会)の共催で,原爆資料館ホールにおいて,「被爆75周年被爆二世シンポジウム」を開催し,約30人の市民が参加しました。被爆75周年を迎える今,被爆二世運動の使命について考え,今後の展望を切り開く一歩としたいと,「被爆二世運動の使命と展望」というテーマで行いました。
 まず始めに,県二世の会の丸尾育朗会長が,「被爆二世として生きて−被爆二世問題とは何か−」と題して,自身の周りで多くの被爆二世が亡くなってきたことや,自身が2018年膵臓ガンの手術を受ける事になり,早期発見のため手術は成功し,生き残ることが出来たことなどを報告し,「原爆放射線の影響が被爆者だけでなく,被爆二世にも及ぶと考えざるを得ない状態は,被爆75年を経た今日なお続いています。… 私たち被爆二世は,「核も戦争もない世界」を訴えて来た被爆者の思いを引き継ぎ,自分自身の体験も踏まえて,核兵器が廃絶されるまで訴え続けて行かなければならないと思っています。… 」と訴えました。
 続いて,全国被爆二世協の崎山昇会長が「将来世代を含む核被害者の人権確立と核廃絶をめざして」と題して,被爆二世自らが核被害者であることを自覚し,放射線の次世代への影響こそが核による人権侵害の最たるものの一つであることを,自らの体験を踏まえて訴え,被爆者が高齢化していく中で,将来世代を含む核被害者の人権確立と核廃絶をめざすことが,自らの使命であり,責務であるという自覚を持つに至っていると,被爆二世集団訴訟や国連での取り組みを紹介し,被爆二世の問題だけでなく,世界の核被害者の次の世代の問題解決につながり,再びヒバクシャをつくらないために,核廃絶につながるものと確信していると述べ,世界の核被害者との連帯,若い次の世代への継承を訴えました。
 最後に,全国被爆二世協の平野伸人特別顧問が,「被爆2世運動の使命と展望」と題して,被爆2世運動の使命について,@継承(その人類史的な体験と共に,反戦反核の思いを継承すること),A援護(「援護なき差別から差別なき援護」の状況を作り出すこと),B核廃絶運動(「核も戦争もない世界」の実現こそ被爆2世に与えられた使命),Cそして,未来へ(被爆3世・4世の問題は放置できない)と述べ,被爆2世運動の展望はあるか?について,@被爆者運動に学ぶ,A被爆2世運動を国民的課題に,B被爆75年,世界の核被害者との連帯,C再び被爆者も被爆2世もつくらないために,の4つをあげ,被爆2世運動の展望をいかに作り出せるか,にかかっていると訴えました。
 (この報告は,シンポジウムの発言,資料をもとに作成しました。文責:崎山 昇)

コロナ対策をしてシンポジウム開催

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