活動報告

全国被爆二世交流会,長崎で開催 今後の取り組みを確認
 2021年11月27日から28日にかけて長崎市長崎タクシー会館で全国被爆二世交流会が全国被爆二世団体連絡協議会の主催で開催され,全国各地から約40人が参加しました。
 1日目は崎山昇会長の開会あいさつの後,来賓を代表して原水爆禁止日本国民会議の川野浩一共同議長と原水禁長崎県民会議の平野忠司事務局長が来賓あいさつを行いました。
 その後,講演Tとして,被爆二世集団訴訟弁護団の中鋪美香弁護士が「被爆二世集団訴訟の意義と経過」と題して講演を行いました。講演では,@立法の契機とすることなど裁判をすることの「意義」,A訴えの具体的内容,請求の趣旨,求める立法の内容,B裁判における主要な争点(立法不作為の違法性,立法に必要な科学的裏付けの程度),C裁判の経過および内容(広島黒い雨判決を受けて,専門家証人によって何を証明しようとしているか)についてわかりやすく話をしていただきました。
 続いて,講演Uとして,長崎大学核兵器廃絶研究センターの中村桂子准教授が「核不拡散条約と核兵器禁止条約」と題して講演を行いました。講演では,@第10回核不拡散条約再検討会議の論点(核軍縮合意は前進できるのか? 中東決議の履行:前進が図れるか? 深まる亀裂:「橋渡し」は可能か?)A核兵器禁止条約第1回締約国会議で扱われると思われるテーマ(条約の普遍化をどう促進するか,核軍縮検証の仕組みをどのように作るか,被害者援助,環境修復をどのように進めるか)などについてわかりやすく話をしていただきました。
 2つの講演の後,「被爆地広島出身の岸田首相へ 核兵器禁止条約の署名・批准,締約国会議への参加,被爆者や被爆二世を広く救済することを求める決議」と「東京電力福島第一原子力発電所のトリチウム汚染水の「海洋放出」方針を撤回し,責任をもって陸上で管理することを求める決議」を採択し,1日目を終了しました。

 2日目は,「総会以降の経過と今後の取り組み」について提案され,各県・団体・参加者の意見交流が行われました。そして,@被爆二世集団訴訟,A放射線影響研究所への対応,B厚生労働省に対する取り組み,CNPT再検討会議に対する取り組み,D核兵器禁止条約に対する取り組み,E国連人権理事会に対する取り組み,F2022年総会,Gトリチウム汚染水の「海洋放出」に対する取り組みなどが確認されました。

講演する中鋪美香弁護士

講演する中村桂子准教授
(文責:全国被爆二世団体連絡協議会 会長 崎山昇)

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