被爆二世集団訴訟

いよいよ放射線の遺伝的影響に関する専門家証人尋問、そして弁論終結へ
− 被爆二世集団訴訟 長崎 第8回弁論準備 −
全国被爆二世団体連絡協議会会長         
被爆二世集団訴訟原告団長   崎山 昇 
 2022年1月31日16時から、長崎地裁で被爆二世集団訴訟の第8回弁論準備が行われました。その中で、被告(国)側は、1月11日に提出した私たち原告側の主張に反論する第8、第9準備書面を陳述しました。その後、2月28日に予定されている放射線の遺伝的影響に関する専門家の証人尋問についての協議が行われました。
 被告(国)側は、第8準備書面で、「本件立法不作為が国賠法第1条第1項の適用上違法の評価を受ける余地はないこと」、「被爆二世を被爆者援護法による援護の対象とすべきことが黒い雨訴訟控訴審判決から当然に導かれるものではないこと」を主張しています。また、第9準備書面で、「「放射線の被爆二世を含むヒトにおける遺伝的影響の可能性があることを否定することができない」などと主張したところで、親の放射線被曝により被爆二世に健康影響が生ずる高度の蓋然性を基礎づけることにはならないこと」などを主張しています。
 いよいよ2月28日(月)には放射線の遺伝的影響に関する専門家の証人尋問が行われ、
証人調書は広島地裁にも証拠として提出されます。当日は、10時45分〜原告側証人(主尋問60分)、13時30分〜原告側証人(反対尋問60分)、被告側証人(主尋問60分、反対尋問60分)が行われる予定です。そして、その日に最終準備書面の提出や最終弁論の日程が決められ、弁論終結へと向かうことになります。
広島地裁では、昨年の12月7日に被爆二世運動と行政の対応に関する私の証人尋問が行われましたが、その証人調書も長崎地裁に提出されます。広島地裁では、3月29日(火)13時30分から第14回口頭弁論が行われますが、その時に最終準備書面の提出や最終弁論の日程が決められ、弁論終結へと向かうことになります。
そして、どちらも年内には判決が出されることになると思われます。判決次第ではありますが、今後は判決の内容を踏まえて、すべての被爆二世の法的援護につながるよう、政治的な解決をめざす取り組みが求められることになります。

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