02.08 モカちん
 雄の雑種犬をもらってきた。ビーグルをはじめ、様々な血が混ざっているらしい。顔つきはビ
ーグル風、体つきはシェットランド風、足は太くやや短く、全体としてユーモラスな感じである。
かくて、ブレンドコーヒーの銘柄にちなんで「モカ」と名付けた。  

 ハスキー犬チョビに続く我が家の一員となったが、チョビと比べると大きさ、体型、風貌、性格
とすべての点で対称的である。チョビは、大きく、颯爽として、目つきが悪く、自分中心であった。
モカは、恐がりで、ちょこまかとして、特に目がやさしい。飼い主のそばからあまり離れないので、
散歩や山作業にも安心して連れていける。

        
  
 このモカちんは、小さいくせによく食べる。我が家では、親父が野菜づくりに精をだしており、年中
野菜が豊富である。このため、犬や猫の食事にも野菜の切れ端が肉系や魚系とごっちゃ煮にして
ふんだんに与えられる。その内訳は、ドッグフードが並の量、肉系又は魚系が味付けに少々、そし
て野菜系が山盛りであるが、それを小さい体であっという間に食べてしまう。おかげで、便通の量も
体が小さい割には大きくて多い。それを庭の便所と決めている場所から拾い集め、穴に埋めている
が、これを家庭の生ゴミともども有効活用しようと堆肥の作り方について研究中である。

 毎年8月に、恒例の花火大会がある。佐波川の河原で花火を打ち上げるのであるが、それを川
のすぐ対岸からほんの間近で眺められるのでその炸裂した光と音はすさまじい迫力があり、結構
人気を呼んでいる。普段は閑散とした田舎町だが、この日ばかりはどこから湧いてくるのかと思う
ほど、人が集まる。ところが、犬は、この大きな音と光が大きらいなのである。我が家は、この大音
響と光を直撃体験出来る場所にあり、モカも初めての大異変に肝をつぶしたらしく、花火の炸裂する
間中、身を隠すすべもなく、ブロックとブロックのちょっとした隙間に顔だけを突っ込めるだけ突っ込
んで、呼べども叫べども叩けども、ピクリともしない硬直状態であった。その夜中はどうも、うなされ
てキャンキャンと泣いていたようである。

 我が家に来てから、早くも3ヶ月近くが過ぎ、体付きもだいぶしっかりしてきた。ある程度のしつけ
のきいた、性格のいい犬に育てたいものである。           
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