1999.9 スズメ蜂の巣捕獲大作戦                                    

我が家の畑にある廃屋にいつのまにかスズメ蜂が巣を作っていました。高さ25p、直径20pのうろこ状の模様をした房に小さな穴が一カ所開いていてそこから出入りを繰り返しています。この袋状の房は、土色をした異様な模様で、何となく辺りを威圧しております。農作業をしたり、すぐ側に民家があったりして危険なのでこのスズメ蜂の巣を取ることにしました。

明るい昼間は危険なので夜に決行することとしました。本当は無傷で取りたいのですがその方法がわからないし、刺されたらたいへんなので殺虫剤を使うこととしました。まず、一方から懐中電灯を固定し、出入口の穴を照らします。その反対方向から、出入口に向かって殺虫剤を吹きかけるという方法を何回も繰り返しました。

はじめのうちは、出入口付近で栓をするかのように攻撃態勢をとっていましたが、遂に我慢しきれず、一匹また一匹と外に飛び出してきました。しかし、外に出ても明るいライトの方に突進していくので刺される心配はさほどありません。巣の中では、ブーンブーンと羽をはばたかせる大きな音が聞こえます。刺されないように注意深く吹きかける行為を繰り返すこと1時間余り、相当な数の蜂が外に飛び出ていきました。

ようやく房の中にいなくなった様子なので、この房を壊さないように手でとることにしました。なんとか房をはずすと、中から3層になった本当の蜂の巣が現れ、中に親蜂が一匹、一生懸命羽をはばたかせています。先程の羽音はこの音だとわかりました。察するに蜂の子を守るため、殺虫剤の混じった空気を巣穴から一生懸命排出していたのではないかと想像しています。

次の日の朝、これらの蜂は近所の家の松の木にいっぱい群れて集まっていたそうです。なお、蜂の子は殺虫剤をかけたので食べるに食べられず、箱の中に入れておいたら、次々と蜂が孵っていき、その蜂が蜂の子を一生懸命世話をしていました。あまりにけなげなので、箱の中に巣を入れたまま、人のいない山中にそっと返しておきました。   

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