01.2.12  春告げ鳥現る

 土曜、日曜日の休みには、自分と愛犬の運動がてら、山に入り、桧や杉の間伐と枝打ちの作業をときたま行う。大きなノコギリで木を切り倒し、小さなノコギリで枝を払い、鎌で雑木やカズラを切り払う。


 ふっと一休みすると、いつの間にか、薄緑色のちいっちゃな鳥が、ほんの2メートルぐらいまで近づいてきて、周りを飛び交う。音も立てずに、尾っぽを上下に振りながら、切り株やうち払った枝、立木などに止まりながら左右上下に動いて、興味深そうにこちらを観察しているように見える。そこで、「チャッ、チャッ、チャッ」と舌を鳴らしたり、口笛で「ホーホケキョ」と吹いてやると、 「ん!?」 という感じでますます回りを動き回る。

 この小鳥は鶯、別名、春告げ鳥ともいう。秋から冬にかけては、まだうまく鳴けない。「チャッ、チャッ」と鳴くこともあり、これをササ鳴きというそうである。
 冬にはうまく鳴けない鶯も、春になると盛んに鳴きはじめる。4月に山に入ると、待ちかねたかのように「ホーホケキョケキョ」と鳴き声がする。すぐに、「ケキョケキョ」じゃない。「ホーホケキョ」だよというつもりで、口笛で模範解答してやると、負けずにまた同じ鳴き方で鳴き返してくる。

 鳴き方も、縄張りの主張とか、恋人の獲得とか威嚇とかあるようだが、1「ホーホケキョ」、2「ホーホケキョケキョ」、3「ケキョケキョケキョケキョ」の3種類しか聞きわけられない。だんだん、鳴き方が上手になり、今は「ホーホケキョケキョ」であるが、そのうち、本格的に「ホーホケキョ」と誇らしげに鳴いて、その声が、のどかな春の木々や青空に響きわたるようになる。

 翌々週の24日、鶯が近寄ったところを写真に撮ろうと、デジカメ片手に、山作業に行ったが、残念ながら曇りで風が強いためか近くまでは現れなかった。その代わり、遠くで「ホロホロホケキョ」と頼りない鳴き方ではあったが、この春の初鳴きを聞かせてくれた

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