第1週
平成15年4月29日〜5月5日
今日から日記を付けることにした。3日坊主にならないようにしたいところだがどうなることやら。
平成15年4月29日
曇り時々晴れ。
地区の大運動会がある日だった。
雨よ降れ〜。雨〜。と祈ったがやっぱ晴れた。
前もってある一つの競技種目に出てくれと言われていた。
種目は「迷走リレー」
ラグビーボールをけってスタート地点から約30メートル先のポールを回って戻ってくる。
そして次の人にバトンタッチする。
4人一組で5チームが競う。
開会式直後の競技だけに緊張が走る。
俺は3番手。
蹴ってもサッカーボールとはぜんぜん違う。どっちに転がるかわからない。
どう30メートル先にたどり着き戻ってくるか・・・
いろいろ考えた。
そうだ。思い切り蹴ってポール近くまで一気に運んでしまえ。・・・・そんなに甘くはなかった。
確かに飛んだ。
だが飛びすぎた。ポールを超えて50メートル先の次の競技のために待機している競技者の中に吸い込まれていった。
周りからは爆笑の嵐。
運動会とはそういうもの。と自分に言い聞かせながら必死にボールを追いかける。
どえらい方向に飛んでいってしまったが、諦めたわけではない。
とりあえず次の人に、アンカーに回さなければ・・・・と、思う余裕もなく
ひたすら蹴る、蹴る、蹴る。
そうして何とかアンカーに渡り、結局のところ俺のチーム(勝手に俺がリーダーになっている。)は2位になった。
さて、それから何種目かあり、昼飯の時間となった。
汗をかいた後のビールはうまい。
目の前にあるその缶を手に取り、「プシュッ!!」
さあいよいよ飲むぞっと口にもっていったその瞬間・・・・・ある3文字が頭の中を駆け抜けた。
『S・E・R』
そう、今日は午後から仕事が入っていたのだった。
口の中にあったビールを吐き出し、よく口の中をお茶で濯ぐ。
飯も食べずに家に帰って、さあ変身。
気持ちを仕事に持っていかなければならなかった。と同時に自分の緊張感を解さなくては・・・
車の中で「綾小路きみまろ」のCDをかけて馬鹿笑いし、現場に向かう。
これは逆効果だった。
影響を受けやすい自分はそれを引きずったっまま税制の講義に入ってしまった。
「ようこそおいでくださいました。ようこそおいでくださいました。」
あっ!!
もう遅い。
受講者の中には。このくだりを聞いてニタニタ笑っている人がいる。
またある受講者は来る場所を間違えたのかといったような顔をしている。
本題に入る前のツカミに失敗してしまったのだ。
こうなったら隠していても仕方がない。正直に話すことにした。
「今日、私はここに来るのに車の中であるCDを聞きながらやって参りました。
そうです。道路工事君が代!」
またもや滑った。
もう恥じも何もあったものではなく、ひたすらマイペース。
だが何とか締めないとまともな話に入れない。
「私は、べつに漫談をしにきたわけではないのです。
これから約1時間半、堅く、密度の濃い話に入る前に皆さんにリラックスをしてもらいたかっただけなのです。」
あ〜。今から5分前に遡ってやり直したい。
俺の願いを叶えてくれる神様がいるわけもなく、時間は過ぎてゆく。
気がつけばいつの間にか本題の核となる部分の話をしていた。
一応俺にもプロ根性はあったらしい。
何とか終えることができた。
終わったあと受講者の一人に言われた。
「先生。所属は吉本?」
これにはまいった。
何か言わなくては・・・
そしてさらっと次のように答えた。
「昔ね。」
平成15年4月30日
曇りのち晴れ。
今日は、朝からご機嫌だった。
Yahoo!のオークションで落とした品物が届く日だったからである。
何を落としたかというと外付けハードディスク(以下HDという。)の箱である。
ビデオ編集用にと買ってはいたものの宝の持ち腐れで眠っていた
IOデータ製80Gの大容量の内蔵HD
を外付け用として転用するためであった。
そのためにはどうしても必要な一品であった。
いかにもマニアック。
『ピンポーン!』
来た!逸る気持ちを抑え、宅配便のおっちゃんに
丁寧に挨拶を済ませ、いざ出陣とばかりに工具を手元にそろえ、手術を開始した。
それから約5分後取り付けは問題なく完了した。
パソコンに接続し、電源を入れ、モニターで確認をしたその瞬間!
固まった。
なんと45Gしか認識していなかったのである。
そういえば聞いたことがあった。
モデルの古いタイプのHDの箱はそのスペック上認識に限界があると・・・・・。
その日寝つきが悪かったのは言うまでもない。
平成15年5月1日
晴れ。
月が変わった。
今日、藤原紀香主演のTVドラマを見た。
『あなたの人生お運びします』である。
アート引越しセンターをモデルにした引越し屋のサクセスストーリーだ。
荷物だけではなく、人生をも運びますというキャッチフレーズらしい。
そこでパクリの帝王である俺は考えた。
よし、これでいこう!
5月7日よりWeb上のタウンページで俺の事務所の広告が開設される。
やっちまった。
― あなたの税務相談、承ります。―
平成15年5月2日
晴れ。
朝から鯉のぼりを上げる練習をした。
ロープの括り方がよくわからない。
運送業をやっている人から見れば大したことはないらしいのだが。
どうやってもうまくいかない。
親父がやってきてバカにしている。
ようし、次こそはと気合を入れてロープを『ぎゅっ!』と締めたとたん、
自分の指に激痛が走った。
ロープを締める前に自分のたるんだ気持ちを引き締めなければと思った。
平成15年5月3日
晴れ。
朝7時過ぎ
鯉のぼりを上げていた。
2本のロープを持って左右交互に下に引く。
竹ざおに括り付けられた7匹の鯉が徐々に空を泳ぎ始める。
2歳の息子が20メートル先から叫んだ。
『と〜うしゃ〜ん!』
「お〜い。」
っと息子に向かって手を振ったつぎの瞬間。
バサッ!!
布が俺を襲った。まだ完全にロープを括り付けていなかったのだ。
そこまでならまだよかった。
『ゴン!!』
竹ざおが頭部を直撃。
目が飛び出そうな痛み。
だがうれしい事もあった。
そのおかげ?で身長が少し高くなった。
平成15年5月4日
晴れ後曇り。
親戚で焼肉パーティーなるものに参加した。
野外で行ったので食が結構進んだ。
一段落ついて、室内に入って従兄弟がある部屋に案内した。
そこで思わぬものを見た。
スロットマシンである。
本物で、中古を買ったと言っていた。
3年ぐらい前の型らしい。
はっきりいって、どう操作していいかわからない。
教えてもらいながらやってみる。
パチンコとはわけが違う。
気が付けば俺は、スロットにスロットル全開だった。
平成15年5月5日
晴れ。
ここは小野田線、長門長沢駅。
今年3月14日に引退した日本最古の旧国鉄電車、「クモハ42」が今日再び走る。
おれはカメラを持って撮影ポイントへ三脚を立てた。
雑誌等で紹介されている地点は既にファンで埋め尽くされていたので
マイナーな所を選んだ。
やはりここは人が少ない。
チャンス!
それからしばらくしてあのチョコレート色の電車が姿を見せた。
レリーズを持つ俺の手に緊張が走る。
電車はこっちへ向かって走る。
いまだ!
・・・・・・・・
5分間記憶がない。
シャッターが切れなかったのだ。
かわりにバッテリーが切れていた。
つづく