10−10 光学異性体
 
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10−10−1光学異性体とは
光学異性体は、炭素原子に4個の異なる原子・原子団が結合し、空間配置が面対称になっています。鏡をおいてみたときの像のように見えるので、鏡像ともいいます。下図のモデルを移動し、中心の炭素原子(黒球)と上の空色の玉と手前の緑の玉を同じ位置に移動すると、赤球と白球が重なり、空球・緑球・赤球・白球の4個が同じ位置に重なることはありません。このような構造をもった物質に偏光を当てると一方は偏光面を右に、他方は左に旋回します。
 
偏光面を旋回する性質を旋光性といい、旋光性をもつ物質を光学活性体といいます。偏光面に旋回するものを右旋性に旋回するものを左旋性といいます。そして偏光に対する性質のみ反対で、他の性質はすべて同じで異性体を光学異性体といいます。そして4つの異なる原子・原子団が結合しているような炭素原子を「不斉炭素原子」といいます。次に示した物は代表的な光学異性体です。不斉炭素原子は赤文字で示してあります。
乳酸 リンゴ酸 グルタミン酸
  乳酸は代表的な光学異性体です。乳酸発酵でできたヨーグルトなどに含まれています。グルタミン酸は調味料の味の素の成分です。タンパク質を分解するとアミノ酸ができますが、これのほとんどが光学異性体です。天然の光学異性体は左旋性です。右旋性の物はおいしさもなく、体内に取り込めないのです。
 
問題 ペンタノールは8種類の異性体があります。そのうち2種類は光学異性体です。構造式を考えてください。また不斉炭素原子は赤でマークしてください。
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