5−4 化学反応式を応用した計算
 
化学反応式を応用した計算は、化学の基本であり、色々なところに関係する大切な内容です。しっかりマスターして下さい。
基本は、物質量(モル数)・質量(g)・気体のときの体積(l)、の3つの関係を使いこなせばよいのです。
気体は必ず温度が0(℃)・圧力が1(atm)の条件が付きます。温度・圧力が異なっているときの扱いは化学Uで学習します。
 
5−4−1 基本
計算は次の過程で進めていきます。
過程1 未知数の設定(単位をつける)
過程2 化学反応式を書く。(ここで間違ったらどうにもならない。!!)
過程3 関係する物質の物質量を書く。(設問の単位に合わせる)
過程4 設問の数値を書く。
過程5 比例式をたて、計算し答を求める。(答に単位をつける)
 
5−4−2 物質量と質量の関係
エタンC2H6 が燃焼すると二酸化炭素と水が生成する。C=12,O=16
エタン5(mol)が燃焼するとき生成する水の質量はいくらか。
 
過程1 求める水の質量を x(g)とする。
過程2 2C2H6 + 7O2 → 4CO2 + 6H2O
過程3  2(mol)           6×18(g)  (水の分子量は18)
過程4  5(mol)             x(g)
過程5  2(mol)5(mol)=6×18(g):x(g)
            x=270
            270(g)
 
別解 質量を分子量で割るとモル数がでることを利用する。
エタンと水の物質量比の比例式をつくる。
    2(mol):6(mol)=5(mol)x/18(mol)
 
5−4−3 物質量と体積の関係
エタン5(mol)が燃焼するとき生成する二酸化炭素の体積はいくらか。
 
過程1 求める二酸化炭素の体積を x(l)とする。
過程2 2C2H6 + 7O2 → 4CO2 + 6H2O
過程3  2(mol)       4×22.4(l)
過程4  5(mol)        x(l)
過程5  2(mol)5(mol)=4×22.4(l):x(l)
            x=224
            224(l)
 
別解 体積を22.4で割るとモル数がでることを利用する。
エタンと二酸化炭素の物質量比の比例式をつくる。
    2(mol):4(mol)=5(mol)x/22.4(mol)
 
5−4−4 質量と体積の関係
この反応で水が270(g)生じている。必要な酸素の質量を求めよ。
過程1 求める酸素の質量を x(g)とする。
過程2 2C2H6 + 7O2 → 4CO2 + 6H2O
過程3       7×32(g)    6×18(g)
過程4       x(g)         270(g)
過程5  7×32(g)x(g)=6×18(g):270(g)
            x=560
            560(g)
 
別解 質量を分子量で割るとモル数がでることを利用する。
酸素と水の物質量比の比例式をつくる。
    7(mol):6(mol)=x/32(mol):270/18(mol)
 
それぞれ別解を示しました。理解しやすい方で必ずできるように頑張りましょう。最近の教科書は別解の方で説明してあるものが多いようです。
 
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