猫の図書館

 世の中には、たくさんの猫好きの作家がいて、小説や随筆など、猫のことを書いた本がいろいろ出版されています。
 このコーナーでは、勝手きままに猫本を紹介します。
 

 随筆・エッセイ・写真集

本の題名 著者と
出版社名
本の表紙 内容と寸評 おすすめ度
日本の名随筆3  猫  阿部昭編
作品社
内田百聞や大佛次郎など、猫好きで知られる作家や随筆家、歌人などが、猫について語った随筆集です。中でも、伊丹十三さんの「猫」や金井美恵子さんの「ピヨのこと」などは、読後の余韻がじんわりと深いのだな。
でも、多くの人が書いているように、猫は死に際に、飼い主から姿を隠すってほんとなんですね
猫好き度
★★★★
文学度
★★★★★
アブサン物語 村松友視
河出書房新社
作家村松友視さんが飼っていた猫アブサンは21歳まで生きたそうです。アブサンの生涯を村松さんが淡々と、でも愛情あふれる筆で綴っています。 猫好き度
★★★★★
文学度
★★★
ネコが元気をつれてくる

−「そんなに無理しないでいいのよ」と猫が言う−
麻生圭子
大和出版
麻生圭子さんというのは作詞家で、吉川晃司や小泉今日子の詞を手がけた人です。肩に力を入れないで暮らす方法を、彼女は猫から教わったのです。
最近、肩こっている人は、ぜひ読むように。
猫イラストが秀逸。1994年に亡くなったロック歌手の中川勝彦さんによるものだそうです。
猫好き度
★★★★
文学度
★★
ノラネコ日記
−乙羽さんとドブ君たち−
新藤兼人
弥生書房
ごぞんじ映画監督の新藤兼人が、自宅にやってくる野良猫との毎日を、奥さん・・・乙羽信子さんの発病からなくなられるまでのエピソードを織り交ぜながら淡々と記した小編です。
イラストも新藤さんで、とても味のある猫絵。この人、多才です。
猫好き度
★★★
文学度
★★★★
猫だましい 河合隼雄
新潮社
心理学者の河合さんが、猫にまつわる古今東西の本を例に人と猫の関係、人間の心をぐりぐりと描き出すのです。いてて。
タイトルの「猫だましい」とは、だましとたましいをかけたもので、猫の不可解さ、たましいのはたらきみたいなものを表現しているとか。
この中で取り上げている「100万回生きたねこ」とか「空飛び猫」は名作です。
猫好き度
★★★
文学度
★★★★
なぜ、猫とつきあうのか 吉本隆明
河出文庫
我が国における21世紀屈指の思想家、吉本隆明さん(というよりも、最近は、吉本ばななのお父さんという方が有名?)が、自宅で飼っている猫について語った対談集というかエッセイ集。
「何度か会ったくらいの知人が死ぬよりも、うちで飼ってた猫が死ぬ方が悲しい」なんてところから、吉本流思考にぐぐっと入っていきかけるけれど、総じて肩の凝らないお話です。
でも、この人、ほんとに猫好きですね。
猫好き度
★★★★
文学度
★★★
猫には猫の生き方がある 岡野薫子
草思社
岡野さんは児童文学者というのが適切なのでしょうね(よく知らないけど)。ご自分が飼っている何匹かの猫の生活を描いてます。
でも、どーなんでしょうね。この人の場合、猫を飼っているのか、野良猫にえさをあげているのか、わからないところがある。要するに完全放し飼いということですね。
「猫のためにそういう関係を選択した」とおっしゃるけど、都会のマンション生活で、そういう選択をして良いのか、田舎ものの僕にはわかりません。
猫好き度
★★★★
文学度
★★
ドクター・ヘリオットの猫物語
集英社文庫 ああ出会ったな、という感じ。獣医であり、無類の動物好きの作者の猫に対する温かいまなざしを感じながら、珠玉の10編を読み通してしまいました。
こういう本に出会えることがあるから、読書はやめられないですね。満点。
猫好き度
★★★★★
文学度
★★★★★
地中海の猫 岩合光昭
新潮社
動物写真家で有名な著者の写真集。ギリシャ、イタリア、スペイン、トルコなどの猫が美しい景色とともにフィルムに収められています。
猫と一緒にちょっとした旅行気分が味わえます。
じゅびのお兄ちゃんレオーネのご主人、ラビーさんからのお薦めです。
猫の印象派 スーザン・ハーバート
講談社
印象派の巨匠モネ、ルノアール、ゴッホ等の名作の絵を猫の顔でパロったものです。
もともと印象派の絵は好きなので思わずニンマリしてしまいます
(^_^)

同じくラビーさんのお薦めです。



 小説・詩歌

本の題名 著者と
出版社名
本の表紙 内容と寸評 おすすめ度
猫語の教科書 ポール・ギャリコ
筑摩書房
スーパーマンみたいな猫がいて、自分でタイプライターを打って、子猫や野良猫に手紙を書いたそうな。それには、「人間の家をのっとる方法」とか食卓でおすそわけをもらう上手な方法とかドアのあけ方とかが書かれていて、すでに猫族には広く読み継がれているらしい。
うーん、そういえば、僕もこうやって甘えられて、ついついお皿の魚をじゅびに分けてあげてしまうんだな。
猫好き度
★★★★
文学度
★★
ねこに未来はない 長田弘
角川文庫
長田弘さんは詩人だそうですが、かの庄司薫ばりの成績優秀文学青年的文章で、いつのまにか本の世界に引き込まれてしまうのでありました。
ちなみに、猫はひたいが狭いので、神様が前頭葉を入れ忘れて、それで未来を知覚できないのだそうな。一瞬一瞬が勝負というのは、いわば宗教的な悟りの境地でもあるのですね。
なお、私ごとで恐縮ですが、僕がいっとう最初に出会った猫本でもあります。
猫好き度
★★★★
文学度
★★★
猫とみれんと 寒川猫持文芸春秋 奥さんに逃げられ猫(にゃん吉)と同棲中の眼科医、猫持さんの歌集です。おいらの好きな歌はこれだ!
「突然に走りはじめたにゃん吉が寝ている吾を蹴ってゆきたり」
「枕から右のおててをどけなさいうんちがついているではにゃあか」
猫好き度
★★★★★
文学度
★★


 童話・絵本・写真集

本の題名 著者と
出版社名
本の表紙 内容と寸評 おすすめ度
空飛び猫 ル=グウィン
講談社
あの「ゲド戦記」の作者が、翼のはえた猫のお話を書いています。
ノラ猫のお母さんから生まれた4匹の空飛び猫が親から離れて生きていきます。なんで翼があるのかなんて考え込む人には、ご遠慮してほしいファンタジーですね。
さりげない猫の動作の描写は、さすがル=グウィンです。
続編もあるぞ。
猫好き度
★★★★
文学度
★★★★
大事なことはみ〜んな猫に教わった スージー・ベッカー
小学館文庫
うう、評論するのがむずかしい・・。猫の習性を人生訓にまで昇華させた、というと堅苦しそうですが、イラストも文も見ていて楽しい、猫好きにはたまらない絵本です。
訳者の谷川俊太郎さんの「まえがき」が、僕には、猫と人間のすべてを語っているように感じたのだった、なんちって。
猫好き度
★★★★★
文学度
★★★
ダヤンのミステリークッキング 池田あき子中公文庫 あまりに有名なダヤンなので、論評なし。「こねずみクッキー」と「オレンジのどろぼうゼリー」をつくってみました。 猫好き度
★★★
文学度
★★?
京都猫町さがし 甲斐扶佐義
中公文庫
白黒の写真集です。文庫サイズの限界はありますが、京都の粋な野良猫たちがいっぱい。ほんやら洞の「チビ」にはお会いしてみたい。
この方も、最近増えている徘徊型向猫性中高年の一人です。僕の散歩コースでも、野良猫たちと親しく遊んでおられるサラリーマンらしき人たちを時々みかけます。
猫好き度
★★★
文学度
サバの夏が来た 大島弓子
白泉社文庫
漫画家の大島さんちにいる猫「サバ」は、かっこいい人間の男性に描かれているので、最初よくわからなかったけど、そのうちにだんだんわかってきて、楽しかったです。
「サバの秋の夜長」とかいろいろあるそうです。
猫好き度
★★★★★
文学度
猫ばっか 佐野洋子
講談社
猫文学界に燦然と輝く「百万回生きた猫」を書かれた佐野洋子さんのエッセイのような小童話のような。どっちにしても、絵がいいよね。鏡を見ている黄色い猫なんざ、もはや哲人、もとい、哲猫ですね。 猫好き度
★★★★★
文学度
★★★★
しばわんこの和のこころ 川浦良枝
白泉社
帯に書いてあるとおり、おちゃめな柴犬の「しばわんこ」といたずら好きの「みけにゃんこ」が皆様を「和」の世界にご案内します。
うう、主役が犬だけど、猫も出るから許してくれろ。おいらの実家には柴犬もいるのだ。(マルといいます)
猫好き度
★★
文学度
★★★
猫ひなた 本多信男
東京書籍
1988年に発行されて絶版となった、知る人ぞ知る猫写真集。柔らかな日差しの中にいる子猫たちは、とてもかわいいのです。
姉妹編に「猫うたた」というのもあるそうです。
猫好き度
★★★★★
文学度
★★



 ネコの飼い方ガイドブック

本の題名 著者と
出版社名
本の表紙 内容と寸評 おすすめ度
猫と賢く暮らす本 たとえば、猫にとっての鮭のお刺身みたいに、その手のガイドブックとはひと味もふた味も違う、見て楽しい、読んでためになる、猫の飼い主のバイブルではあるまいか、と、僕はひそかに思っているのです。
表紙の猫は、ふふふ、すごい。
猫好き度
★★★★★
文学度
★★★★
Somali THE CAT アーリストインターナショナル 猫の種類ごとに発行されていて、とてもためになる本なんだって。なあんて、ソマリについて書いてあるのはわずか4ページ。あとは、猫を飼う時の簡単な注意が載っている、という本です。まだ、このホームページの方がためになる、と思うのは私だけでしょうか。 猫好き度

文学度
×



 その他

本の題名 著者と
出版社名
本の表紙 内容と寸評 おすすめ度
猫とグラフト重合 斉藤恭一ほか
丸善
猫とグラフト重合?なんじゃそれ、という感じですが、猫好きの斉藤さんと犬好きの須郷さんという科学者がつくった、化学による消臭素材などののつくり方を紹介した本なのですね。
内容はよくわからなかったけど、猫のイラストなんかはなかなかいい感じ。
猫好き度
★★
文学度
猫の行動学 パウル・ライハイゼン
どうぶつ社
作者は科学者です。なんてったって、マックスプランク行動生理学研究所のネコ研究グループの総帥だったんですから。ネコ研究グループというのが、どんなのか知りませんが、なんかすごそう。この本は、猫の捕獲行動や性行動を非常に科学的に説明してあります。(ということくらいしかわからない 猫好き度
★★★??
文学度
ネコの人相(ニャンソウ)学 犬飼新市
ダイナミックセラーズ
し、知らなかった・・・。アゴヒゲがボサボサなのは、実は放浪癖が強い猫だったとは・・。うちのじゅびもそうなのかしら?でも、作者の名前が「犬飼」さんなんて、ちょっと眉つばかも。 猫好き度
★★★
文学度


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