後ろ手にドアを閉める。

 部下とアトリウムロビーで別れた後、ディーノは雲雀を連れて最上階へと向かった。

 天空の塔に閉じ込められ、よろめいた雲雀は背後からきつい戒めに合い覆いかぶさるように唇を奪われた。

「やだ」

こんなのあなたじゃない。

手を振り翳し、頬を張られディーノが怯んだ隙に雲雀は壁に向かって走った。

冷たい壁に背中を預けたまま、薄い肩を震わせ恐怖を感じていた。

 ぶたれた方の頬を雲雀に見せるかたちで俯いている彼の表情と心情をはかり知ることはできなかった。

 ただ、この広い部屋を取り巻く静寂が酷く居心地が悪い。

「どうして…こんなことに…。わけがわからない…」

 絞り出すように言葉を紡ぎ、雲雀は秀麗な顔を哀しげに歪ませる。

 そうだ、彼はどんなときだって大らかで明るく照らす太陽のような人だった。

「僕の知っているあなたは、こんなんじゃない……」

「じゃあ、どんなのが俺だって言うんだよ?」

 勝手に作り上げた理想像をお前までもが押しつけるのかと、綺麗なはしばみは哀しみに揺れていた。

 知らずと雲雀の頬を伝っていたのは涙だった。

 自覚すれば、あとからあとからそれは溢れだし、悔しいと唇を噛み締める。

「泣かないでくれ。お前に泣かれると、俺はどうしていいのかわからなくなる…」

鼻の奥がツキンと痛い。

気を抜けば嗚咽が込み上げてきそうで、雲雀はそれを必死に堪えていた。

「悪かった。昨日から神経質になり過ぎていて、辛くお前に当たっていた…」

「…自覚はあったんだ?」

 問いかける雲雀に「ああ」とディーノは白状するように一つ頷いた。

「急に、お前を遠く感じはじめたんだ――」

「……」

「指輪でお前の気持ちが引き止められるなんて、考えた俺が愚かだった…」

 この通りだ許してくれと、その身を抱きしめて懺悔する。

「ばかだよ…あなたは」

 惹かれて止まないはしばみの瞳を見つめながら雲雀はその胸を手で打った。

 何度も何度も。

遠く存在を感じていたのは何もあなただけではないと伝えるかのように。

「お前がいないと未来が何も見いだせない…。今日、それがはっきりとわかった」

 恭弥が必要なんだと黒髪を梳かれながら告げられ、雲雀は気づくのが遅いと涙を滲ませながら毒づく。

「僕みたいな――完璧な人間はそうはいない」

「それをお前が言うか?」

「へなちょこなあなたに釣り合う人間なんて、そうないって教えてあげているんだよ」

 涙に濡れた頬や眼尻をハンカチで拭ってやりながら、ディーノは肩を揺らせた。

 そして涙する雲雀の顔をひと時の間見つめ、何かを決意したように表情を引き締める。

「そうだな。恭弥みたいなすげぇ美人、手放す方がどうかしている。ああ、もう迷わねぇよ」

 何をと瞳で訊ね返すと、ディーノは上着の上ポケットの中から小さな小箱を取り出した。

 見覚えのある水色の小箱の中身は見間違えることのないスターリングシルバーの輝きだった。

「俺と一緒にイタリアへ来てほしい」

告げられた言葉に漆黒の瞳が揺れる。

「聞いてくれ恭弥。俺は間もなく日本での仕事を終え、イタリアへ帰る」

 初めて聞かされる真実に驚愕する。

 確かに今の生活がずっと続くわけではないことは頭の中で理解していた。

 だが、いざ彼との生活があと僅かで終止符を打とうとしていることを知ると激しく動揺する。

「恭弥のことは記憶が戻らなくても最後まで面倒を見るつもりだった。引き続きファミリーの一員として日本で働いて貰うことが最善かと最初は考えていた」

 他に身寄りのない雲雀にとって、この提案は勿体ないくらいだった。

「でも、いつしか恭弥の存在は俺にとってかけがえのない者へと変わっていった。もう、後戻りができないくらい、どうしようもないくらい愛してしまった…」

「……」

「ずっと迷っていた。俺の身勝手でお前をイタリアへ連れて行き、危険にさらしていいものかと――」

「危険?」

 どういう意味と雲雀は瞳を凝らす。

「だが、今回の件で漸く踏ん切りがついた。傍にいてくれ。俺はこのタトゥに誓ってお前を守る」

「ディーノ…」

 今、流れ落ちているそれは嬉しさから溢れた涙だった。

「愛してる恭弥。一緒にイタリアへ来てくれるか?」

 丁重に告げられた夢のような申し出を雲雀は断ることはなかった。

「あなたに僕の人生、全部背負っていく覚悟があるのなら…いいよ」

「ああ…。全部、背負って幸せにする」

 左手の薬指に彼の心の証しである指輪を嵌められる。

 涙に濡れる瞳で雲雀はそれを見つめ、嬉しいと小さくだがはっきりと呟いた。

「エンゲージリングはもっとちゃんとしたものを贈ってやるから」

「これで十分だよ…。僕はこれがいい」

 この指輪に勝るものはない。

 大切に反対の掌で左手の甲を包み込み、綺麗に微笑む。

いま雲雀の心は満たされていた。

 後先も考えずにプロポーズを受けてしまったが、彼の伴侶となるからには彼に釣り合った知識や教養を身につけなければとも思った。

まずは彼の母国語であるイタリア語だ。

イタリアへ渡れば嫌でもイタリア語が公用語となる。

 どう学べばいいのか、歳の近いマイケルあたりに相談してみるのもいいだろう。

 いつしか両者の間に溝をつくっていたわだかまりも消え去り、ディーノは思いだしたように顔を上げた。

「そういえば恭弥、さっき鳥といなかったか?」

「いたよ。僕の名前を呼んでいた。僕を知っていたみたいだった」

「なんだって?」

 包み隠さず話す雲雀にディーノは息を呑んだ。

「そしたら、知らない男が立っていて、僕のことを見ていた――」

「どんな男だ?」

 詳しく覚えているかと尋ねられ、雲雀は覚えている限りの人物像を次々とあげていく。

「恭弥と同じくらいの歳で東洋人、顎に刀傷のある男か――」

 顎傷は大きな特徴だなとディーノは呟き、そして思いがけないことを口にした。

「そいつ、お前の恋人だとかいわねぇよな?」

「な…。ばかなこと言うな。いくら記憶がないからって、僕はそこまで節操なしじゃないよ!」

「記憶を失う前に付き合っていた男かもしれねぇ…」

 まだ疑いをやめない男に雲雀は眉尻を吊り上げる。

「あなたみたいに好きもの呼ばわりしないで。いい加減にしないと噛み殺すよっ」

 僕は歩くセックスシンボルじゃないと間髪いれずに怒りを露にさせる雲雀にディーノはすぐさま両手を合わせ詫びた。

 恋人の過去の恋愛歴が気にならないと言えば嘘になる。

 こんなにも勝気で美しい恋人を持てば、ディーノでさえも気が気ではない。

「また、そいつと会えそうか?」

「わからない…」

 でもと、雲雀は言葉を続けた。

「彼が記憶を失う前の僕と何らかの関係があるとすれば、またいつか会える気がする…」

「そうだな」

 希望という名の光りを瞳に灯す恋人の姿を見つめ、ディーノは複雑そうに呟く。

 いつか恋人の記憶が戻るときがくるとすれば、それは自分との別れのときではないのかと。

 記憶を取り戻したとき、雲雀がどのように豹変していくのか怖くてたまらない。

 そんなディーノの気持ちも知らずに美しい恋人はどこまでもふたりの未来に関して前向きだった。

「ディーノ。あなたが迎えに来てくれて本当に良かった」

心底そう思う。

その言葉に堪らなくなったディーノは恋人の耳元で寝室に行こうと誘った。

腹を満たすことよりも愛を確かめ合うことを優先したディーノに初々しい恋人は恥じ入るように頷いた。

 

 

 

 

 

 ディーノは長身の自分が横たわってもまだお釣りが来るソファに横たわりながら無作為に選んだテレビ番組を見ていた。

 雲雀が社長秘書に就任してからというものディーノの自由時間はぐんと増えた。

「恭弥、耳かきしてくれよー。あと、膝枕も。一緒にテレビ見ようぜ。なぁ?」

 夕餉の後片付けを終えた雲雀は「じゃあね」と言って紙袋を提げ、部屋を出て行こうとする恋人をディーノは呼び止めた。

 大声を張り上げそれも形振り構わずだ。

「どこ行くんだ。今晩は俺とじっくり将来のことを語り合うんじゃなかったのか?」

「スケジュールが詰まっているんだ。勝手に決めないでくれる」

「なんだよ。愛が感じられねぇな」

 三十路も超えたいい大人が地団駄を踏む図。

 惚れた弱みか、仕方ないと溜息をついて雲雀は踏み止まった。

「話しは手短に済ませてくれる?」

「無茶言うなよ。これから先の長い人生だぜ? 手短に話せるわけないだろ」

「…そう」

 全く持ってこういうところは淡白だなと苦笑する。

 雲雀の左手の薬指にはシルバーリングが嵌められていた。

 そして、ディーノの指にも同じものが。

 指輪一つでどうにかなるものではないと思いつつも、雲雀はディーノから確かな気持ちと約束を手に入れた。

 ペアリングだったなんて知らなかったと少し怒りながら、それでも顔は満更ではなさそうにお揃いの指輪の存在を認めていた。

 とるに足らないテレビ番組を適当に流しながら、雲雀は紙袋を足元に置くとディーノが頭を預けている方のソファ脇に腰かけ「ほら」と太腿を開放させた。

 それを了承と捉えたディーノははちきれんばかりに尻尾を振る犬よろしくに恋人の柔らかな太腿へ頭を預ける。

「なぁ。さっきから気になっていたんだが、その袋の中身は何だ? すっこぐ気になるんですけど」

「動かないで」

手元が狂うと耳かき棒を持っている雲雀に注意をされ、恋人の柔らかくて温かな太腿の感触を楽しみながら、「でもよー」と唇を尖らせた。

「恭弥が初めてもらった給料で買ったもんだろ? 気にならねぇ方がおかしい」

「次、反対側」

「おう」

 どこか話しをはぐらかせている節があるなと感じながら、ディーノは言われるまま寝返りを打ち、反対側の耳を向けた。

「はぁ…。恭弥の太腿、気持ちいい」

 ここは天国だと至福そうに呟く彼の横顔を上から眺め、この肉の付いていない脚のどこがいいのかと逆に彼の感覚を疑う。

 するりと腰にまわされた手は最初、目的もなく彷徨っていたが最後には程よく引き締まった尻を撫で捏ねる。

「ちょっと。次に変なことしたら、鼓膜を割るよ?」

「こぇー」

 仕方なく諦めたディーノは悪戯な手を引っ込め大人しくなった。

 暫くの間、テレビの音だけが部屋を賑やかせ雲雀は黙々と指先を器用に動かしていた。

「恭弥」

「なに?」

「結婚したら、毎日こうして甘えていい?」

「は?」

「だから、結婚――」

 聞き捨てならない単語が出てきたので雲雀は手を止めて慎重に聞き返した。

「結婚って、あなた本気?」

「恭弥は冗談が嫌いだろ」

 だから俺は冗談なんか言はねぇと、目を閉じたままディーノは何でもないことのようにさらりと告げた。

「恭弥は俺の嫁だ。もう、心に決めたことだから、誰が何と言おうと覆すつもりはねぇ」

「眼鏡や黒服たちが反対しても?」

「ロマーリオは俺の好きにしろって。部下たちは皆、恭弥のことを気に入っているし、文句言う奴なんていないだろ?」

「そう…」

 ここまで覚悟が出来ていると、返って何も言えなくなる。

「あなた嫁っていう日本語の意味、正しく理解している?」

「おう」

 確認までに問うてみたが、愚問であることはすぐにわかった。

「俺はガキのときに両親を亡くしちまったからな。ロマーリオたちが傍にいてくれたが、流石に手料理を作ってくれたり、耳掃除とか膝枕してほしいってのはなかったな」

「……」

 ぽつりぽつりとディーノは自らの過去を話しだす。

 幼い自分が寂しい思いをしないようにと彼の周りには常に遊びきれないほどの玩具や縫いぐるみ、食べきれないほどの色とりどりのお菓子で溢れていた。

 しかし、そんな物質的なまやかしで子供の心が満たされることはなかった。

 日に日に傾いて行くファミリーの財政、そして誰もいない広い食卓でひとり食事をとるディーノの後姿を見かねたロマーリオがとった行動は意外なものだった。

「ロマがある日、家庭教師を連れてきてくれたんだ」

「家庭教師?」

「そう。そいつがまた超スパルタな鬼教師でな、俺は何度死に目を見て来たことか――」

「ワォ。それは凄いね」

 でも、その彼のお陰でこんにちの自分があるのだと、誇らしげに家庭教師のことを語る顔にいつしか雲雀も鬼教師とやらに会ってみたいと思うようになった。

「ねぇ、イタリアに行ったら、僕もその人に会えるかな?」

「そうだな。いつか、恭弥にも会わせてやりてぇと思っているから、あいつが屋敷に寄った際には必ず紹介してやるよ」

 近い未来、敏腕なディーノを育ててくれた家庭教師に会える。

 そう思うと一つ、イタリアへ渡る楽しみが増えたと雲雀は微かに口許を緩ませる。

「はい。これで、終わり」

 耳元にふぅとくすぐったく息を吹きかけられ、ディーノは肌を粟立てた。

「頭、重いから、さっさと退いてくれない?」

「つれないなー。もっと仲良くしようぜー」

 なぁと、上目づかいに頼み込む恋人に「なんで」と更に噛みついた。

「僕はこれからやることがあるんだ」

「だったら、ここでしろよ」

「だめだよ」

 一歩も譲ろうとしない雲雀の態度に相変わらず融通が利かないなと嘆息をつく。

「こんな時間に出掛けるのか? 危ねぇから、マイケルを連れてけ」

 急にディーノの声音が真剣なものへと変わった。

 起き上がると、テーブルの上に置いてある内線電話の子機を手に取ろうしたものだから慌てて口を開いた。

「大袈裟だね」

「恭弥は少し自覚を持った方がいい。俺と結婚するんだぞ?」

 嫁入り前だと言いたいのか、記憶がない分、不安定でおまけに天然な性格はディーノでなくとも見ていてハラハラとさせる。

それに付け加え、自らの容姿の美しさに対する自覚に欠け、色恋沙汰に無頓着とくれば、男女を問わず雲雀は格好の標的となる。

 恋人の健やかな笑顔と貞操を守ってやらなければと、常に思うディーノの気持ちは少しも届いていない。

「夜の街はあぶなかっしいんだぜ。おかしな男に声でもかけられたら、どうするんだ?」

「…無視すればいいだけの話しじゃないか」

 言い返すと、ディーノは更に表情を厳しくさせた。

「強引に路地裏に連れ込まれたら?」

「なに?」

「いやらしいことをされるんだぞ。俺以外の奴に」

 と強調し、心配そうに年下の世間知らずな恋人を見下ろす。

「男相手にそういうことしたがるの…?」

「世の中には、同性にだって勃っちまう男もいるんだよ。現に恭弥は色っぽいし綺麗だ」

「……」

こういうときのディーノはスッポンのようにしつこいから苦手だ。

 幾ら恋人とはいえ、まるで自分を所有物のように扱われ、悔しくないはずがない。

だが、ディーノの言うことも事実だったので、雲雀は逆らえずにいた。

「外出はしないよ。僕はコンセルジュの彼に会いに行くだけだ」

 あなたばかじゃないと、頬を赤らめながら言う雲雀にディーノは初老の紳士を思い浮かべた。

 恭弥に彼を紹介したのは自分だ。

 彼は人間的にも信頼の置ける男であったので、事あるごとに雲雀はコンセルジュである彼に相談を持ちかけていたようだ。

「そうか。だからって、あんまり遅くなるなよ。俺が心配する」

 ホテル内であれば容易に部下を配置することができる。

 そうだなと呟いて、ディーノはオキニスの置時計の針を見た。

「十時までには部屋に戻って来い。いいな?」

 門限を定める男に雲雀は仕方なく頷く。

「そんなに嫌そうな顔すんなよ。お前は俺の恋人でフィアンセなんだから、これからはしっかり自覚を持って行動してほしいくらいだぜ」

 歯向かえばたちまち軟禁させることは火を見るよりも明らかなことで、ここは素直に従うに限った。

 それに二時間もあれば十分だ。

(今日一日でどうにかなるものでもないし)

 紙袋を下げて部屋を出て行く際、ディーノに引き止められ、面倒臭そうに「なに?」と振り返ると、雲雀はカーディガンを肩から羽織らされた。

「風邪を引くなよ。ほら、行っておいで。可愛い仔猫ちゃん――」

「猫って言うな…」

 あまり我侭を言ってコンセルジュを困らせないようにと釘を刺され笑顔で見送られた。

 それからすぐにディーノは内線電話で雲雀に気づかれないよう身辺警護するよう指示を出した。

 彼の親心などは露知らず、フロントに向かった雲雀は早速コンセルジュに紙袋の中身を見せた。

「これでマフラーを作りたいんだけど」

 必要な道具と材料は揃っている言う雲雀にコンセルジュの老人は目を細めて感心をする。

 最近の若者にしては随分と純真で健気だ。

「でも、編み方がわからない」

「誰かへのクリスマスプレゼントですか?」

 季節柄、この時期に編み物と言えばそうなのと訊ねると、雲雀は「ディーノに」と答えた。

フロントでデスクワークをしていた若い女性スタッフたちから黄色い声が上がり、フロント・マネージャーから注意を受ける。

彼女達が騒ぐのも無理はなかった。

このホテルにディーノ・キャバッローネという名を知らない従業員はいない。

類いまれな美貌と財力を持った彼は憧れの君であり、また目の保養として慕われていた。

そんな彼がある日突然、謎めいた一人の日本人を連れ帰り、最上階の塔の上に住まわせている。

今はゲストルームのベッドも撤去され、様々な憶測が飛び交うなか雲雀はディーノの恋人か愛人だと言う声もあった。

実際、ふたりきりで食事に出かける姿や、まるで恋人にするようにディーノが雲雀の肩や腰を抱いている風景が目撃され、単なる噂は確証へと着実に近づいていた。

 これは随分込み合った内容になりそうだなと判断したコンセルジュは、傍にあった応接用のソファを雲雀に勧めた。

「クリスマスまでに間に合わせたいんだ」

 真剣な眼差しにコンセルジュは相槌を打ち、ふたりが金銭に囚われた関係ではなく、純粋な愛情のもとに結ばれた関係なのだと知ることができた。

視線を巡らせ、先ほど注意を受けた彼女たちに白羽の矢を向ける。

ホテルにとって大事な上客であるディーノの連れの頼みともなれば無下にできない。

あまり気は進まなかったがミーハーな彼女たちを呼び、編み物の心得があるかどうか尋ねてみた。

 

 

 






 雲雀の健気さに涙が出てきました。基本、雲雀はいい子です。