第3回脳卒中セミナー

 市民公開講座:2001.11.18.
突然おそう脳の病気:予防・治療・介護
<脳卒中患者の社会復帰に向けて>
−本人も家族も安心できる、在宅療養から社会復帰への体制作り−
                       毒とるMIHI

<知っておきたいこと、考えておきたいこと>
・在宅支援サービスにはどのようなモノがあるのか?・家庭で介護をするのに何が必要か?
・何を希望するか?・介護認定のランクで支援内容が決まる・自己負担が1割であることを忘れず、
 基本的な予算を考える

<在宅支援サービスの主な内容>
訪問:訪問介護(ホームヘルプ・サービス)
    訪問入浴
    訪問看護
    訪問リハビリ
通所:通所介護(デイサービス)
   通所リハビリ(デイケア)
入所:短期入所生活介護(ショートステイ)
   短期入所療養介護(ショートステイ)

これらをうまく組み合わせることによって、
病状を安定させ家族の介護負担を軽くする。

<A.S.氏(71才男性)の場合>
診断;脳梗塞
発症;H6.7月
状態;左片麻痺で日常の殆どの時間をベッドで生活している
    食事とデイケアの時は、車いすで過ごす
    自分で寝返りは出来ない
<1週間のスケジュール>
・ホームヘルプ・サービス:朝30分、日・月・水・木
...起床から着替え、排泄までを支援してもらう
・訪問看護ステーション:週一回看護婦さんが全身状態を把握
・訪問リハビリ:火曜日の午前にリハビリをする
・デイケア:週一回(9:00−16:00)、送迎付き
・訪問診療:病状が安定していれば基本的に月一回
これ以外の時間のお世話は、ご家族(2人)が行っている

<訪問診療>
 訪問診療は定期的に往診をするもので、介護チームの一員として機能する。
1回が15−20分で、血圧・体温・脈拍をチェックし診察を行う。
療養にあたっての相談や質問、検査結果についての説明なども行う。

<ノート>
・在宅支援チームは、1冊のノートを使っている
・在宅支援チームは、ノートで お互いの情報交換をする
・気付いたことを書き込んで、 各支援チームに情報を伝える
・1枚は自分達の記録用に、も う1枚はそのまま残しておく
S氏の問題点は何か?
A)病状急変時の対応に不安
B)他人が家の中に入ることへの拒否感を捨てる
C)時には厳しく、時には優しく。
  患者さんは、自分で出来ることは自分で!
D)家族介護の谷間を埋める在宅支援サービスでは、在宅療養は長続きしない。無理をしない。
E)ショートステイを使いたがらない:家なら遠慮無く言いたいことが言えるし、嫌いなことはしなくて済むから
F)デイケアの回数が少ない(長く車いすに座るのを嫌うが、入浴は好き)
G)介護認定の更新で介護ランクが要介護5から要介護4となり、ニーズ(必要性)とディマンド(要求)のバランスを考えるきっかけになった

<急変時の連絡>
 少しでも不安があっては、在宅療養は長続きしない
いつでも主治医に連絡出来る体制作りが大切
− − − − −
<緊急連絡方法>の紹介
何か心配なことや急に変わったことがあれば、
私の家の電話 083−9**−3***へ。
もしも家にいなければ、
私の携帯電話 090−3****−4****へ。
それでも通じなければ、
  Y病院 9**−33**へ。
「訪問診療をしてもらっている **です。」と、必ずおっしゃってください。
必ず対応させていただきますので、遠慮無く連絡をしてください。
(これを電話のそばに貼ってもらう)

(まとめ)
<本人も家族も安心して在宅療養ができる体制作りのために>
(1)介護保険では、上手に在宅支援サービスを使う
(2)利用できる在宅支援サービスには何があるのか
(3)介護認定のランクで支援内容が決まる
(4)1割負担の中で、受けたいサービスの予算を考える
(5)家の中へ、他人が入ることへの拒否感を捨てる
(6)家族介護の谷間を埋めるだけの在宅支援サービスでは、
 在宅療養は長く続かない。無理をしないことが大切!
☆(2)、(3)、(4)はケア・マネージャーに相談すると便利
☆何か希望があれば、ケアマネージャーに遠慮せず主張する方が良い
☆中立的な立場でものを考えるケア・マネージャーを探す
☆ケア・マネージャーが気に入らなければ変えても良い

<会場からの質問>
Q:緊急時のケースには、どのようなモノがあったか?
A:過去13年間では、直接私に電話されてこられたのが、5−6件でした。
ほとんどは電話で対応できました。この他に、訪問看護ステーションのナース、
在宅支援センターのケアマネージャーを通じて連絡がありました。
2件は、ターミナルを迎えたガン末期の方と脳梗塞再発作の方でした。
家族と本人の希望で、家で看取りました。
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