干物の味は素材4と手法6で決まります。新鮮な素材を使う事は言うまでもありませんが問題は素材の旨み(アミノ酸)を どのように引き出すか?この一言に尽きるのです。塩分を一定にしても手法(温度・風・湿度等)により変わってしまいます。 試行錯誤であみ出した手法を下記に列記してみましたので興味のある諸氏は試してみて下さい。 尚、ホームセンターで魚の干しカゴを購入して下さい。共通して言える事は絶対的条件「日差しが5時間以上見込める事、 そよ風がある事、湿気が余りない事」がありますので究極のものを作る時は天候との相談が必要です。
「漬け水の作り方」ボールに塩を入れ冷水を注ぎ混ぜて塩を完全に溶かして下さい。そして舐めてみる事です。その塩辛さが基本に なります。平均的な塩分濃度は2%(海水よりやや薄い)そして、酒とダシ昆布1切を適量混ぜ合わせる事を忘れずに。 (何故?酒を入れるか?独特の匂い消しとアミノ酸醗酵を助け 素材の旨みを早く出します)
(注)魚を処理する工程で真水は絶対に厳禁です。全て、ボール内の溜め塩水で処理して下さい。そして一旦、魚を粗洗い後は 少なくとも10分程度ザルに上げ水気を取って下さい。
もしも流水で内臓・汚れを洗い落とした場合は水気を十分拭き取って塩水を潜らせて下さい。
干物の塩の仕方は今回、紹介している「たて塩法」と以外にもうひとつ「振り塩法」があります。
〜グルメの達人オリジナル〜
白身の魚(ムツ系・アマダイ(真鯛は除く))の場合
基本的にこの系列の魚は脂が乗っているのは非常に美味く出来上がります。 背を開き頭の部分から包丁を入れ左右対称に真っ二つに開きます。 背骨はどっちかの身に付くようにします。内臓を綺麗に取り除きます。 海水より少し薄めの水でよく洗って掃除して水気を切っておきます。 次に海水より少し濃い目の水に酒を多め(ドボドボ)加え魚を漬けておきます。 脂がズルズルの場合は30分、余り乗ってない場合は20分前後です。 後はカゴに入れ乾燥させて下さい。
白身の魚(キス・カマス系)の場合
カマスは骨付きで半開きにして売っていますがもう少し手を加えて3枚に下し骨抜きをします。 後は同様ですが洗い水を少し濃くします。これによりつけ水との塩分の浸透圧差が少なくなる 事で塩辛さを押さえられます。キスは3枚に下し一旦薄塩で塩もみして水気をきった方が良い みたいです。一気に塩分が入りますので注意が必要です。漬け時間に20分前後です。 この系統の魚は干し上がったらパン粉を付けてフライが最高に美味いと思います。
青身の魚(アジ・イワシ系)の場合
イワシは中骨を取り除きます。 塩分が入り易い素材ですのでつけ水は20分以内にします。更に酒は多めにした方が独特の 匂いも消えて良いようです。特にウルメを丸干しする場合は30分以上漬けると辛くて 食べられません。 アジは背割りがベストのようです。同様に海水程度の水で綺麗に掃除して脂の乗りを考慮 して20〜30分の漬け時間がベストでしょう。
カレイ・レンチョウの場合
この素材は非常に難しいと思います。今の所は研究中ですが、ジュウシイに乾かす?これが基本 になりますが焼いた時の脂を考えワタを若干残しますので、一気に低温乾燥?がベストのように 思います。レンチョウに関しては皮を剥ぐ黒は塩分控えめ一方、赤舌べラメは強めの塩でなければ 食べた時の塩分が足りません。 カレイは種類が多いですが干物にして一番美味いのは皮を剥いだ「メガレイ」と思います。 漬け時間は塩分濃度によりますが20分以内でしょう。