司会:谷崎洋介 記録:磯部典隆 まず、谷崎氏の説明(かるーくと、思ったけどマジに) 開始 林田:好き嫌いの対称は、「を」ではなく「が」で表すとあるけど、「夫は海外旅行が嫌いです」を「夫は海外旅行を嫌います」にすると、「を」が使える? 藤井:「が」、「を」は、語尾の表現とセット? 田原:藤井君と同じ。「夫は海外旅行を嫌う」だったら、「を」を使うほうがいい。 藤田:「夫は海外旅行が嫌いです」は、他人から。「夫は海外旅行を嫌います」は夫の主観的な考え? 前田:主観的、客観的がわかりにくい。もう一度。 藤田:「夫は海外旅行が嫌いです」は、夫自身が海外旅行が嫌い・・・ 近藤:(藤田君が言った事に対して)両方客観的じゃないの?その違いは? 井上:(藤田君の意見について)「海外旅行を嫌います」は、海外旅行をする事を嫌う。「海外旅行が嫌い」は海外旅行自体、例えば人がするものも嫌い、と思う。 土江:「を」について。テキストに『行為を表すことには「を」』と書いてあるので、「嫌っています」は行為だと思うんで、おかしくない。 谷崎:「海外旅行を嫌う」は「嫌う」という行為だと。 谷崎:「公園で散歩する」、「公園を散歩する」の違いについて教えて。 黒田:「公園を散歩する」に「私は」を入れると、散歩するという行為がメイン、「公園で散歩する」は公園がメイン。 濱上:でも、「公園」を「街」にすると、「私は街で散歩する」は不自然。 黒田:「街で散歩する」は違和感がある。「買い物をする」にするといいんじゃない? 竹原:ここでは、移動を表す「を」「で」を、やってるんじゃないの?「買い物はする」は別だと思う。 谷崎:移動に絞ろう! 西川:文章を書いた人がどこを1番言いたかったか、ということが関係するんじゃ?「を」を使った方は「散歩する」という行為がメインで、「で」を使った方では「場所」をメイン。場所を聞いた人には「公園で散歩する」でも不自然ではない。 谷崎:つまり「どこを散歩するのか?」と聞かれて、・・・やめとこう。 権田:「を」は、平面的にずっーと続いていく状態を表す時に使われると思う。「で」は、1つの点。限定されたところ。 近藤:提案!「公園で散歩をする」にしたら、平面的な意味じゃないんですか? 権田:「公園を散歩する」は、「散歩する」という動詞がきてるけど、「公園で散歩をする」は「散歩」という名詞を使ってるから、意味が通りやすくなる・・・ 近藤:言いたかったのは、「公園で散歩をする」にしたら、不自然じゃあなくなる。と思って提案したんですが。 谷崎:答えは出でないけど、ほかに。 川越:「公園で散歩する」は、不自然だということですが、「大学で勉強する」とか、「海で泳ぐ」とかの場合自然な感じがする。「を」を使うか「で」を使うかは、後に続く動詞や動詞の言い回しによって変わると思う。 近藤:たびたび申し訳ございません。先程の動詞は移動の動詞じゃない。ずれてるんじゃないかな。 川越:「泳ぐ」は移動だと思う。 藤井:それには異議あり。僕は泳げないんで、移動を1つなくしたのは、どうかと言いたい。普段泳いで移動をするとかいうのは、よほどのスポーツマンとかで、一般性に欠ける。泳げないんで強く言っておきたい。 谷崎:たしかに「泳ぐ」を移動と考えると、「海で泳ぐ」も自然と入ってくる。 近藤:「海で泳ぐ。」と「海を泳ぐ。」だと、上の文章はおかしくなるけど、「川で泳ぐ。」と「川を泳ぐ。」になると、川には流れがあって「泳ぐ」と言う動詞に、移動の意味を持たせることができるから、変わるんじゃないか? 谷崎:何かある人。「泳ぐ」は移動か?移動じゃないか? 近藤:ね、「泳ぐ」という動詞は曖昧。その議論はせんない。 谷崎:結局、わからない。ほか。 花田:「ちまきやへ宝くじを買いに行った」の文は、「ちまきやに宝くじを買いに行った」でも不自然じゃないと思うんですが。 谷崎:「に」だけが動詞の連用形に付くということ。「に」と「へ」は併存している。この場合「に」は使える。花田さん、いい?ほか。 高橋:現在会話で「へ」よりも「に」のほうが優位というのは、頻度が高いということですか? 谷崎:48ページを見て。よく使うという事。 野中:「から」の使い方で、卒業の意味になりにくいというのが、わからない。「大学から出る」には具体的な動きがないのか? 谷崎:「大学を出る」には、2つの意味がある。「大学から出る」は、卒業の意味にはとれない。「から」のほうがより具体的な動きを表す。 野中:「大学から出る」に卒業の意味が含まれる、というのが「から」の特性に関係あるのか?卒業をここであげる必要があるのか? 谷崎:ここであげたのは、抽象度の違いということ。「を」を使うと曖昧、「から」のほうがより具体的、1つのことに絞って、場所の起点だけを示すことができる。ということで、「卒業」ということを出した。 永易:「から」と「に」の使い分けは?基準は? 濱上:どちらでもかまわない。基準はない。 竹内:「へ」と「に」の例文で、この文章だけ「へ」と「に」じゃないといけないのか? 谷崎:「カナダにの手紙」だとおかしいというのは、わかってもらえると思うけど、「へ」の使い方という点で僕もよくわからないんですが、何か意見。 井上:「の」がなかったら、「あなたに電話」とかだったら、いいと思うけど。送り先をはっきりさせるためと書いてあるんでいいと思う。受け手の場合は「に」を使ってもいいと思うけど。 谷崎:時間も来たので終わります。 (拍手) 先生:のべ31人ぐらいなんで、来週から1人2回以上を目標に。掲示板に書き込んで下さい。