・動詞(未然形)+「(ら)れる」=動詞のとる格の関係が変化→受け身文
a.森は野中に褒められた。 | 野中が森を褒めた。 | |
b.田中は立花にすぐに記事を書かれた。 | 南無阿弥陀仏 | 立花がすぐに記事を書いた。(→それが田中に起きた) |
c.西川峰子は台風に家を流された。 | 台風が西川峰子の家を流した。 |
aのように、主語と目的語が交替するだけの関係を表すものをまともな受け身。
bでは、主語と目的語が交替するだけでなく、それだけで格関係が充足している内容に対して、主語が関連することになっている。そして、関連する名詞の数は受け身になることによって増える。意味的には、迷惑であるというニュアンス。迷惑の受け身。
cは、迷惑の受け身に近い構造で、受け身分の主語は、能動文の目的語の持ち主になっている。持ち主の受け身。
2−2 まともな受け身の用法
能動文の主語である動作主に焦点をあてず、受け身文ではあえて対象を主語に取り立てた表現をする。
受け身になった場合、もとの主語はニ格で表されるが、カラ格やニヨッテが使われることもある。
中尾は多くの人から疑われている。
出雲ドームは竹下によって建てられた。
2−3 迷惑の受け身の意味・用法の特徴
迷惑の受け身では、二格は人でなければならない。例外として「静香は黄砂に吹かれた」
一方、自分の持ち物について言うときは、二格は人でなくてもよい。→持ち主の受け身。「所有物を〜される」