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長登銅山跡では、これまでの発掘調査によって、今から1300年前の奈良時代から銅鉱石の採掘だけでなく製錬まで行っていたことがわかっています。 ただし製錬の詳細な内容まではわかっていません。そこで長登銅山文化交流館では、古代の銅製錬の実態を解明する一助にすべく毎年1回、古代銅製錬実験を行っています。平成13年から始めて今年で13回目の実験となりました。このような実験を継続的に行っているのは日本はもちろん世界でもここだけだと思います。今回の実験の様子を「炉作り」、「材料の準備」、「実験本番」に分けて写真で紹介しましたのでご覧下さい。 |
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製錬実験用の炉作り 古代の炉作りの詳細はわかっていませんが、実験では、発掘調査で見つかった炉跡などから推測して円筒形の縦型炉を作りました。炉床の上に型枠を置き、その中に赤土と真砂土を混ぜたものを突き固めて成形しました。内径32p、高さ96pです。 |
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製錬材料の準備 材料:1回の投入原料 ・ チリ産銅鉱石・・・・・・ 1.5 s ・ 酸化鉄(リモナイト)・・ 1.25s ・ 古いからみ・・・・・・・・ 0.5 s 合計 3.25s 木炭:1回の投入木炭 ・ 樫炭・・・・・・・・・・・・・ 1.5 s ・ 雑炭・・・・・・・・・・・・・ 2.0 s 合計 3.5 s 鉱石は2〜3p大に砕き、炭も10p大に切って細かくします。以上の材料・木炭を20回分準備し、10分間隔で炉の中に投入する予定でしたが、結果としては16回の投入で終了しました。したがって、鉱石の投入総量は24sです。 |
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製錬実験本番 前日の夕方から炉に炭火を入れて、予備加熱をしました。本番当日(10月27日)は朝から火入れ、送風を開始し、昼過ぎには終了しました。 8:30〜 火入れ、送風開始 9:15〜 鉱石1回目投入。 9:30 炉内温度1100度となる 10:20〜 からみ口を開き、からみ流出させる 12:10 鉱石16回目(最終回)投入 12:20〜 湯口を開く、銅が流出する 14:30 炉を倒して製錬終了 翌日の午前中に炉を壊して炉床に「床尻銅」ができているのを確認して実験を終了しました。 |
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