◆祇園祭に寄せて

 京都の祇園祭、博多は祇園山笠、小倉祇園太鼓など、スサノオの命を祀る祇園信仰は京都八坂神社をはじめとして全国祇園ネットワークと呼ばれるほど日本列島の夏を盛りあげている。
 京都祇園は中世室町時代の幕政混乱期にも庶民町衆の力で、京のくらしを支えるために持続された。
 1508(永正5)年、周防山口に滞留していた将軍足利義稙は守護大名大内義興と共に京都祇園祭の最中に入京している。
 日本各地に存在する八坂神社は武将の勧請によるものが多く、岩手は坂上田村麻呂、宮城は藤原秀郷、茨木は源頼義で、山口は京風の街づくりをした大内弘世であった。
 笛と太鼓ではじまる山口祇園は、古くから市民に「お祇園さん」と親しまれ神社の町筋を祇園と呼ぶことから、菜香亭も門標を「祇園菜香亭」としている。


(平成20年7月28日発行第11号掲載)