日々の風 W
野分けの後に
やっと辿り着いた
木々にもたれてのひととき
又と 言い残した
風の後姿を
手にそっと触れたばかりです
何もかもが透明になって
何か暖かいものに
包まれている
そんな気がしたのです
冬空に
薄く開かれた扉から
一日の終わりを告げる束の間の宴と
静かに対話する
その向うに
明日への物語が始まるのです
弱々しい陽だけれど
背伸びしてみようね
いっぱいの暖かさが
そっと包んでくれるでしょう
冷たい風が通り過ぎる瞬間
明るい陽射しが
遮ってくれる
まだ薄い春
春泥に目覚ます
あぁ〜やっと出られて