宇部市議会(16年9月)定例会議事録
一般質問および市長答弁
(市 政 会) 井 仁 議 員
○議長(杉山孝治君)
次に、日程第2、一般質問を行います。
通告順により、質問を許します。
まず、順位第1番、高井仁君の登壇、発言を許します。高井仁君。
〔6番 高井 仁 君 登壇〕
◎
6番(高井仁君)
おはようございます。市政会の高井でございます。
楠町との合併、新しい宇部市のスタート、あと1カ月と13日になりました。前回の昭和29年から50年ぶりでございます。この半世紀ぶりの大事業、これをこれまでまとめてこられました藤田市長を初めとする執行部の皆様、そして協議会等で尽力、努力されました関係議員の方々の御努力に対しまして、深甚なる敬意を表する次第であります。既に準備万端整ったことと思いますが、いにしえから百里の道を行かんとすれば、九十九里をもって半ばとす、という言葉がございます。最後まで新体制が順調にスタートしますように、よろしくお願いしたい次第でございます。よろしくお願いします。
本日、私は2つの質問を用意しております。この2つは、いずれも現在の市民が何を求め、何を不満としているかということを原点とした質問でございます。よろしくお願いいたします。
では、質問に入ります。
まず第1に、「行財政改革への取り組み」についてであります。
現在、国を初めとして各地方自治体にとりまして、行財政改革へ真剣に取り組むことが極めて大切であるということは論をまたないと思っています。当市におきましては、職員一同がこの必要性をよく理解され、努力されているのでございますが、改善の目標のレベルが日常の行政の範囲に限られている、言い過ぎかもしれませんけどそういうふうに思います。実質的な進捗はと申しますと、細かいことは別として、そんなに改革は進んでいるとは思えないのであります。
昭和61年度の宇部市行政改革大綱、平成3年度の宇部市行財政改革推進計画、そして平成6年度からの事務事業見直し計画を初めとして、平成10年度からの第一次行財政構造改革推進計画、そして現在の第二次行財政構造推進計画及び同じく計画期間の延長分、このいずれを見ましても、多くの点で本来の構造改革とはほど遠い、単に行政努力計画にすぎないように思うのであります。釈迦に説法とは思いますが、行政は常に民意が那辺にあるかを探りながら、整斉粛々と実行し、その結果をフィードバックして次に反映するとともに、それの効率化を図る努力をしなければならないのでありますが、さきに申し上げた諸計画は、職員が常に効率化を図らねばならない範疇の域を出るものではないと思っております。
真の行財政改革は、単に市役所の部や課の中でできる程度のものではなく、市長の強力なリーダーシップのもと、宇部市のビジョンに向かって民意を反映させながら大胆に実施すべきものであり、行政全体にまたがる大きな機構改革や大幅な人員増減──あえて人員増も含めますけれども、大幅な人員の増減を伴うものがメーンになるべきでありましょう。また、民意を反映させるという意味では、現在ならば不況下における官民の所得格差を含む市民感情をも十分考慮すべき大切なことだと思っております。
そこでまず第1、行財政改革に対する認識の程度について質問します。
この認識の程度は、私どもの認識と同じく、実際にはもっとシビアなものだということならば、行財政改革を今後どうするのか、そして発表できるものがあれば、その具体策について示していただきたいと思います。
次に、改革によって政策的財源や市債償還用の財源に充てるには、ことしの3月議会において人件費も聖域ではないと申されました。人件費の点で最も効果があるのが、人員の削減、特に民業と競合する部門においては、極力民間に移管、委託ではありません、移管でございます。移管すべきであると思いますが、これに対してお考え、組織の民間への移管を含む大幅な人員削減は考えておられるか、その計画はどうであるかということを発表できる範囲でお願いしたいと思います。
最後に、第4点としまして、行財政改革は、みずからの骨身を削る作業であるため、職員だけに任せるのではなく、民間や我々議員を含むプロジェクトチームをつくって、これに当たるお考えはないか。
以上、4点についてお答えをいただきたいと思います。
◎市長(藤田忠夫君)
高井議員の御質問にお答えをいたします。
御質問の第1、行財政改革への取り組みについて。第1点の行財政改革に対する認識の程度ということでありますが、本市におきましては、平成13年に策定しました第二次行財政構造改革推進計画に基づき、行財政のより一層の簡素効率化及び経費の節減に努めているところであります。合併を控えた現在は、この計画の計画期間を2年間延長した上で、引き続き精力的に行財政構造改革に取り組んでいるところであります。行財政構造改革は、いつの時代においても取り組むべき重要な課題であると認識しておりますので、今後とも引き続き不退転の決意を持って、行財政の簡素効率化と一層の経費の節減合理化に努めてまいりたいと考えております。
次に、第2点の今後の方針及び具体策、第3点の民業との競合部門を民間へ移管する等、大幅な人員削減計画は、というお尋ねでありますが、関連がありますので一括して答弁させていただきます。
本年11月の楠町との合併後、新しい行政経営を目指し、新市においても引き続き行財政改革に取り組んでいく必要があると考えております。新市建設計画の中の財政計画においては、10年間で150人の職員削減を見込んだ人件費の予測を盛り込んでおり、また期間延長した第二次推進計画の中では、各行政部門における一部民間委託の導入や嘱託化の拡大に加え、博愛園や博愛幼稚園のあり方についても検討するなど、多様な民間活力の導入を視野に入れて、より簡素で効率的な行政経営を目指す必要があると考えております。
次に、第4点の民間を入れた改革のための委員会の設置の計画はというお尋ねでありますが、第二次行財政構造改革推進計画の推進に当たりましては、すべての職員が、行財政改革をみずからの問題として認識し、みずからの責任においてみずから律することを基本として、全職員が一丸となって取り組んできたところであります。
しかしながら、今後三位一体改革の推進等により、地方公共団体の財政環境はますますその厳しさを増してくることが予想されることから、合併等による体質の強化を図ることにより、都市の地力を向上させることが必要であると考えております。
そこで、宇部フロンティア大学と教育連携を図っている早稲田大学大学院公共経営研究科とタイアップし、これからの自治体経営のあり方や行財政改革の新たな手法について、調査研究を行うための具体的な協議を進めているところであります。
次に、御質問の第2、工事の最低制限価格制度の見直しについて。本制度の早急なる改正の必要性についての認識はということでありますが、現在、契約の適正な履行の確保の観点から活用している、予定価格が2,000万円未満の工事における最低制限価格制度につきましては、その価格を予定価格の60%に設定し、事前公表の上、1年間試行を延長しているところであります。その価格は、土木工事における直接工事費や、2,000万円以上の工事における低入札価格調査制度の失格基準を考慮しております。現行の制度につきましては、現在発注件数が非常に少なく、落札後の契約の履行状況、経営状況等の検証が困難な状況にあります。
本市としましては、過当競争による安価な受注を期待して最低制限価格を引き下げたものではなく、契約の適正な履行を通して、業者の健全な育成をも考えており、今後推移を注視し、その検証結果を踏まえた上で、指名審査委員会で検討してみたいと考えております。
以上で、壇上の答弁を終わります。
◎ 6番(高井仁君) ・・・(再質問)
ありがとうございました。行財政改革に対する認識の程度ということ、先ほど私の申し上げたことと若干差があるようでございますけれども、しかしながら私の言い方によります行政努力によって、平成13年から15年までの3年間で、私の計算によりますと5億2,800万円もの節約ができたと。これについては本当に大変評価できることだと、これは今後とも続けていただきたいし、いかねばならないことだというふうに思っておりますが。先ほど申し上げましたように、本来のもうちょっと大きな機構改革とか、人員削減、状況によってはふやさざるとこもあるかもしれません。人員の増減、これについても、今後手をつけて取り組んでいただきたいというふうに思います。
次に移りますが、先ほどの答弁によりますと、今後10年間で一部民間委託、それから職員の嘱託化の拡大、合併効果を含めて150人の削減ということでありました。この150人が少ないか多いかの問題でございますけども、私の考えでは、楠町そのものが100人おられれば、もうちょっと多くてもいいんじゃないかという気がしますが、これも一つの合併の過渡期だろうと思いますし、今後できる限り目的の行財政改革の趣旨に沿って、努力をお願いしたいというふうに思うのであります。
次に、答弁の中にありました博愛園及び博愛幼稚園のあり方について検討するというふうにありました。こういう具体的名前が出たのは私は非常に喜んでおるわけでございますけども、これがどの程度どうなっているのか、どういう方向で今やっておられるのか、検討の段階と思いますが、言える範囲でこの2つ、担当部長にお願いしましょう。健康福祉部長と教育部長にひとつ状況をお願いしたいと思います。
◎ 福祉部長〔福祉事務所長〕(内平俊雄君)
お答えいたします。
第二次推進計画の検討項目の中に、老人福祉施設管理業務を新たに入れております。具体的には、養護老人ホーム博愛園の公設公営の施設運営のあり方について調査し、検討することにしております。この検討におきましては、より簡素で効率的な行政経営を目指したものにしていきたいと考えております。
◎
教育部長(原谷恒雄君)
お答えいたします。
博愛幼稚園についてでございますが、現在、学識経験者や幼稚園関係、教育関係の委員によります「宇部市立博愛幼稚園あり方検討協議会」を設置をいたしまして、宇部市全体の幼児教育推進の観点から、博愛幼稚園の今後のあり方を協議をしていただいておるところでございます。今後、この協議会での結果を参考にいたしまして、引き続き、教育委員会で今後のあり方を協議したいというふうに考えております。
以上でございます。
◎ 6番(高井仁君)
ありがとうございました。
次に、今市立保育園が市内に6つありますが、先ほど幼稚園の話が出ましたけども、私どもとしては同じレベルで同じような考えはできないのかということです。最初名前が出ておりませんでしたけども、これについて検討の対象にしない理由、まだそこまでいっていないのかもしれませけど、またはどうしてもこれは続けないといけないという理由があるのかもしれませんが、そのあたりについて説明をお願いいたします。
◎
健康福祉部長〔福祉事務所長〕(内平俊雄君)
お答えいたします。
行財政構造改革につきましては、いつの時代におきましても取り組むべき重要な課題でありまして、福祉施設の管理業務につきましても、絶えず より効率的な運営を目指す必要があると思っていますが、市立保育所のあり方の見直しに関しまして、今年度と来年度に具体的に検討することにつきましては考えておりませんので、第二次推進計画の中に入れていないものでございます。 次に、御承知のように保育所における保育の実施につきましては、市の責任で行っております。市といたしましては、これまで私立保育所で対応できなかった乳児保育を実施するため、乳児保育園と第2乳児保育園を設置した経緯もあります。また、障害児の保育を希望する保護者が年々増加し、注意欠陥多動性障害や高機能自閉症などへのさまざまな対応が求められているため、経験豊富な保育技術が生かせる公立保育所の役割が重要になっております。
一方、保育所には入所した児童の保育だけでなく、地域で子育てをする保護者からの電話や面接による相談に応じまして、その育児不安の解消を図るとともに、地域の子育て情報の発信拠点としての役割が求められておりまして、経験の蓄積がある公立保育所の役割が大切になっております。このようなことが主として保育所を経営している理由でございます。
公立保育所は、このようなさまざまなニーズに対応しながら、保育所における保育の実施責任を果たしているところでありますが、引き続きより効率的な運営を目指してまいりたいと考えております。
◎ 6番(高井仁君)
ありがとうございました。
話変わりますけれども、行財政改革の一つの表現の仕方で、「小さな政府、小さな市役所」という言葉があります。これについてひとつ当市ではどう考えておられるのか、ひとつよろしくお願いします
◎ 総務部長(宗内敏和君)
先ほど市長が壇上で御答弁申し上げましたように、行財政構造改革、いつの時代にも取り組むべき重要な課題であると認識をいたしております。したがいまして、期間延長いたしました第二次推進計画の中で、多様な民間活力の導入を視野に入れた取り組みについて検討を進めているところであり、また、これからの自治体経営のあり方や行財政改革の新たな指標についても、調査研究を行うための具体的な協議を進めているという状況でございます。
以上でございます。
◎ 6番(高井仁君)
小さな市役所に関する私どもの考えですが、次の3つの条件によるもの以外はやっぱり市として手を出すべきじゃない、また手放すべきだというふうに思っています。
一つは、民間ではできないこと。民間に頼ると高くつくこと。もう一つは民間に任すと市民サービスの点でいろいろ問題があると思われること。これらにつきましては当然市で行政上責任を持って当市の各企業局と同じようにやらなければいけませんが、それ以外のことは小さな市役所という考えならば、もう極力民間に委任じゃなくて移管をして、民間の経営努力でよりいい市民サービス上手にやってもらうというふうなことを考えていただいて、少なくとも第三次行革等には、この趣旨でもっと大きな問題を取り入れていただきたいというふうに思います。
次に移りますが、先ほど4番目ということで、行財政改革が重要であるだけに行政改革は市民を巻き込んだ、また市民の意見を聞いて、これに当たらねばならないものと考えておりますし、壇上でもそれを申し上げたわけでございますが、先ほど答弁で公共経営及び自治体等の行政の手法等について研究している早稲田大学とタイアップしてやられるというふうに先ほど聞きました。なぜ大学なのか、しかも早稲田大学とタイアップされるのか、この辺のところ、プラスいろんなお考えありましたら、できましたら市長じきじきのお考えを聞きたいというふうに思っておりますが、いかがでしょうか。
◎市長(藤田忠夫君)
御存じのとおり、大変厳しい財政状況になっておるわけでありまして、特にことし三位一体の改革がスタートしまして、ことしはいきなり交付税大幅に削減されたと。そんな状況の中でどうやってこれから市の行政をやっていくかというのが、非常に大きな問題であるわけであります。地域の活性化を一方で図りながら、もう一方でやはり財政改革を本気になってやっていかなきゃいかぬと、そういう状況であろうと思います。
一方、国の方でも今審議会とか地方制度調査会とかいろいろやっていますが、その中で地方分権改革を進める上で地方行政も、今議員さんおっしゃいました市民と協働という話ちょっとございましたが、NPOとかそれからボランティア、それから自治会等、それからもちろん市民もですが、そういうところとの役割分担あるいは連携によって、新しい行政のあり方を進めていくべきじゃないかと。これはNPMと言われてますけど、新行政経営ということのようであります。ただ、これ名前があるだけで中身の方はいろんな案がたくさんあって、今までも行財政改革の行政評価とかあるいは事務事業改善とか、いろいろ三重県方式、静岡県方式とかいろんなのがたくさんございます。そういうのも全部ひっくるめて、さらにその上で民間の力とも連携してやっていくと、こういう構想なんですが、具体的にじゃあこうしたらいいというのはまだ全然固まってない、いろんな案が出ておるということであります。
そういう中で、宇部市に、この当地域におきましては、昨年の暮れごろから早稲田大学の大学院の公共経営研究科と、それから宇部フロンティア大学が教育連携をされたわけでありまして、それで私も以来何度か早稲田大学の話も聞く機会もあったわけでありますが、その中で公共経営研究科というのは、全国に先駆けて早稲田大学で設置されたということでありまして、公共経営的視点を持って社会で活躍する高度専門職業人を養成する専門職大学院だと、こういうことになっております。そういうことでありますので、既に首都圏では幾つかの市と大学院が提携されまして、地方の自治体経営のあり方とかあるいは地域活性化の取り組みを既に始めておられます。したがって、教授陣にも自治体経営の経験者、あるいは企業経営の専門家等も教授陣に備えておられるということで、今の段階ではほかでは期待できない豊富な人材と研究資産があるんじゃなかろうかというふうに思ったわけであります。
そういうことで、本市にとって早稲田と提携することが、実のある行政改革に期待できるんじゃなかろうかという、そんな観点から協議を進めようということで今進めておるわけであります。もちろんフロンティア大学と公共経営研究科、提携しておるわけでありますので、いずれ宇部市のいろんなデータをもとにいろんな調査研究が進むと思いますが、それができますとフロンティア大学にもいろんなこういう面のノウハウの蓄積がされるんじゃなかろうかということで、本当にこれから協議を進めていきますが、うまく協定ができて、調査研究が進むというところにいけば、大変将来にとっていいんじゃないかというようなことで取り組もうとしているわけであります。
以上であります。
◎ 6番(高井仁君)
大変いい発想だと思っております。
では、早稲田大学と具体的にどの程度どういうことでどういう方向で話をしておられるか、現在の段階等を含めまして担当部長の方からお願いしたいと思いますが。
◎ 総務部長(宗内敏和君)
具体的にどのような協議をしているかというお話だったかと思いますが、本市といたしまして具体的な協議内容につきましては、まず1点として、改革を担う職員の意識改革と人材育成システムの構築。それから2点目といたしまして、行政評価を活用した自治体改革のシステム化。3点目として、住民との協働による地域経営システムの構築や少子高齢化社会における地域コミュニティーの再生などを考えているところでございまして、今後これらを連携して調査研究していく上で、問題点であるとか課題等を煮詰めながら、実効性のある調査研究ができるように、さらに検討を進めていきたいというふうに考えております。
以上でございます。
◎
6番(高井仁君)
わかりました。ありがとうございました。
今からだというふうに了解しました。
何回も言うようですけども、行政だけでこういうことをやるんじゃなくて、いろんな意見、例の市長さんがいつも言っておる産学官の連携とか、そういう感じでいろんな方の御意見、また研究を利用してやるのは非常にいいことだと思いますし、我々一同みんな期待しておりますので、これをどんどん進めていただきたいというふうに思います。
以上で、第1項は終わります。第2項に移ります。
「2,000万円以下の工事の最低制限価格制度の見直し」についてでありますが、この件につきましては、6月議会で同僚議員が質問したのであります。関係するのは、零細企業主やその従業員でありますが、これらも数が少ないとは言いながら市民であります。この市民、当事者にとりましては、極めて深刻な問題であるだけに、今回も取り上げました。試行期間の最中といえども可及的速やかな措置をお願いするものであります。
この制度は、著しい低価格入札によって手抜き工事による品質低下、そして工事の安全対策の不徹底、労働条件の悪化、下請への不当なしわ寄せ等の予防ということで、昨年平成15年3月、最低制限価格制度が設けられました。そして、予定価格が2,000万円以下の工事につきましては、予定価格の70%を最低価格とされたのであります。
しかしながら、この最低価格70%付近に入札価格が集中したため、競争原理という名のもとに、本年3月、1年間の試行期間という条件をつけて、最低価格を予定価格の60%に下げられたものであります。しかしながら、最低価格付近に入札が集中する背景には、不況下で仕事を得るために、不利益を承知でなりふり構わず入札せざるを得ない業界の状況があります。先ほども申し上げましたが、行政は常に市民の気持ちが那辺にあるのか、何に不満があるのか、どうしてほしいのか等を知り、これに早急に対応せねばなりません。試行期間の最中でありますが、この際、零細企業泣かせとも言える現在の制度を見直し、可及的速やかに最低価格の変更を含む制度の改定をお願いするものであります。勇気ある決断をお願いいたします。
以上で、壇上での質問を終わります。
◎
6番(高井仁君) ・・・(再質問)
第2項は、工事の最低制限価格の見直し等についてでございますけれども、この件につきましては本来ならば委員会でやるべき程度のものであると思ってます。しかしながら、昨年の9月にもこの話出ております。本会議で出ております。先ほど申し上げましたが、ことしの6月も出ております。この問題、市政会一同みんながかねてから話し合って、いろいろ数は少ないけど大切な市民の深刻な問題だということで取り上げておりますので、三度当会派として取り上げたわけでございますので、そのつもりでよろしくお願いしたいと思います。
現在、問題になっておりますのは、先ほど申し上げましたように2,000万円以下の比較的規模の小さい企業、いわゆる小企業、零細企業が受注する場合に、最低価格に入札価格が集中するといった異常事態が続いていることにあります。本来ならば、入札におきまして適正な競争原理に基づくものでありましょうが、これも先ほど申し上げましたように、バックとしては長期化した景気の沈滞状況にあるんだということでございます。
この件につきましては、最低価格を極めて低く見積もっていることに問題がありますけれども、ここでちょっと確認をしておきたいと思います。予定価格は適正価格ではないんだという考えをこの前ちらっと聞いたんですが、専門であります財務部長どうですか、予定価格と適正価格との関連をちょっと御説明を。
◎ 財務部長(横屋幸児君)
予定価格ということは、我々が入札契約に、実務に担当しております手引と申しますか、そういう本がございます。いわゆる官公庁の契約精義というような本でございますが、そういう中によれば、発注者が落札を決定するに当たって、入札価格の妥当性の判断基準となるものであるというようになっております。本市では、この標準的な歩掛かり及び単価、これに基づきまして見積もった設計価格をもととしております。したがいまして、積算は適正に見積もった上で行っておりますが、あくまでも標準的な工事費と認識しております。したがいまして、標準的な工事費による予定価格が、イコール個々具体的な工事の適正価格とは必ずしも言えないというように認識しております。
以上でございます。
◎ 6番(高井仁君)
私は、部長から予定価格イコール適正価格だという返事が出るものと思っておりましたので、それはそれと別にしておられましたけども、昭和54年に当時の大蔵省主計局から出された書類によりますと、予定価格の適正の確保ということで、予定価格の決定に当たっては、十分な調査を行うとともに、的確な原価計算を行うこと等により、適正な価格とするよう一層努力することという書類出ております。だから、イコールでいいと私は思っておりますが、思っていろいろと今から話を進めたいと。何か御意見ありますか。
◎ 財務部長(横屋幸児君)
確かにそのとおりでございますが、私ども先ほど申しましたのは、標準的な工事費といった意味合いでございますと、例えば今の工事の設計を組む場合に、現行の制度、道路構造令とかいろいろあるわけでございます。それに基づいて設計した中で、今県が定めております歩掛かりの単価、これを掛けて積み上げましてできたものが設計書でございます。ただ、その設計書の中には、例えば残土処理とかそういうあたりの運搬費を5キロで見ておるとか、そういうような形の設計となっております関係上、一概に適正価格と言えないのではないかと、そういうように申したわけでございます。御理解願います。
◎ 6番(高井仁君)
わかりました。
ここでもう一つ簡単にお願いしたいんですが、平成15年3月、工事への最低価格制限価格の設定についてというところで書類が出ておりますが、これの目的って出てますね、あれを簡単にちょっと説明してください。
◎ 財務部長(横屋幸児君)
15年3月に出しました最低制限価格制度の目的ということでございますが、この価格の設定の目的は、品質の確保、安全対策の確保等によりまして、契約の適切な履行の確保を図るということでございます。
以上であります。
○議長(杉山孝治君)
高井仁君、残り時間4分です。
◎ 6番(高井仁君)
はい。これについては、まだ適正な労働条件ということも入っておったと思うんですが、そういう目的で70%の最低が設定されたんです。それを頭に入れちょってください。
以後、時間がありませんので、私、自分がやります。私の調べたことでございますけど、今宇部市で適正価格、先ほどの予定価格、見積もりのもとになりますのは、約1,800万円の土木工事でいきますと、直接工事費が59%、これどうしても要るものです。その次に、共通仮設費、これもさっき言いました運んだり何とかということ、これが11%、現場管理費が18%、一般管理費が12%、これを積み上げて100%で設定されます。これが今最低価格70%、70%というのは、70%にせえじゃないんですけれども、現実として70%でやっておられた。70%に集中するから60%にされた。そうしますと、この60%と100%の差の40%は何ぞやということなんです、現実として。それは安くとれたからそれでええんだよ、とりたいやつがそうやったんだからと言えばそれまでですけれども、この差が大きいんです。
現実に、これで切っていくと、直接工事費は当然要ります、60%要ります。仮設費も要ります。現場管理費というのは、現場従業員の給料も入っています。そして、彼らの現場の人の福利厚生入っています。今、御存知ですか、零細企業は法定福利を払いたくないために、正規の社員をどんどんどんどんアルバイト化して、会社の持ち出し分を減らしてるのが現状です。これはさっき言った目的と全く逆行しておるんです。これ値段が低いからなんです。値段が低いということは、それは一般市民は喜ぶかもしれませんけども、ほかに回せますから。しかし、一部でありますけど、何回も言っておりますけど零細企業で泣いている人がおるということを頭に置いてください。一般管理費が12%、これは役員報酬とか何とか入っています、社長は報酬なしでやっておられるんでしょうけども、しわ寄せはどこに来ておるかということなんです。一番最初に私が申し上げました。きょうのテーマは両方とも、今市民が何を求めているか、何に不満なのか、そういう発想で申し上げますと言いました。この辺のところをよくよく考えて行政をやっていただかないと、おかしくなると思います。
現在の先ほど言いましたが、60%は試行1年ということで出したから、このままやるんだという、そういう形式的なことを言わずに、私、うちの会派がさっきから何回も言うようですけど、これだけ去年から問題があるということを取り上げて言っておるんです。はっきりと私は60%にしたのは間違いだと思っています。それを70%にせえとか何とかじゃなくて、もっといい方法があるはずです。それを早急に検討していただきたいと。全部検証結果が出るまでといったら、半年、1年かかるんです。去年の実績で見ますと、今からB、C、Dクラスの100件くらい去年は今から出ています。これらを適正に処理するために、もうひとつここらで早急に指名審査委員会を開いていただいて、今後のあり方を検討していただきたいというふうに思っています。指名審査委員会の長であります助役さん、どうですか。
◎ 助役(縄田欽一君)
先ほど壇上で市長がお答えしたように、決して安易な審査をしておるというふうには私は考えておりません。ただ、この7割を6割にしたという経緯は、余りにもくじ引きで決めるというようなことが多くなったということから、現実的には苦しくてもそういうことをするということはある程度はあるとは思いますけども、そういうことを考えて試行ということで1年間を60%にしてやってみたいということで、慎重な審議をした結果、考えたものでございます。したがいまして、今まだ実際の件数が余り出ておりませんので、これをもとに来年の4月を目途にして十分に研究、審議をしてみたいというふうに考えております。
◎
6番(高井仁君)
私どもの気持ちがどの程度わかっていただいたか、市民の気持ちがどの程度わかっていただいたか、今からだと思いますけれども、ひとつもう一度御検討していただければ幸せでございます。
終わります。
○議長(杉山孝治君)
以上で、高井仁君の質問は終わりました。
《以上》
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