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宇部市議会(17年12月)定例会議事録
代 表 質 問 (市 政 会)
井 仁 議 員
〔30番 高井 仁 君 登壇〕
◆30番(高井仁君) 市政会の高井仁であります。東岐波地区のインフラ、特に生活基盤の整備につきまして、市長の現状認識と今後の方針につきまして質問並びに要望をいたします。
昨年、楠町と合併をして順調に新しい宇部市が船出をしたわけでありますが、今回旧楠町の皆様が新市に期待されたことと全く同じ気持が51年前に合併した東岐波、二俣瀬、厚東、小野の各地区の住民にもあったわけであります。しかしながらこの半世紀の間、どの程度それぞれの地区の生活基盤が整備されたかということについて考えますと、必ずしも十分ではないということがいえると思います。私の地元であります東岐波について申し上げますと、例えば人口について申し上げますと、宇部市全体では大きな変化はありませんが、約2倍の1万3,800人になっております。世帯数は約3倍になっております。
一方、合併時住民の求めたインフラにつきましては、同和対策事業を除いてほとんど変化がないといっても過言ではないと思います。特に、道路と下水道の整備について相当の遅れがあると思っています。道路につきましては、広域連携道路としての山口宇部有料道路や山陽自動車道の宇部下関線、そして都市幹線道路としての国道190号線等の通過、または他の地区へ行くための道路は充実されておりますが、そこへ出るまでの道路、生活道路はもちろんのこと、生活を直接左右する地区内での連絡の市道であります地域内幹線道路及び同補助道路の整備がおくれていると思っております。
また、下水道につきましては、東岐波と浜田川以東の西岐波は、宇部阿知須公共下水道組合によって整備を行っており、平成9年から事業が着手され、まだ歴史が浅いこともありますが、整備の目安であります普及率となりますと周辺地区に比べて著しく低い感じがしております。この事業は、宇部阿知須公共下水道組合に対して宇部市は負担金を拠出するという方式で進めております。同組合の宇部市側の整備の進捗はこの負担金の多少が大きく左右しているというわけであります。そこで、東岐波のインフラのうち、特に生活基盤の整備ということで次の2点を取り上げて質問並びに要望いたします。
第1点として、市道、特に丸尾大津出線及び花園岐波浦線の拡幅計画等の必要性について、どのように認識しておられ、今後どうされるつもりか。
第2点として、下水道の普及率の現状に対する認識と、これまた今後どうされようとしているのか、この2点についてお尋ねいたします。
財政状況が大変厳しい中、市道及び下水道の整備には多額の予算を必要とします。しかしながら、いずれもまちづくりの生活基盤整備の中では重要な事業と考えておりますので、前向きなお答えを期待しております。
以上で、壇上では終わります。
○議長(岩村実君) 藤田市長。
〔市長 藤田 忠夫 君 登壇〕
◎市長(藤田忠夫君) 高井議員の御質問にお答えをいたします。
御質問の第1、東岐波地区のインフラ整備について。第1点の市道、特に丸尾大津出線及び花園岐波浦線の拡幅計画の必要性のお尋ねでありますが、市道丸尾大津出線は、国道190号から丸尾漁港に至る交差点までにつきましては2車線道路として整備しておりますが、通勤通学の時間帯には交通量が多く、自転車、歩行者の安全確保の観点から交差点改良を含め、歩道設置が必要と考えております。交通安全対策につきましては、緊急性、事業効果等優先順位を定め、年次的に整備を進めているところであり、現在整備中の路線の進捗状況を見ながら当該路線の整備について検討してまいりたいと考えております。
また、市道花園岐波浦線については国道190号から植松川までの区間は整備されておりますが、植松川から南側の区間並びに市道丸尾岐波浦日の山線の岐波浦地区は民家が密集しており、拡幅計画は現状では困難と考えられることから、市道中須賀線を経由し市道丸尾岐波浦日の山線に至るルートを国道と岐波浦地区とのアクセス道路として整備しております。なお、JR宇部線の岐波東踏切につきましては緊急性、事業効果等総合的に判断し、JRと協議してまいりたいと考えております。
次に第2点の下水道普及率の向上促進でありますが、東岐波地区の下水道整備事業につきましては、平成3年に当時の阿知須町と一部事務組合を結成し、管渠の布設、浄化センターの建設が進められ、平成9年より供用が開始されているところであります。平成16年度末現在の整備状況は、宇部市全体の人口普及率が65.5%に対し、宇部阿知須公共下水道組合の普及率は浜田川以東の宇部市域で18.1%であります。国の補助金が削減される中、市においても厳しい財政状況ではありますが、宇部市域の整備促進が図られるよう今後も一部事務組合や関係機関と協議してまいりたいと考えております。
以上で、壇上の答弁を終わります。
◆30番(高井仁君) ありがとうございました。再質問を行います。
再質問と申しても若干の質問と、今回は要望に力を入れておりますので、よろしくお願いします。
まず、道路の件ですけれども、御承知のとおり都市幹線道路であります190号線を人間の背骨に例えますと、先ほど申した2つの市道はあばら骨に相当しまして、通勤通学等外へ出るための190号線及びJR宇部線の各駅に連携しております。また、地域内での交流等生活に直接関係する生活基盤でもあるわけです。丸尾大津出線は山陽自動車道と190号線とのアクセス道路として、先ほど市道古殿王子線が開通しましたけれども、このために交差点付近が特に朝晩大変混雑しております。早急に右折車線等の設置とこれの対処が必要であろうというふうに思っています。
また、現在の自動車時代以前、先ほど2車線道路と言われましたけども、昭和50年ごろですけども、これも2車線になったわけです。したがって、道路幅が狭くて、そこを宇部市営バスが走っております。数は少のうございますが、バスが走っております。そうすると、バスはどうしてもセンターラインをまたいで走らざるを得ないようなその狭さです。この状況で、何年か、数年前にも事故がおきまして、結果的にはバスに原因があるという事例もありました。これも2年ぐらい前にこのバス路線の廃止も出ましたけれども、乗客が少ないというだけでなくて何かそのあたりもバックにあるように私は聞いております。また、ここは通学道路でもありますので、答弁でもありましたとおり歩道の設置が必要であります。先ほど現在整備中の路線の進捗状況を見ながら、当該路線の整備について検討するというお答えがありましたが、この点を評価したいと思っております。大いに期待しておりますので、よろしくお願いいたします。
次に、花園岐波浦線ですが、先ほども市長最後のところで言われましたけども、JR宇部線岐波駅横の踏切が非常に狭うございます。しかも、そのところで道が曲がっておりまして、見通しがきかない。これも何とか、早急に何とかしていただきたいというのがあのあたりの住民全部の悲願であります。ここに書類があります。分厚い書類があります。これは何かと言いますと、平成8年6月にここにおられる広重議員をはじめとして先輩議員3名、それから5つの自治会長をはじめとして1,075名の陳情書が出ております。平成8年6月です。それの写しであります。あて先はJR西日本株式会社代表取締役云々になっておりますけれども、出ております。それから約10年近くなるわけですが、その後の進展といいますか、はかどり、JR、国鉄は非常に難しいというのは聞いておりますけど、何か将来の見通しでもありましたら教えていただきたいと思います。
◎土木建築部長(岩本哲男君) お答えいたします。
市道花園岐波浦線のJR踏切につきましては、市道の幅員に比べまして狭小となっております。つきまして、先ほど議員さん申されたように、平成8年6月、地元関係者の方から陳情書が出されまして、JR西日本と協議を進めてまいりましたが、踏切の統廃合等の条件が必要ということから踏み切り確保が困難となっておりました。
しかし、これにつきましては先ほど市長が壇上で御答弁申し上げましたように、緊急性、事業効果等を総合的に判断してJRと協議してまいりたいと考えております。
以上でございます。
◆30番(高井仁君) いろいろと条件聞きますと、よその踏切をつぶせば広げてもいいとか、いろいろ言っておられることがちょっと──さっきも申し上げましたけど、東岐波は人口が倍になっておるんですね。どんどん人が通るところがふえる。しかも車時代になる。にもかかわらず、JR側の条件につきまして必ずしも納得できない点が多々あるような気がします。この件につきましては、聞きますと単に宇部市だけでなくてよその市も困っておるところがたくさんあります。よその市とかそれから県も担ぎ出したりして、JRの考え方をよくよく話し合われないと、いつまでも解決するような問題ではないと思うんですよ。先ほども見通しを言ったけど、岩本部長は見通しがあるようなこと言っておられませんでした。10年たってこの調子ですと、後10年たっても20年たってもいつまでもあの状態かなと思うと、何か目の前が暗くなりましてね。状況によっては、藤田市長さんのお得意の国土交通省を担ぎ出してでも、そっちの方から圧力でも出して、単に岐波の踏切だけじゃないですよ。全体のために考え方を変えてもらわぬといけないというふうに思います。やっぱり安全第一でございますけども、住民としては利便性ということを考えますので、この点をよく説得していただきたいというふうに思います。
次に、下水道の件に移ります。先ほど、宇部市全体、東岐波及び西岐波の一部の下水道の普及率につきましては市長からお話がありました。この先、普及率いろいろありますけども、次の申し上げます地域の普及率につきまして、下水道部長教えてください。一つは、今先ほどは宇部市全体というのは、東岐波のも含んだやつがありました。今度は浜田川以西、すなわち宇部市から先ほどの事務組合をのけた対象人口は恐らく16万人ぐらいになると思いますが、楠町も入れた、これの除いたものの普及率です。要するに、東部と西部の処理場でやっておられる量、それの普及率、それから宇部阿知須下水道組合全体の普及率、これは旧阿知須町と東岐波と西岐波の一部ですが、それから旧阿知須町だけのこの3つのちょっとデータを教えてください。
◎下水道部長(下道英雄君) お答えいたします。
平成17年3月末現在の人口普及率は宇部市のうち、宇部市公共下水道の地域が71.0%、宇部阿知須公共下水道組合全体は27.2%、旧阿知須町だけの地域が46.1%となっております。
以上でございます。
◆30番(高井仁君) わかりました。くどいようですけども、浜田川からこっちが71%、同じ宇部市の中でもですね。それに比べて東岐波と西岐波の一部は18%、これを頭によく認識してください。なお、宇部阿知須下水道組合は27%、一方旧阿知須町は46%までいっておると今言われました。この差をよくよく御認識いただいて今後の施策に反映していただきたいと思います。
なお、事業費の方はどうでしょうかね。ちょっとくどいようですが、ここでまたそれぞれの事業費をちょっとお願いします。
◎下水道部長(下道英雄君) お答えいたします。
宇部市と宇部阿知須公共下水道組合の総事業費を比較しますと、平成17年度当初予算ベースで、宇部市が行政人口16万957人に対しまして総事業費が85億6,700万円、組合が2万7,906人に対し13億5,200万円となっております。
以上でございます。
◆30番(高井仁君) ついでに行政人口1人当たりだったらどうなりますかね。
◎下水道部長(下道英雄君) お答えいたします。
人口1人当たりの事業費は、宇部市が5万3,225円、組合が4万8,448円となっております。
以上でございます。
◆30番(高井仁君) 宇部阿知須の組合の方は、後発の事業ですので、もう少し各人当たりの事業費も多いかと思ったんですけど、今の数字を聞きますと1割ぐらい少ないですね。 このあたりもよろしく御認識をお願いしたいと思っております。
先ほど申し上げましたけれども、この事業は宇部阿知須公共下水道組合が行なっておりまして、宇部市は負担金を拠出するということになっております。それによって、同組合の宇部市側の整備が進むということです。宇部市長も同組合の副管理者でございますので、この辺に両足をかけておられますので、今後ともよろしくお願いしたいと思います。
ここに、宇部市都市計画のマスタープランがあります。もう一つここに第三次宇部市総合計画があります。この2つを見ますと、第三次宇部市総合計画ではこの件については一切触れておりませんですね。宇部市の整備体系がどうなっているかよくわかりませんけれど、マスタープランにはまちづくりの方針の全体構想のところに東岐波、西岐波、厚南など下水道の整備を推進し、生活環境の改善と水質の浄化を図ると全体構想にはあります。そして、同じく地域別構想のところの東部地域の欄でもあちこち同じことが書いてあります。このマスタープラン、平成32年の目標でまだ15年もあるんじゃから、そのうちやりゃええや、じゃあ──というのかどうかしりませんけども、そのあたりを御認識の方よろしくお願いしたいと思います。
先ほどの道路の件、下水道の件、多くのお金を要します。宇部市の財政改善に平素から努力しておられる中、小泉政府の三位一体改革等でいろいろ難しいところはあろうと思いますが、私の地元では、都市計画税とはあれどうなっておるんだという話があるんですよ。都市計画税を取るだけとって、小串の辺ばっかりやってというような、実際はそうじゃないよと説得しておるんですけども、そういう意見があります。
それから、合併の効果というのは普通「高いところから低いところに水が流れる」ちゅうけど、何か低いところから高いところにポンプで水をくみ上げておるような気がするという人もおるようであります。先ほども申し上げましたけども、旧楠町を入れた新宇部市がスタートしました。いろいろと新宇部計画をつくっておられるようですけど、この点もお含みの上、半世紀前に合併したこともお忘れなく、整備をよろしくお願いしたい。今日言いたいのは質問よりもむしろその要望でございますので、今後ともよろしくお願いします。市長さんよろしゅうございますか。お願いいたします。
終わります。
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