宇部市議会(22年06月)定例会議事録
一 般 質 問 (市 政 会)
井 仁 議 員
・答弁を求める者 教育長
◆ 新風会の高井 仁であります。本日は、小中学校の統廃合計画について質問いたします。
つい先日、平成21年度の我が国の合計特殊出生率が1.37と発表されました。今後とも人口の減少傾向は続くことが予想されます。少子化時代の子供は、まさに宝物であり、しかも我が国の将来を担う子供たちであります。この宝物に心身ともにすばらしい人間に育ってもらいたいものでありますが、そのためには、子供のときからしっかりした教育を受けさせねばなりません。
平成19年9月の定例会におきまして、宇部市における最近の人口動態からして、教育効果及び行財政改革の両面からも、小学校の統合・廃校を行うべきではないか。特に5年後の平成25年度の予測で、児童数が31名となる小野小学校、同じく26名となる吉部小学校を含む北部6校の今後について、抜本的な方策をとる必要があるのではないかと申し上げたところ、当時の教育長から、いわゆる19年度中に、「宇部市立小中学校適正配置検討協議会を設置し、児童数の推移や地域の実情等を踏まえながら市民の皆様の御意見を伺い、検討してまいりたいと考えております。」との答弁があり、翌20年3月に活動期間2年間の予定で検討協議会は発足したのであります。
そして、本年3月に、この協議会から、「宇部市立小中学校の適正配置に向けた方針について」との提言がなされたのであります。
しかし、この間、少子化及び北部の過疎化がますます進み、例えば小学校では、検討開始時の平成21年には、小規模校は、全学級が複式学級の吉部小学校、一部複式学級でありました小野・二俣瀬小学校の計3校でありましたが、予測される平成28年度には、小学校では、全学年複式学級は小野、吉部の2校に、一部複式学級が厚東、二俣瀬、万倉の3校の計5つの学校にふえることが予想されております。
また、中学校では、小野中学校が現在の34名3学級の単式学級から、生徒数13名2組の複式学級になる予定であります。これらに対して早急なる措置が必要になると思われます。
このような情勢のもと、宇部市立小中学校適正配置に向けた方針が提言されたわけでありますが、これに関して、この方針に疑問を持ち、将来のことを考えればもっと多くの学校について検討し、将来にわたって児童生徒たちがよりよい学習環境のもとで、しっかりした教育を受けられることを願う者として、次の質問をいたしたいと思います。
第1点、子供の視点に立った教育環境としてはどうあるべきか。特に学校や学級の規模、通学区域、学校と地域との関係等の視点からわかりやすく説明をお願いいたしたい。
第2点、小中一貫教育を含めて、宇部市の教育、いわゆる教育体制を含めての将来計画、いわゆる長期計画はどうなっているのか。
第3点、今回の適正配置検討協議会の提言について。
1、宇部市としてこの提言をどのように取り扱うのか。
2、確認のため、この協議会の目的は何か。
3、「適正配置の検討基準」は何に基づくものか。
4、「適正配置の検討基準」が、なぜ市街地ブロックと北部ブロックとの差をつけているのか。違いがあるのか。
5、行財政効率の面からの取り組みがなされたのか
等についての説明をお願いいたしたいと思います。特に教育長、よろしくお願いいたします。
以上で、壇上での質問を終わります。
○副議長(兼広三朗君) 白石教育長。
〔教育長 白石 千代 君 登壇〕
◎教育長(白石千代君) 高井議員の御質問にお答えをいたします。
小中学校の統廃合について。
第1点、子供の視点に立った教育環境としてはどうあるべきと考えるか。特に学校や学級の規模、通学区域、学校と地域との関係等の視点からについてのお尋ねでありますが、学校の適正配置は、子供たちのよりよい学習環境を整備していくという教育的な視点を考え方の基本とすることが必要であります。
国では、学校教育が集団を前提として構築されていることから、学校の適正な規模を12学級から18学級とし、多様な教育活動の展開や子供たちが豊かな人間関係を築き、社会性を身につけることが必要であるとしております。また、通学距離及び通学時間の子供たちの心身に与える影響、子供たちの安全、学校の教育活動の実施への影響等を十分に考慮すべきであるとしております。
本市では、学校の適正配置に取り組むに当たり、このような学習環境を整備していくという教育的な視点を基本とし、学校が地域活動の拠点施設の一つであるということも考慮すべきであると考えております。
第2点、小中一貫教育を含めて、宇部市の教育(体制)についての将来計画は、についてでありますが、山口県では、21世紀を担う有為な人材を育成するために、総合的な教育行政の指針である「山口県教育ビジョン」を策定し、その第2期・第3期重点プロジェクト推進計画の中期目標として「一人ひとりの夢の実現」を掲げ、目標達成のために多くの重点プロジェクトを実施しております。その計画において、キャリア教育、コミュニケーション能力を育む教育、地域や伝統、文化を踏まえた教育を教育内容の3つの機軸として示し、市や町の独自性や主体性を尊重しながら、本県全体の教育水準の向上に取り組む方向を示しております。
本市では、県の定めた「山口県教育ビジョン」を踏まえ、宇部市の教育基本方針を毎年度策定しているところであります。本年度、第四次宇部市総合計画前期実行計画に合わせ、それぞれの施策を大きく見直すとともに、前期実行計画に、学力向上事業としての学びの創造推進事業や学校教育活動支援ボランティア事業などの個々の事業に具体的な目標値を掲げて推進しております。
学校施設についても、児童生徒の安心・安全な教育環境を確保するため、耐震性を満たしていない老朽化した施設の改修方針を定め、社会情勢や財政状況を踏まえながら整備を進めております。今後は、子供たちのよりよい学習環境を整備するための学校適正配置の動向や小中連携教育を進めていく中で、小中一貫教育も視野に入れ、施設整備を実施してまいります。また、本市の教育振興に係る基本的な計画については、その必要性などを検討してまいりたいと考えております。
第3点、適正配置協議会の提言について。
ア、この提言をどのように取り扱うのか。
イ、協議会の目的は何か。
ウ、適正配置の検討基準は何に基づくものか。
エ、適正配置の検討基準が、なぜ市街地ブロックと北部ブロックとに違いがあるのか。
オ、行財政効率の面からの取り組みがなされたのか
についてのお尋ねでありますが、これらは関連がありますので、一括して答弁させていただきます。
児童生徒数は、少子化により全国的に減少してきており、本市においても昭和30年代のピーク時と比較して約3分の1に減少しております。特に、少子高齢化の進んだ北部地域やドーナツ化現象が進んだ中心部では、ピーク時の約6分の1と著しく減少するなど、学校規模の格差が広がっております。
このような状況の中、教育委員会では、平成20年2月に小中学校の望ましい配置を検討するため、宇部市立小中学校適正配置検討協議会を設置しました。検討協議会では、行財政効率の視点ではなく、子供たちのよりよい学習環境を整備していくという視点から、約2年間にわたり御協議をいただき、平成22年3月1日に、宇部市立小中学校の適正配置に向けた方針について御提言をいただきました。提言は個別の学校に関する具体的な計画を定めるのではなく、適正配置を検討すべき学校の基準を定め、対象となった校区に協議会を設置し、市と市民が協働して適正配置に関して協議するとしております。適正配置を検討すべき学校の基準は、将来的に予測される児童生徒数、学級数に基づいて定められております。
基準を定めるに当たって、検討協議会では、まず市街地の学校に比べ、学校規模が小さく校区面積の広い北部の厚東、二俣瀬、小野、船木、万倉、吉部校区とその他の校区の2つのブロックに分け、その上でそれぞれの基準を設けることとしました。また、国の規定する適正な規模に届かない11学級以下になる学校が、平成27年には本市の約4割に当たる15校になることが見込まれ、国の基準をそのまま適用することは現実的ではないことから、本市の現状に沿った独自の基準が定められております。
教育委員会では、提言を尊重し、校区に適正配置についての協議会を置くことができるとされた見初小学校、小野小学校及び吉部小学校の3校区に協議会を設置することとし、現在、協議会開催のための準備を行っております。
今後、協議会において、当該地域の主体性を尊重しながら、学校規模の差によるメリット・デメリットなどの教育的効果や本市の財政状況も踏まえ、市と関係校区の住民の方々が協力し、学校の適正配置について協議してまいりたいと考えております。
以上でございます。
◆ 16番(高井仁君) ありがとうございました。
この問題は、先ほど壇上で申し上げましたけれども、平成19年、その前からいろいろと取り組んでいる問題で、子供たちによりよい学習環境を与えるにはどうしたらいいかということで、これは前から検討をお願いしている件でございます。
まず第1点で、教育環境はどうあるべきかということでございますが、先ほどの答弁の確認ですが、よい学習環境というのは、国が言っているように、多様な教育活動の展開や豊かな人間関係を築き、社会性を身につけられる環境であること。また、通学距離、通学時間等を考慮し、子供の安全、学校の教育活動等への影響を考慮する。
また、学校の適正な規模としましては、小学校、中学校とも12ないし18学級が適当である。小学校で12から18学級と申しますと、小学校で1学年2ないし3学級、中学校でいうと3年間ですから、4ないし6学級が標準であるということで、これらを検討する場合に、学校が地域活動の拠点の施設の1つであるということを考慮して対応しなければいけないと文科省は言っておるのですが、これでよろしゅうございますね。考え方に共通基盤をつくるためにこの件を説明してもらいました。
次に、小中一貫教育を含めて、教育体制、教育についての将来計画はということで言っておきましたが、いわゆる教育に関する大綱・計画といいますか、いわゆる長いスパンを考えた計画、そういうものがありますか。この辺のところがあれば説明していただければと。少し壇上でもありましたけれども、もう一度言っていただければと思います。
◎教育長(白石千代君) お答えいたします。
議員さんのおっしゃるいわゆる長いスパンでの教育体系というのは、今ございません。
◆16番(高井仁君) 先ほど壇上で言われましたけれども、山口県の教育ビジョンを踏まえて、宇部市の教育基本方針、年度ごとにこれをつくってやっていると言われました。これが、先日制定されました第四次宇部市総合計画前期実行計画に合わせてとありますが、それにはそれぞれの事業として部分的に載っているというものでございます。
今、教育の振興に係る基本的な計画の必要性などを検討してまいりたいということで、長期にわたる計画はないということで言われました。なぜこんなことを言うのかというと、私は、物事というのはやっぱり長いスパンの計画があって、中ぐらいのがあって、そして年度計画があるべきだと思うのです。それらがなくて県のビジョン、県の計画と言ったってこれは単なるビジョンですから、計画ではありません。そして、それに基づいて1年ごとの計画をつくる。この辺に、きょうのこの統廃合に関する一つの問題があるのです。
後ほど申し上げますけど、教育とは全く別に学校の改築計画が進んでいるのです。そうですね。今度問題になろうか、直接は今の3つの小学校ではありませんけれど、それに近い中学校の改築が間もなく始まるのですよね。この辺とのギャップがある。これではいかぬのではないかと。
物事というのは大きな計画がありまして、例えば教育計画でありますと、この中にはいろんな計画があります。県の単位でいうと教員の養成計画ということもあるでしょう。それからさっき申し上げましたけれども、小中一貫教育、これは皆さん御存じだと思いますけれども、今1つのはやりといいますか、新しい傾向でございまして、横浜市は全学校が間もなく小中一貫教育になります。全国的に随分採用している。よそがやっているからいいというのではありませんけど、これについても将来はいいのならば、今すぐはできないけれども、5年後10年後にはやろうと、これが私の言う長期の計画です。
それがあって、その中にもう一つ、まだ学校はこうだから、人口の動態を踏まえると、ここの学校はかつて黒石小学校や川上小学校をつくったとき、あれもいきなりつくったわけではありません。恐らく何年前から、これだけになれば小学校をつくらなきゃいけないとか、そして逆に言うと、人が少なくなるとか、もう学校は要らないということもあるかもしれません。こういう計画があってこそ学校の改修計画があるのではなかろうか。
後ほど申し上げますけれども、改修計画でひとり歩きをしているのです。その辺のところを確かめたかったために今申し上げました。必要だと思われれば、私の言うことがわかっていただければ、そういう計画、物事のとらまえ方をしていただければと思っております。
この際、ちょっと外れますけど、小中一貫教育について、教育長といいますか、教育委員会そのものの考え方があるのかどうか知りませんけど、なければ教育長、個人的でもいいですが、お考えをひとついただきたい。
◎教育長(白石千代君) 小中一貫教育についてのお尋ねでありましたけれど、小学校と中学校の滑らかな接続をするためには、義務教育9年間を見据えて学習指導、生徒指導を行う。一貫性を持たせることは大切であると考えております。
本市では、今年度から小中学校共通の取り組みとして、学び合いのある授業の推進をしております。小学校と中学校が学習指導や生徒指導において、より一層連携した取り組みをすることとしております。本市では、この小中連携教育を充実させ、滑らかな接続に努めてまいりたいと考えております。
以上でございます。
◆16番(高井仁君) ありがとうございました。
なぜ小中一貫教育を取り上げたかというと、例えば私が個人的に思うのですけれど、小野小学校と中学校の場所を考えますと、それぞれ子供たちが減ってくる。一つの学校としてやると考えるならば、小野と先ほど申し上げました地域の御意見を聞いて、何とか学校を続けていきたいと。ならば一つの学校にして、ここで一貫教育、9年間の教育をしたら、今、教育長が言われたいい意味での教育ができるのではないだろうか。これもひとつ学校の改修計画にも含めて、いろんな意味で計画をつくっていかれたらということで取り上げたわけであります。 続いて、検討協議会について入ります。
この前行われました検討協議会の目的は何のためだったのか。学校そのものをどういう形にしたかったのか。くどいようですが、ちょっと皆さんのコンセンサスを得るために説明をお願いいたします。
◎教育部長(斎藤幸雄君) お答えします。
協議会は、教育の機会均等の観点から、本市の小中学校の学校施設設備、教職員の質、配置などの教育環境の公平性を担保するため、著しく他の学校と差を生じている学校について、適正な配置を検討することを目的といたしております。
以上です。
◆16番(高井仁君) わかりました。
次に、先ほど協議会で、見初、小野、吉部、この3つの小学校について地元との協議会を始めるということがありましたけれども、具体的にどういう進め方をされるのか。どこでもいいのですけれども、例えば見初小学校について一つ、時系列的にいつまでにどういうことを考えている、考えているだけで結構ですから、御説明できる範囲で教育委員会の考え方をお知らせいただきたい。
◎教育部長(斎藤幸雄君) 現在、見初小学校、それから小野小学校及び吉部小学校の3校区に協議会を設置するため、各校区及びその周辺校区の自治会、コミュニティー、小学校、中学校、小学校の保護者、中学校の保護者、それぞれの代表の方にお会いし、協議会に参加していただく委員の推薦をお願いしているところでございます。委員が決定いたしましたら、随時、第1回目の協議会を開催したいと考えております。
協議期間につきましては、これから各校区の委員さんとの協議になりますが、各校区の実情に沿って一定の期間を定めてまいりたいと考えております。
以上です。
◆16番(高井仁君) 学校の統合ということを考える前に、見初の父兄や自治会だけで話が済むのですか。隣や近くは関係ないのですか。
◎教育部長(斎藤幸雄君) 当該校区及びその周辺校区の関係の方々に参加をお願いするところでございます。
◆16番(高井仁君) そういう形で、何年かかるかわかりませんけども、協議会をつくってされると。見初がどこかの学校と一緒になる可能性があるならば、その近くのどこの学校の校区にも協議会をつくられていろいろ相談されると。それで皆さんの了解を得て、何かどこかと一緒になるなりされると、こういうことですね。はい。そういうやり方をされるということでございます。
ところで、私どもはなぜ合併かというと、小規模学校というのは、先ほど言いましたように、各小学校でいうと、1学年2ないし3組より下のところは、やはり学校の中で小規模学校というのはいろいろ問題がある。人間関係においてもそうであるし、学力の面でも何か上がらないのではなかろうかという気がするものですから、まして複式、例えば1年と2年を一緒に教育すると、学力面で上がらないのではないかと思うものですから、やはり一緒にならないと。国で言う標準どおりにしないといけないという気がするのですけど、この小規模学校の特徴と申しますか、いいのもあるであろうし悪い等もあるかもしれない。その辺のところを現状といいますか、本当のことを説明いただきたい。
◎教育長(白石千代君) お答えいたします。
小規模校の特徴ですけれども、クラス変えがなく、入学から卒業まで同一集団で過ごすことから、人間関係が固定化する。学習への取り組みが受動的になる。多様な考え方に出会いにくい。教員の配置数が少なく教科の専門性に欠けることがあるなどのデメリットが挙げられます。
一方、学力の面では、授業において時間をかけた丁寧な指導ができ、子供たちの発表の機会などが多くなるなどのメリットもあり、こうした教育の成果を十分に上げている学校もあります。
以上でございます。
◆16番(高井仁君) ということは、必ずしも学力の面では変わらない、こういうことなのですかね。ちょっと私は、1年生と2年生を1人の先生が同じ部屋で教えるのでは、かえって学習効果は悪いような気がするのですけど、そうではないのですか。そうでしたら、考えられる理由を説明してください。
◎教育長(白石千代君) 私も教育長になりまして小規模校へ行かせていただきました。小規模校の複式の授業等ですね。複式学級には、今、市で支援員も入れております。ということで、一つの学級に教師が授業し、そしてT・Tの形で支援員さんがつく。だから大変きめの細かい指導もできているわけです。ということで、十分人材を生かしておられる場合は、学力は保障されていると思っております。
◆16番(高井仁君) 私は学力が落ちると思っていたのですけれども、そのためには、多くの教員を投入するとか、その辺のところがあるということですね。
個人教育の寺子屋教育だったら、教育は伸びる人は伸びるけど、逆に言うと置いていかれる人は置いていかれるというような、理解の程度によって差があるふうに聞いております。その意味で、学力は変わらないと言われたのは、先日も問題になった全国学力テスト等の成績から言われるのでしょうけれども、その中の個人個人の差もあろうと思っております。しかし、国がやはり2ないし3学級が適当であると言っている。教育長も恐らくそれは間違いないと思っておられると思うので、それならそれぞれのいいところ悪いところもありますけれども、やはりそちらに持っていくべきだろうと私は思っております。
この前まで、ここに我々の同僚議員であられた、学校の先生を定年になって議員であられた川上議員があの辺に座っておられましたけれども、17年の3月議会で言っておられます。1学年1学級でそのままいったのでは子供のためにならない。いわゆるさっき言った人間関係の変化がない、組がえもないということでございます。序列化する。一たんお山の大将ができると卒業までこれが続くということで、教育上よろしくないということをこの議席で言われたことがあります。そういう意味でも、やはり単式学級以下は、私は避けるべきでなかろうかと思っております。
次に移りますが、今回の協議会で、国が標準的な12ないし18というのを出しておりますけど、宇部市はどうだということで、検討基準をつくられたというふうになっております。この基準が北部ブロックと市街地ブロック、この差があるのです。差がある。つくられた答申を見ますと大きな差があるのです。これはなぜなのでしょうか。同じ宇部市で同じ学校なのに、この地域だったら何人でいい、この地域だったら何人以上でないといけないと。その辺のところを、わかりやすく説明してください。
◎教育部長(斎藤幸雄君) 学校の適正配置を考えていく上で、学校の規模だけではなくて、通学距離及び通学時間が子供たちの心身に与える影響、子供たちの安全、学校の教育活動の実施への影響等を考慮されたものでございます。 以上です。
◆16番(高井仁君) もう1つ、ついでに聞きます。
先ほどの答弁の中に、全体で11学級以下という国の基準に届かない小学校が、4割に当たる15校もある。国の基準そのままを適用するのは現実的でないということで言っておられますが、これはどういう意味ですか、現実的でないというのは。
◎教育部長(斎藤幸雄君) 15校すべてで協議会を設置することは、ほとんどの校区が協議会で協議を行うことになります。さらに一部の校区では、複数の協議会に参加することになりますので、これはやはり現実的ではないと判断されたものでございます。
以上です。
◆16番(高井仁君) これは今になって一遍にやろうとするからそうなるのであって、早い時期にやっておけば、これほどの対象学校は出てこないのです。考えてみると、これは教育委員会や親の都合であって、子供には関係ないという話なのです。子供には関係ない。子供を主体に考えるとこの考え方はおかしいと思います。事務的にできないから、今回小学校3校だけ取り上げる。あとは後回しにすると。11校が対象になるのですから、少なくとも8校は後回しにする。そのうちに、先ほど壇上で申し上げましたように、3年間でどんどん過疎化するのです。過疎化と言うと失礼ですけれど、子供たちが少なくなる傾向があるのです。子供たちのことを考えると待っておれないような気がするのです。
したがって、私はこの辺の答弁が今でも納得できないのですが、先ほどの斎藤部長の答弁もはっきり言って、理解できません。後ほど申し上げますけれども、通学が大変ならスクールバスを使えばいいのです。これは後ほど例を挙げて申し上げます。北部はスクールバス制度にすれば、行き帰りも安全であるし、先ほど安全ということを言われましたけど。そういう意味で、今2回の答弁、余り私は納得できません。
それで、この協議会は検討協議会と本協議会が全部で7回、専門部会を4回されました。これは全部議事録を見せてもらいました。この中にいろいろ問題点も事務局から出ているのです。例えば第7回検討協議会の議事録に、新しい建物の学校は統廃合の対象にならないという記録があります。新しいから今さら別の学校をつくったのでは格好がつかぬという発想なのでしょうけれど、これは考え方がおかしいでしょう。それとか校区をまたがってはできないという、これは第2回の専門部会だったですか、こういう事務局の意見が出ている。
これを見ますと、検討協議会の委員自身が、すぐそれはやろうと思ってもいけないのか。事務局がいけないのか、いけないのかと言ったら萎縮してしまう。結果的にこの程度の小学校3つと、それから中学校が2つの答申が出ているのですけど、これが我々の考えと違って規模の小さい、何かこんなものかと思うような程度しか出てこない結果になるのだろうと思うのです。新しい建物、学校は統廃合の対象にならない。
調べてみますと、小さい学校でいいますと平成11年に改築した二俣瀬小学校、小野小学校は平成9年、小野中学校は平成8年、厚東中学校は今年度建てかえとなっていますね。皆問題のある学校ばかり。しかもさっき言いましたように、10年ちょっとしか経っていないような学校ばかり問題点がある。この辺が先ほどから申し上げましたとおり、ちゃんとした教育の長期計画がないからこういうことになるのだろうと思うのです。学校の建てかえというのは教育に伴うものです。ちゃんとした、良い教育をするためには、どこに学校をつくって、この程度の学校をつくってこうしよう。途中でここに耐震化ということが入ってきましたけれどもやろうと。どういう現実にそういう学校の改修、学校の程度がついている。ところが、何回も申し上げましたように、学校の改修計画ばかり先に走っているのです。だから問題になっている中学校を今度新しくするのでしょう。この辺のところは、計画がないからそうであるし、どなたに言ったらいいのか知りませんけれど、しっかりしていただきたいという気がするわけであります。
次に、もう1回申し上げますけれども、先ほどの教育長の答弁の中に、なぜ小学校3校だけなのかと。現実にこれ以外にも複式学級のところもあるし、全単式学級のところがたくさんあるのですけれど、手をつけるのは本当にこの3つだけでいいのですか。先ほどの手が足らぬからというのがちょっとありましたけど、それではなくてどう思われますか。
◎教育部長(斎藤幸雄君) 協議会から御提言をいただいておりますが、この提言によって定められた適正配置を検討すべき学校の基準というのがございます。これに基づきまして、見初、小野、吉部でございますが、対象となった3校区に協議会を設置することとしたものでございます。
以上です。
◆16番(高井仁君) ちなみに、先ほどの答申から抜粋して申し上げましょう。先ほど小学校だけ3つ言いましたけれども、中学校について申し上げますと、中学校はさっき言いましたように、1学年4ないし6組あるのが標準なのです。神原中学校で言いますと6学級、1年につき5学級ですね。12から18あるところは全部で6単式である。ところが、これは学校選択制の採用をする。選択によっては基準から外れる可能性があるから対象にしない。可能性があるから対象にしない。私どもの考えだったら可能性があっても対象にして、実際にそうするかしないかは次の段階で考えるべきだと思うのですけれど、可能性があるから対象から外そうというのが神原中学校です。
小野中学校については、今のところ3組と言うことは、1学年に1組ですね。平成28年の予想では、これが2組になるのです。複式学級になるのです。統廃合を初めとする答申の中身が、統廃合を初めとする適正配置計画について検討を開始しなければならないという所見です。ほかの小学校のところは、協議会を設置することができるという所見です。小野中学校は開始しなければならないことになっているのです。今申し上げましたけど、これは27年度の予算でやっていますから、学校で3クラスなのですけれども、28年度の予想だったらこれが2クラスになる。複式学級が始まると。
厚東中学校につきましては3組、単学級ですね。協議会を設置し、協議を行うことができる。単式学級にして、間もなく建てかえが始まるので、地域や学校の実情にあわせた方針を定めることが必要であるとうたっております。何かもうさっき言いました、先に走っている改修計画に伴って、今さらどうもしようがないからというのが現状であります。本当にこれでいいのかという感じであります。
時間もありませんのでそろそろ終わりにしますけれども、発想の1つとして教育長にお尋ねします。
琴芝小学校と神原小学校は、筋向いにあるのは皆さん御存じです。琴芝小学校は249名、これは27年の予想です。神原小学校は484名、これは逆かもしれませんね。琴芝小学校が484名で、計733名です。この2つをあわせて1つの学校ができませんか。そういう発想は出ませんか。
◎教育部長(斎藤幸雄君) 現在、見初小学校の適正配置について協議会を設置して、協議会開催の準備をしているところでございますが、神原校区の方もその協議会に入っていただくようになっております。その協議会の中、あるいは琴芝校区や神原校区の地域から、両校の適正配置にかかわる協議の要望があれば、新たな協議会の設置を検討していきたいと考えております。
◆16番(高井仁君) 次に、小学校の北部6校を1つにするというアイデア、これは今度の検討協議会のどこにも出ておりませんけれど、こういう発想はありませんか。
ちなみに申し上げますと、6校を全部合わせて児童数が373名、教職員の数が64名、これで同じ程度の西宇部小学校は375人、子供が2人多いのです。教職員は23人です。教職員は41名少ないのです。これは恐らく遠くから通学の距離によってと言われたと思うのですけれど、これは単なる私の思いつきみたいなものですけれども、あの真ん中のなるべく近いところ、例えば二俣瀬か西万倉の。二俣瀬にしたら今の小学校を使って、西万倉と新しい学校をつくって370何名の学校をつくったらどうですか。
この前、西岐波小学校、この倍の人数の学校を3年かけて13億円幾らで学校をつくられました。大体13億円ですから1年で4億円ずつです。この41人の先生の人件費、県に問い合わせてみますと大体1人あたり680万円、年間700万円ぐらいですか。1あたり800何万円ですか。40人にすると3億5,000万円ぐらいになるはずです。お金の出所が違います。教職員は県の人件費で出ています。学校建物をつくる場合は別です。なおかつ、今まで言った新しい学校を残すと、国から懲罰を受けるのかどうか知りませんけれど、補助金を返さないといかぬかどうか知りませんけれども、そうするとスクールバス等、既に北部のほうでやっておられますね。
話がまた変わりますけど、沖縄が今いろいろ騒いでいます。沖縄の米軍がおります。そこには、全部沖縄の本土、山口県よりは小さいのですけど、宇部市よりはずっと広い。そこに米軍の小学校が3つしかないのです。その3つの小学校は、例の話に出た嘉手納、瑞慶覧、キャンプ・コートニーと3つあるのですが、これが全部スクールバスです。アメリカでも原則としてそうですけれども。これが瑞慶覧の基地に行きますと、御承知のように黄色の車体に黒い線を入れたアメリカ独特のスクールバスが、何十台ととまっています。全部これでやるのです。
前にも申し上げましたけども、宇部市には立派な交通局というのがありまして、そこにバスがたくさんあるのです。本格的にこうすれば、遠いからという話は全然別だと思うのです。この辺でひとつ画期的なことをされたらどうですか。この考え方が1つも出ないというのが不思議でしょうがありません。1つの案で、今すぐどうしてくれではなくて、よくよくいろんな発想で、何がいいのか、何が子供たちのためになるのか、よく考えてもらいたい。
次に、ついでに申し上げますと、先日、下関で協議会をつくってやろうとしたけど、地域の反対があってつぶれたという記事がありました。これは、あのときに書いた記者の考え方によるのかもしれないけれど、子供たちが犠牲になっている、地域のエゴに振り回されていると書いてある。読売新聞はそういう書き方をしています。それで現状が嫌だから、校区外に通勤している子供が十何人いると。私自身も言われたことがあるのです。ある校区におる私の友達が、「おい、お前、私は今度統廃合をやるぞ。」と言ったら、「おい、年度内に片づけなければ、うちの子は引っ越しさせる。」と言っていました。引っ越しさせる。ちゃんとした学校に行かせるために引っ越しさせる、こういうことを言っておりました。それはそれとして。
それから、最後に2つほど申し上げます。さっきから言っているように、行財政効率は別として、考えずに提言があったと言いますけど、私はこういう行財政効率とか行財政改革というのは一緒にやらねばならないと思うのですが、どうですか。これについて御所見をひとつ。
◎教育部長(斎藤幸雄君) 今後、該当校区に設置いたします協議会の中で、市と関係校区の方々と、適正配置に関して協議をしていくこととしておりますけれども、その中で、本市の財政状況も踏まえた協議を行ってまいりたいと考えております。
以上です。
◆16番(高井仁君) 遅いと思うのです。やはりその行財政、子供たちの教育のよい学習効果、効率ということを考えながら、これをあわせてやっていけば、例えば先ほども北部6校のことを申し上げましたけど、検討協議会でもっともっと別の発想が出ているかもしれません。ちょっとそういう気がする。今からやっても、ちまちました行財政効率か改革しかできぬと思います。
最後に、この提言はいつまでのことなのか。基準を北部と市街地を分けて2つつくられました。これは今後ともずっと基準について、そういう学校が出たら協議会をつくってやるようにするか、それとも今回の会議なのか。いつまで続くかおわかりと思います。説明をお願いします。
◎教育部長(斎藤幸雄君) 協議会からの提言では、平成27年の予測値に基づき、見初、小野、吉部の3校区に協議会を設置することとしているものでございますが、平成28年度以降も少子化等が進み、新たな学校が基準に該当すれば、対象となる校区に協議会を設置することになると考えております。
以上です。
○副議長(兼広三朗君) 高井仁君、残り2分となっております。
◆16番(高井仁君) そろそろ締めますけれども、何か中学校のことがまだやりっ放しになっているのです。これもやらなきゃいかぬ。いろいろあります。今度の提言を見ますと、何かこの程度のものかと、はっきり言って失礼ですけどそんな気がします。あんまりこの現状を、今のままをちょっと変えればいいではないかぐらいの発想しかないのではなかろうかと。思い切ったことをひとつやらねばならないのではないか、やる必要があるのではないかと思います。
このあたりは保守王国だとよく言われますけど、「保守とは何ぞや。事なかれ主義と見つけたり。」と言った人がおります。私はこれではいけないと思うのです。やはりある程度、網を広げてどんどんやって、そしてなおかつそれを現実的に見て、そこはそれですぼめるというやり方でないと、最初からこれだけだといったら、それ以上のことはだれもできないというのが私の気持ちなのです。
最後に、市長さん、どう思われました。きょうの50分近くについて。何か御所見でもどうぞ。
◎市長(久保田后子君) 高井議員の御意見、御指摘、しっかり伺いました。事なかれ主義であってはならないと私もそのように思っております。
教育において一番重要視すべきことは、当然ですけれども子供たちのことです。子供たちのよりよい学習環境をいかにつくるべきか。少子化が急速に進んでいる中で、この議論は本当に急ぐべきだと私も認識しております。したがって、子供たちを中心に、そしてまた地域コミュニティーとのかかわり、そしてもちろん常に求められております行財政の問題、あわせて総合的、積極的に検討していきたいと私も考えております。
以上でございます。
○副議長(兼広三朗君) 高井議員、時間でございます。
◆16番(高井仁君) ありがとうございました。
以上で終わります。
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