宇部市議会だより

以下は代表質問の内容です。

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◎平成23年度「決算特別委員会」
審査結果についての委員長報告

(平成24年 9月 25日)




 

◎ ただいま議題となりました議案第63号から第76号までの平成23年度一般会計、特別会計及び企業会計の決算認定議案について、付託されました決算審査特別委員会の審査の結果及び審査の概要を御報告申し上げます。

 まず、審査の結果でありますが、議案第64号、第66号から第69号まで、第72号、第73号、第75号及び第76号の9件は全会一致をもって、また、第63号、第65号、第70号、第71号及び第74号の5件は賛成多数をもって、本日お手元に配付の委員会審査報告書に記載のとおり、いずれも認定すべきものと決定いたしました。

次に、審査の概要について申し上げます。
 初めに、審査の過程でなされた質疑のうち、主なものについて申し上げます。
 まず、予備費充用の決定については、30万円未満が部長決裁、30万円以上が副市長決裁と規定されているが、市長の政治的な判断を必要とするものもあるはずであり、このような決裁区分は実態に即していないのではないかただしたところ、予備費の充用には確かに政治的判断を要するものがあり、その際には当然市長と協議を行って決定しているところである。しかしながら、この決裁区分の規定は古いものでもあるので、今回の指摘の趣旨を踏まえ、見直しを検討したいとのことでありました。
 次に、決算審査に当たり、予備費の充用について議会が具体的な内容を確認できるよう、執行部が自発的に資料を提出することはできないかただしたところ、今後は決算資料として提出したいとのことでありました。
 次に、平成23年度に取り組んだ歳入増対策や歳出抑制策の実績についてただしたところ、本市において、これらの対策は行財政改革加速化プランを主として進めており、当該年度の実績としては、事務事業の見直し・総点検により約2億2,400万円、定員管理の適正化により約2億5,200万円、地方債残高の抑制及び歳入の確保等により約2億円、また、職員給与及び光熱費の削減等、加速化プランと同様の取り組みにより約2億円、総額約8億7,600万円の成果を上げたところであるとのことでありました。
 次に、段ボールコンポスト普及事業の実績と効果についてただしたところ、平成23年度においては、山口県緊急雇用創出事業臨時特例基金補助事業により、臨時職員2名を3R推進サポーターとして雇用し、本事業を実施したところである。実績としては、段ボールコンポストリーダー育成講習会を14校区で実施し114名が受講、一般向けの講習会は38回実施し659名が受講した。また、環境学習モデル事業の一環として、神原小学校及び市内15の保育園において段ボールコンポストの学習と実践に取り組むとともに、各種イベントや商業施設での展示説明会を計7回実施するなどして、周知啓発を図ったところである。
 結果として、当該年度においては、段ボールコンポストの取り組みがごみ排出量の削減効果として数値にあらわれることはなかったが、市民のごみ減量意識は少しずつではあるが確実に向上しているという手ごたえを感じているところである。ごみ減量は市民一人一人の意識を高めていくことが重要であり、今後も広く周知啓発に努めたいとのことでありました。
 次に、万倉地区への彫刻設置の内容と設置箇所変更の経緯についてただしたところ、本市においては、緑と花と彫刻のまち宇部のPRを積極的に図ることのできる施設に彫刻作品を設置することとしており、設置の際は、緑と花と彫刻の博物館が、都市景観に造詣の深い彫刻展示委員の指導・助言を受けて、設置場所の空間特性や周囲の景観に調和する作品を選定し、地元の意向などを確認した上で行っている。
 今回の万倉地区への設置に当たっては、設置する場所及び作品として幾つか候補が挙がったが、彫刻展示委員の指導・助言を踏まえた検討の結果、全国から2,000人を超えるランナーが集い、マスコミ等にも取り上げられる機会の多い「くすのきカントリーマラソン」のスタート及びゴール地点であること、また、つつじまつりを初めさまざまなイベントや会議等で多くの利用者があることなどから、万倉ふれあいセンター周辺で場所を選定することとなった。
 設置に係る経費については、平成23年12月議会に補正予算として計上し、その際の総務財政委員会において楠こもれびの郷に設置する予定である旨説明したところであるが、その後、彫刻展示委員も実際に現地を確認し、さらに協議を重ねた結果、インパクトのある場所と自然に調和した作品ということから、平成24年2月に、同センターに隣接した、農林振興課が管理する市有地に「環境装置─宇部の風」を設置したものであるとのことでありました。
 次に、バイオマスタウン構想新産業創造事業の内容と成果についてただしたところ、本事業は山口県緊急雇用創出事業臨時特例基金補助事業を活用し、市有林の木・竹等の間伐による森林保全とその有効活用を図るため、また、雇用・就業機会の創出を目的として、事業者を公募し、応募のあった事業者を審査の上、委託して事業を実施したものであり、委託経費は、新規雇用に係る人件費、機器のレンタル料等で、総額1,470万円である。
 本事業の成果としては、市有林約8ヘクタールを間伐し、市道沿いの伐採木と合わせて約355トンの木材を搬出した。搬出したものは、一部をチップ化して発電事業者に供給し、また、一部は木質ペレットを製造して、アクトビレッジおのと常盤公園の休憩室に備えてあるペレットボイラー、ペレットストーブの燃料として使用した。本事業により、約112トンのCO2の削減につながったところであるとのことでありました。
 次に、橋梁長寿命化修繕計画の内容と今後の取り組みについてただしたところ、本計画は、高度経済成長期に架設された多数の橋梁が、今後一斉に耐用年数を迎えることから、これらの橋梁の大規模な補修や架けかえを一時期に集中させることなく、コストの平準化、縮減への取り組みのために、平成21年度から平成23年度までの3カ年で策定したものである。
 本市が管理する長さ2メートル以上の橋の数435橋の内、長さ15メートル以上の86橋と、一部損傷のある優先順位の高い12橋の合計98橋について、これまでの対症療法的な道路橋梁の修繕や架けかえから、予防的な修繕及び計画的な架けかえに政策転換することにより、将来の維持修繕及び架けかえの費用の縮減を図るものである。
 今後は、本計画に基づき、損傷度の高い橋梁の調査を実施することとしており、残りの橋梁についても5年ごとに定期点検を行って劣化状況を確認し、計画の見直しを図るとともに、補修等に伴う費用についても平準化、縮減に取り組み、市民が安心・安全に道路を通行できるよう維持管理に努めたいとのことでありました。
 次に、住宅耐震化促進事業の実績と今後の利用促進策についてただしたところ、本事業は、平成19年度に策定した宇部市耐震改修促進計画により、昭和56年以前に建てられた建築物の耐震診断や木造一戸建て住宅の耐震診断及び耐震改修に補助を行い、耐震化を促進することを目的としている。
 平成23年度の実績としては、まず、木造住宅の耐震診断に要した費用については、1件当たりの補助対象額は上限6万円で、その3分の2を補助金としており、4件の申請に対して4万円が3件、2万4,000円が1件で、合計14万4,000円となっている。
 また、木造住宅の耐震改修に要した費用については、1件当たりの補助対象額は上限90万円で、その3分の2を補助金としており、2件の申請に対して2件とも60万円であったので、合計120万円となっている。
 本事業については、市広報、ホームページ、建築指導課の窓口でのパンフレットの配布など、さらには、平成23年度から実施している宇部市ゆれやすさマップを用いた耐震化についての出前講座により啓発を行っているが、耐震診断経費の一部が個人負担であることから、近年、利用が低迷していたところである。
 そのため、平成24年7月より、市民が耐震診断を希望する場合には、市から直接、無料で耐震診断員の派遣を行う無料耐震診断員派遣制度に移行しており、今後、耐震診断・耐震改修ともに、さらなる利用促進を図ることができるものと考えているとのことでありました。
 次に、俵田翁記念体育館の修繕料に多額の予備費を充用した理由についてただしたところ、本館は、建築後50年以上を経過し老朽化した施設であるが、山口国体のバレーボール少年男子競技の会場となったため、平成21年度から平成22年度にかけて、屋根改修、アリーナ床改修、アリーナ照明設備の取りかえ、太陽光発電設備の設置など、約3億7,000万円をかけて整備したところである。
 当該整備終了後に、整備の対象外であった国体の観覧席となる館内ステージの壁の一部が経年劣化で崩落し、利用者の安全を確保するため緊急に補修を行う必要が生じたこと、また消防用設備の保守点検の結果、館内の消防用設備を緊急に改修する必要が生じたこと、さらに国体開催を目前に控え、県及び関係団体と実施に向けての協議を進めていく中で、全国から選手・関係者等を迎えるに当たり、さらなる会場整備の要望がなされたことにより、内部で協議した結果、壁塗装、アリーナ以外の照明器具、舗装等の追加修繕を急遽行うため、これらに要する経費1,743万2,100円を予備費から充用したものであるとのことでありました。
 次に、平成23年度に明らかになった都市計画税の課税ミスの内容についてただしたところ、当該事案については、昭和48年に都市計画の用途地域が拡大されたことに伴う区域の境界線の判定を誤ったことが主な原因である。これにより、用途地域外の土地家屋に課税していたものについては還付を行ったところである。
 還付に当たっては、地方税法上の5年とともに市の要綱に基づく15年、合わせて20年分の還付を行った。対象者は271人、還付額は利息を含めて2,778万6,900円となっている。
 一方、用途地域内の土地家屋に対して課税していなかったものについては、課税ミスの原因が全面的に市の過失にあるということを考慮して、市条例のうち、市長において特別の事由があると認める固定資産の減免規定を適用して、5年間の遡及はせず、平成24年度から納付していただくこととした。この対象者は195人、平成24年度の税額の合計は120万5,500円となっている。
 なお、現在は、用途地域の変更があったときは、資産税課の土地調査用図面に用途地域のラインを書き込み、この図面を用いて、分筆や合筆があった土地及び新増築の家屋が都市計画区域の用途地域の内にあるか外にあるか、明確に判別できるようにしているとのことでありました。
 次に、みずいく水道水PR行動の取り組み内容についてただしたところ、「みずいく」は、水道事業に関する情報提供をより積極的に行い、市民の水道水に対する理解を深めることを目的として平成23年度から取り組みを開始したものであり、これまで、市制施行90周年記念イベントや山口国体等のさまざまなイベントに参加して、水道水の試飲やアンケートを実施した。また、このPR行動の一環として、小学校の水飲み場を整備し、水道水の安全性をPRすることとしており、平成23年度は、西宇部小学校、上宇部小学校、小羽山小学校において水飲み場までの給水管の布設工事を実施したところである。なお、この3校の水飲み場は、平成24年9月中に完成する見込みであるとのことでありました。
 以上が、質疑の主なものであります。
 続いて、審査の過程において各委員から出された意見、要望のうち、主なものについて申し上げます。
・疲弊している地域経済の実情にかんがみ、事業の早期着手・早期完了に努め、執行率の向上に取り組まれたい。
・事業の民間委託の増加と退職者不補充による正規職員の減員について、そのバランスが適正であるか再度検討するとともに、効果についても十分検証されたい。
・アクトビレッジおのについては、積極的な情報発信に努め、利用者の増加に向けて指定管理者とともに努力されたい。
・住まいの防災、エコ改修助成制度については、地域経済の活性化や市内中小業者の仕事確保等の観点から、今後は、住宅リフォームを含めた幅広い制度とするよう検討されたい。
・集落支援員については、さまざまな地域で必要とされていることから、要望がある地域に活動の幅が広がるよう、引き続き積極的に取り組まれたい。
・ご近所福祉については、単に実施箇所をふやすのではなく、各施設における事業の内容や質の維持、また、事業の継続性について、今後十分考慮されたい。
・つどいの広場事業については、利用者の増加等を考慮して、実施場所に偏りが出ないよう留意しながら、事業の拡大を検討されたい。
・乳幼児医療費の自己負担については、今後、見直しを検討されたい。
・まちなか環境学習館については、環境学習支援や情報発信、中心市街地の活性化など、設置の目的にかなった機能が十分発揮されるよう、指定管理者とともに取り組まれたい。
・5歳児健康診査については、発達障害の早期発見につながる重要な機会であることから、今後とも継続されたい。
・観光ナビゲーションシステムについては、平成23年度に実施した実証実験に基づき、今後、積極的な活用に取り組まれたい。
・商店街の振興については、平成23年度に創設した「商業振興課題の解決に向けた調査研究事業費補助金」の周知とともに、事業者との積極的な意見交換も図りながら、さまざまな対策を検討、実施されたい。
・旧宇部銀行館(ヒストリア宇部)については、貸し館としてのみでなく、当初の目的の一つであった本市の歴史を紹介する場としての活用が図られるよう考慮されたい。
・学力向上の推進については、将来の日本を背負う児童生徒への投資であるとの観点から、今後、十分に取り組まれたい。
・事業の実施に当たっては、事業計画を精査し、追加支出のないよう取り組むとともに、あらかじめ議会において説明した内容と異なることがないよう、十分留意されたい。
・予備費の充用については、その必要性を十分に検討し、より慎重かつ適正に執行されるよう留意されたい。
・交通事業については、人件費が経営を圧迫することのないよう留意し、今後とも健全な事業運営に努められたい。
 以上が、意見、要望の主なものであります。
 
以上、本委員会に付託されました平成23年度一般会計、特別会計及び企業会計決算認定議案14件に対する審査の結果及び審査の概要を御報告申し上げました。
 市長を初め執行部におかれましては、審査の過程で各委員から出された意見、要望、また、監査委員の指摘事項に十分留意され、市財政の健全化と市政の発展に向けて、引き続き努力されることを要望いたしまして、決算審査特別委員会の報告を終わります。