ダツヤ浴 (夏恒例沢登り第2弾!)          8/11(日)      参加者4名

       県庁……登山道入口………沢登り終点…………登山道入口
         30分       2時間(沢登り)    50分(登山道)

この谷一番の大滝 夏恒例の沢登りを初級編としてダツヤ浴で行なった。ダツヤ浴はダツヤ山の南側を流れ下っている沢で、古い地図では黒ぬた谷と記してある。しかし本当の黒ぬた谷は一つ西側にある「ぬた場」が多い谷のことである。最近の地形図ではダツヤ浴と訂正されている。

このダツヤ浴は入口から1qほどが細い渓谷となっており、幾つかの滝がかかっている。主な滝は6つほどだが、大きいものは最後の二段になったナメ滝(15m)だけで、あとは2〜3mのものが多く初心者でも沢登りが楽しめる。沢沿いに登山道もついているので安心である。

 取り付きは、21世紀の森キャンプ場の少し北から小吹峠を抜け、旭村の高津集落に続く大規模林道の道路脇にある。最近入口に目立つ看板    【F6 二段15m】
が立ったので(やたらと目立つだけの代物だが)分かりやすくはなった。
 道沿いに車を止め、猪垣のトタン板をまたいで樹林の中へ続く踏み跡を辿っていく。踏み跡をそのまま辿るとダツヤ山への登山道なので、沢にかかる二つ目の堰堤を過ぎたところで沢に降りる。降りたところで身支度を整えて歩き出す。今年の夏はは雨が少なかったので、普段は水流があるところも干上がっていた。滝も登りやすいだろう。

チョット手ぶれがしてます しばらく岩がごろごろした沢の中を辿っていくと、沢が狭まって最初の滝(F1 2m)が現れる。手前に細長い淵を持ったチョックストーン滝だ。狭まっている両壁に手足を突っ張らせて乗り越えると、すぐF2(ナメ滝3m)とF3(S字ナメ滝 3m)が続いている。
 というふうに書くと「ちょっと怖そう!」であるが、滝の脇を登れば何のことはない。ただせっかく沢登りに来たのだから滝を登ってみたい。すぐそばを登山道が通っているので「滝見物だけ」も可能である。

 S字ナメ滝を過ぎると両岸が岸壁になりちょっとゴルジュぽい場所に出る。ここにF4(4m)がかかっている。滝というより積み重なった大岩の間から水が流れ落ちている感じである。この滝は水を浴びながら越せなくも
  【最初の滝 F1 (2m)】  ないが、不安な人は右岸に岩棚を辿る巻き道がある。
 以前はこの滝の手前で、右岸に続いている登山道の踏み跡が怪しくなり、ダツヤ山に登るのにもここから岩棚を辿り、滝を超えて沢の中を歩いていた。最近は右岸の少し高い所を辿るように踏み跡がついているようだ。しかし、この踏み跡も上がったり下がったりで、場所によっては沢の中を歩いた方が簡単なように思える。(滝の見物も出来るし…)

 F4を過ぎるとゴーロが続き、次第にあたりが明るくなってF5(3m)が現れる。手前に広い滑床を持つ明るい直瀑だ。気分の良い場所なので、いつもここで休憩をとるようにしている。日が当たると目前の滑床がキラキラ輝いて綺麗である。この滝は右岸が階段になっているので難なく越せる。
 F4を過ぎてしばらく進むと右岸にテープがあり、ハッキリした踏み跡が斜面を登ってるのがわかる。さらに進むとこの谷で最大の滝F6(二段ナメ滝15m)である。先ほどの踏み跡はこの滝を巻いていく道で、滝の落ち口へと続いている。もちろんコレがダツヤ山の登山道も兼ねている。

        昨年の写真です           なかなカッコ良いでしょ!
              【F3 S字ナメ滝】             【F6 下段を登るNさん(昨年の写真です)】

 F6の滝は上下二段のナメ滝で構成されており、水流は上段(8m)の黒い岩肌をすだれ状に流れ落ち、中間の岩棚で少し身をひねるようにして下段(7m)を滑り落ちている。辺りの緑にも映えてなかなか美しく「ダツヤの滝」とでも命名したいくらいだ。
 滝の手前には淵があって、その右岸の滑りやすい岩場を辿って滝の下に抜ける。ロープがあれば側の木に渡して頼りにして行く。淵の中をジャブジャブ渡っていく手もある。
 下段の滝は手がかりも多いので水流の右側を辿って中間の棚に上がる。上段は少し傾斜もあるが右側でも左側でも登れる。左側の木に絡みながら登れば最も安全だろう。一人が登って落ち口の木に支点をとり、後続はロープに確保されて水流近くをシャワークライミングで登ったら楽しいだろうと思っている。

 この滝の上流は緩やかな流れとなり植林地も多い。沢登りとしてはここが終了点ということにしている。下りは右岸の登山道を辿って下ることになるが、今回はF6を二回のラッペル(懸垂下降)で下ってみた。沢初体験のOさんにも当然下ってもらったが楽しんでもらえただろうか…。沢登り愛好者が増えることを密かに期待している企画担当である。
                                                  (F・Y 記)