12月22日・・・・パッフィンビリー鉄道とフィリップ島

メルボルンから南東へ35キロ。高さが633メートルの小高いダンディノン山を訪れました。ここには1900年に開通したというおもちゃのようにかわいらしい鉄道が走っています。バスを降りて、ユーカリの森にある小さな駅からそのミニSLに乗車しました。そしてさらに約80キロ、再びバスでフィリップ島へ。

パッフィン・ビリ−号到着

山間の駅、メンジズ・クリークにSL到着。
まるで遊園地のミニSLみたい。本来は山で発掘された金を運ぶ目的で作られたが今では地元の足と観光用。

メンジス・クリーク駅で駅長さんと

車内は向かい合わせの座席。窓ガラスはなく2本のバーのみ。窓枠に腰掛けられるようになっている。雨の時は上のシートをおろすらしい。

ダンディノンの山間

あたりはユーカリの木が茂る。まれにコアラの姿も。温帯雨林の木々は季節によっては山火事も発生するとか。丘を抜けると、村の学校や民家が見え始める。

クリムゾン・ゾレラ

ダンディノン山にいた野生の鳥。あざやかな赤と青できれい。餌付けもされていて、手に乗って食べてくれる。

エミュー

フィリップ島への途中の小動物園で。ほかにタスマニアン・デビルも見学。

フィリップ島のリトルペンギン

体長30センチほど。南氷洋から日暮れ時に砂浜に上がり、群れになって巣穴に帰る姿はよちよちととてもかわいい!しかし、巣穴は丸一日雛が待っていて心配でいっぱいらしい。鳥などに襲われることもあるとか。

フィリップ島での夕食は30センチのロブスターのご馳走でした!レストランから出ると、コイン望遠鏡で岩場を眺めている人がたくさんいました。、こちらはペンギンではなくて、アザラシ(もちろん野生)のウオッチングをしているとのことでした。「ほら、あそこだよ。」と、どこかの国の方が教えてくださったのですが、私達は望遠鏡を使っても、岩だかアザラシだか確認できず仕舞い・・・。

そしていよいよペンギンたちのパレードを見るために、アザラシの岩場とは別方向の海岸に歩いていきました。遊歩道を突き当たると、開けた海岸です。砂浜にしつらえたスタジアムのような、ウオッチング用の石段に座りました。そして各国の人が待つこと1時間半。待っている間は、実にさまざまな国の言葉が飛び交っていました。ペンギンたちのパレードは日暮れとともに始まるのです。なかなか日が暮れず、ホテルで借りた毛布にくるまって震えるばかりです。突然、波間に見える黒い点!「あ、あれは何?」 夜9時半頃、ほの暗くなり始め、ちょこちょことペンギンたちが海から上がってきました。かわいい!ペンギンたちは群れで行動するので、いったん上がってもまた仲間を迎えに海にもどります。ようやく5、6羽にかたまって、3団体くらいが砂浜を横切って、海岸べりの草原(巣穴)に走りました。撮影はもちろん禁止です。ペンギンたち、おなかは魚でいっぱいかな。海岸べりの巣穴の雛が元気に待っていますようにと一緒に祈らずにはいられませんでした。

フィリップ島でバスに乗り込もうと急ぎ足の私達は、夕闇に星達がきらめき始めていることに気がつきました。
「南十字星ですよ!」ガイドさんの説明にみんなで空を見上げました。南極の方角の低い位置にそれは静かに光っておりました。一番右の星はやや弱い光ではありましたが、指でたどって十字を結べました。感動しながらも頭では別のことを考えていました。それは50数年前の戦時中、ふるさとや家族を思いながら、この星を見つめていただろう若い命たちのことでした。