12月23日・・・・グレートオーシャンロードへ。

今日はバスでの移動が往復680キロもあるという、ロングドライブの日です。地図で確かめて「どれくらい遠くへ行くのかな。」と思いきや?(でも広い大陸地図で見ると、メルボルンからほんの少々といった具合・・・。)グレートオーシャンロードはメルボルンから南西に伸びる海岸線で南極を望む方角です。声も出ないほどの絶景続きとうかがって、わくわくしながらバスに乗り込みました。まぶしい朝日を浴びてさあ、出発です。!

高速をしばらく走って町や民家を通り抜けると郊外へ。次第にあたりはユーカリの長い森となりました。途中ユーカリの高い枝に、もこもこした動物が座っているのを見つけました。運転手さんが「コアラ!」と叫びました。野生のコアラを見るのは地元の人でも珍しいそうです。道路近くの森で朝の食事をしていたのでしょう。(バスの右側の人だけが見ることができて、未来は残念。)
森を過ぎると雄大な牧場がいくつも続きました。そのうち左手に所々海が開けてきました。ここまででほぼ半日。昼食のあといよいよ海沿いへ。

アングルシーの町並み

メルボルン南西のトーキーの町から先はサーフィンのメッカでもある。海辺の小さな町には、休憩をとるサーファーたちの車が並んでいる。

ロック・アード・ゴージ

1878年、イギリスからの移民船ロック・アード号が嵐にあい、この岩場で遭難した。この時の生存者はわずか2名、52名が亡くなった。近くに慰霊碑がある。波が高く、絶景の続く岩場。移民の時代に、この沖合いで700隻もの船が沈んでいるという難所。

南氷洋の青さ

海岸線沿いに散策できる通路がある。しかし、身を乗り出すとしぶきがかかりそうでこわいほど。南氷洋の濃い青色が空と溶け合って素晴らしい眺望。

12人の使徒

ロック・アード・ゴージから約4キロの所に海中から9つの大きな岩が突き出している。これは永い年月を経て海岸線が侵食されて岩が取り残されてしまったもの。名前が付けられた頃は、12個の岩があったが、その後くずれて9つになっている。海岸は浸食を続けているので、将来も色々変わるらしい。

吸い込まれそうな海の青さに感激しながら、グレート・オーシャン・ロードの風景をひとつずつ心に焼き付けました。南氷洋の波の音を聞いていると、ロック・アード号の悲しい歴史がまぶたに浮かびます。この先、再びこの地を訪れる時には、巨岩「12人の使徒」も、「ロック・アード・ゴージ」の岩も、侵食されて、今日とは形が変わっているということです。
以前、観光客が散策道路を歩いている時に突然くずれはじめ、海に落ちて救助を!という一幕すらあったとか。
それにしても、沖に沈んだ700隻もの船・・・。その魂をなぐさめるために「使徒たち」は立っているもかもしれません・・・。