3月26日・・・バース・コッツウォルズへ

ロンドンを出発したバスはM4道路を西へと向かう。郊外の家並みやゆるやかな草原をいくつも通り過ぎて着いた町は、1997年に世界遺産に登録された遺跡の町、バース。
町並みは全て古めかしい石造りで目を奪われる。ここは、太古の昔、ローマ人たちで栄えた温泉保養の町なのです。

そもそもケルトの王子様が紀元前865年に湧き出す湯の効き目に気づいて以来、人々はこの温泉に関心を持ち始めたらしい。やがて西暦65年頃、ローマ人たちは、いこいの場所つまり浴場を造ったようだ。ローマ神話の女神たちのすみかとして。
温泉はローマ人の撤退とともにいつしかすたれていったが、18世紀になって古い女神の像が発見されたことがきっかけとなり発掘が進んでいった。その後、博物館として注目を集めることに。約2000年前の建造物の素晴らしさに圧倒される思いでした!

バースの家並み

斜面に行儀よくならんだ石造りの家。小高い丘のうえまで段々状に屋敷が並ぶ。温泉は、一番低いところ(手前)にある。

  ローマン・バス博物館

1世紀に造られたローマ浴場の遺跡。1880年に発見されたのちに博物館になった。博物館の入り口では各国の言葉で解説するテレフォン方のガイドを貸してくれる。無料。

  ケルト女神スリス

神殿中央に刻まれていた石の彫り物は女神だと言われている。

 

 

 グレート・バスの手すりについた石像

当時の衣装に身を包んだ石像たち。浴場の2階の手すりに並んでいる。風雨にさらされて色も変わり、時代の流れを感じる。2階から下の浴場を見下ろす人達。

上の写真のグレート・バス

1階は今も湯をたたえる浴場でなまりくさい。鉄分が多くて入浴はできないが、隣のレストランでは温泉の湯を飲ませてくれる。43のミネラル入りで健康にとてもよいとか。しかしこれもなまりくさくて、とても飲みにくい。 

路上で演奏するバイオリン弾き

博物館から出た所で。モーツアルトの「アイネ・クライネ・・・」のきれいな音色が聞こえてきた。18世紀からずっとこうして路上で演奏されたのだろう。

遺跡の町を後にしてバスは北東のコッツウォルズ地方へと向かった。丘陵地帯に可愛い村々が点在する。
いずれも馬車だけが輸送機関だった16世紀頃に街道の要として栄えた町並。バートン・オン・ザ・ウオーター、ブロードウェイ、チッピング・カムデンなど。小さいけれど魅力ある村が続く。あたりは昔ながらのイギリスの田園風景。緑の丘には羊の群れが草を食んでおり、あたりは中世の石造りの家しか目に入らない。

ボートン・オン・ザ・ウオーターはコッツウォルズで一番にぎやかな村だったそう。村を流れるウインドラッシュ川のほとりには石橋がかかり、今も「リトル・ベニス」と呼ばれている。

羊の群れが遊ぶ田園風景

コッツウオルズ地方の羊の群れ。のどかな田園風景がどこまでも続く。所々に建つはちみつ色の家がかわいい。

バートン・オン・ザ・ウオーター

村の中央を流れるウインドラッシュ川。200年前の石造り3連アーチの橋がかかる。川には仲良く泳ぐアヒルの姿が。

バートンに並ぶ店

建物は昔のままでも店の前は車が並ぶ。レストラン、お土産、かわいい骨董屋がたくさん並んでどの店にも入りたくなる。

 

夕日の中を犬と散歩する町の人

この地方の家はどこも「ライムストーン」と呼ばれるレンガのような石でできていた。
夕日に、はちみつ色の家並みがとても美しい。ライムトーンとは、中世時代に近くで採れていた石灰石のこと。当時、羊毛で活気づいた村はすべてこの石で建築されたらしい。しかし、村はその後の産業革命の波にもまれて、羊毛の衰退と共にさびれてゆき、コッツウオルズの家々は建て替えられることなく、そのままの姿で残り今にいたる。