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山口市在宅緩和ケア支援センター長挨拶

山口市在宅緩和ケア支援センター長 上田宏隆

がんは、30年以上前からわが国の死亡原因の第一位となり、これまで様々ながん対策の取り組みがなされ、一定の成果を収めてきてはいますが、依然として、国民の生命および健康にとって、重要な問題と言えます。
このような状況に鑑み、平成18年6月「がん対策基本法」が成立し、翌年4月に施行されました。
その中では、居宅においてがん患者さんに対してがん医療を提供するための連携協力体制を確保することや、自宅や施設においても緩和ケアを受けることが出来る体制を整備することなどが謳われています。
山口市は独自で国の政策より早く、平成15年から山口市在宅緩和ケア推進事業を全国に先駆けて展開しています。この事業は行政、医師会、薬剤師会、病院・診療所、各種相談機関、訪問看護ステーション、福祉サービス提供事業者など多くの関係機関が連携することで成り立つ多職種参加型の事業です。
この事業の要として平成16年度から綜合病院山口赤十字病院内に「山口市在宅緩和ケア支援センター」が開設されました。

緩和ケアはがん患者さんを対象としています。がんは、病状の変化が早く、入院でなければ看ることができないと御家族も医療者も考えがちです。入院での治療が必要な時期は確かにあります。しかし、御家族・医療者が共通認識のもと十分な準備を行えば、外来通院、あるいは訪問診療で看ていくことは十分に可能です。ただ、現実にはなかなか在宅医療に踏み切れないことが多いとも感じます。この一因として、患者さんや御家族、そして医療者も在宅医療をイメージしにくいからではないでしょうか?昔なら例えば、医師が家に往診にくる光景は決して特別なことではなかったはずです。しかし、その光景も今ではテレビの中の絵空事のように思え、現実のものとしてイメージしにくい現状があるようです。
当センターは、患者さんや御家族が本当にどこで過ごしたいのか?それがもし在宅であれば、実現出来るように、患者さん・御家族に対しての支援・情報提供、さらにサポートに関わる様々な職種の方々との協働も活動の1つとしています。
市民の方に向けては、「在宅緩和ケアだより」の発行、「山口市在宅緩和ケア市民公開講座」の開催を通しての啓発活動、また関係従事者向けとして「山口市在宅緩和ケア事例検討会」を2カ月に1回開催しております。在宅医療は職種間の緊密な連携が必要であり、この事例検討会では、様々な職種(医師、看護師、薬剤師、保健師、PT、OT、ヘルパー、ケアマネージャー、MSW、福祉用具業者)の方が集まり、具体的な事例を通して検討を行い、各々が在宅緩和ケアに関するイメージを描くのに必要な知識・認識を深め合っています。

 このような活動を通じて、当センターが少しでも患者さんや御家族、サポートスタッフの方々のお役に立てればとセンタースタッフ一同希望しております。よろしくお願い申し上げます。