藤井茅工務店 -Fujii Thatch roof Factory-


表紙・・・わたしたち

わたしたち


当店は2011年に開業しました。
おかげさまでこれまで、多くのお客さんや業者さんと、“人と人”のご縁をいただき、楽しく仕事をしています。
個人宅を中心に、文化財や幼稚園などの関連施設や遊具など、“茅葺き”は多様な可能性を秘めています。

わたしたちは急がず焦らず、自然とともに生きていくライフスタイルです。
そして、人が生きていくうえで基本となる“衣・食・住”のうち、“住”をテーマに生業をしています。

施工をお急ぎのお客さんには他の業者さんや職人さんを紹介しています。
また、大規模な工事には対応しません。あくまで小規模な工事を承ります。(大規模な工事でも、相談には対応します)

もともと茅葺き屋根は資格も縛りもない、のんびりとした、ゆる〜い業界でした。
しかし、昨今の著しい規制強化の流れは、この業界にも加速して浸透しています。
公共工事は競争入札への参加条件がますます厳しくなり、個人では参加できなくなりつつあります。

これまでゆっくりと茅葺き屋根は葺かれていましたが、最近の公共工事は突貫工事ばかりで、屋根4面を一度に葺き替える傾向が多く見受けられます。
価値観で言えば、文化財と民家は、わたしたちからすると同じ価値です。茅葺きの建造物に変わりありません。
そういった意味で、上も下もありません。わたしたちは、そのような支配的構造(ピラミッド型社会)から離れて生きているからです。

現代の多くの日本人は、じょうもん時代のスローライフから遠ざかって生きています。
自然というものは“ゆっくり”しか出来ません。
例えば、茅束は急には集められません。ほとんど全てが手作業ですし、広大に茅を収穫できる土地は、ごく一部に限られているからです。
“急”は、疲れてしまいます。これでは、人が人らしく、楽しくのんびりと生きていけません。
ですから、わたしたちは楽しく、ゆっくり、のんびりと生きています。

当店が行う生業は、屋根の葺き替えや差し茅修繕工事が中心ですが、他にも屋根下地の骨組みの修理や大工工事も承ります。
屋根屋として施主さんのために何ができるのか、複数のご提案をします。
そして、屋根から雨水が漏れないよう、なるべく経年劣化に伴う屋根の痛みが緩やかになるように、水の流れをしっかりと見極め、考えて施工します。

茅束・竹・縄・垂木など、茅葺き屋根に必要な部材の取引・納品も可能です。(一度の大量取引には応じられません)
縄は縄綯い機で自ら作っています。材料となる藁も、近隣の農家さんや自前で餅藁や稲藁などを調達して作ります。

最近では、空き家についての相談や管理代行、不動産会社さんへの仲介も行っています。
草刈り、伐採などのご相談、住まいの困ったこと、東屋や遊具の新築、さらには畜舎など、なんでもご相談ください。
各種工事に対応できる職人さんや親身になって考えてくれる企業のご紹介も可能です。
公共工事のご相談や御見積りも承りますが、設計見積りや現地調査など、全て有料での対応となります。

2020年からは農業もはじめました。お米づくりはおもしろいです。
百姓は100の技(業)が使える人のことを言うそうです。
茅葺きは、そのうちの10を使います。
茅葺きと農業は、切ってもきれない関係です。

わたしたちは、まごころを込めたものづくり・屋根づくりを楽しみながらやっています。
個々の時代は、楽しくない仕事はできません。楽しい仕事だけをやります。
古いものは新しい。けっして、古いものは過去の遺物ではありません。

わたしたちは、テラ(地球)において自然の循環エネルギーとともに生き、暮らしていきます。
そして、宇宙の法則には、“良い”も“悪い”もありません。
尊敬、尊重、礼儀をもって、価値観を共有できるみなさんとの出会いを楽しみにしています。
最後まで読んでいただき、ほんとうにありがとうございました。

藤井茅工務店
代表 藤井 紀幸


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