陶器の話

私は15年間、長崎に住んでいて、10回以上陶器市に出かけました。
佐賀県・長崎県にある焼物について話してみよう。
長崎県には三河内焼・波佐見焼が有名だが、現川(うつつがわ)焼というのもある。
佐賀県には伊万里焼(有田焼)・唐津焼が有名である。
それぞれの特徴を記してみよう。

三河内焼(松浦藩)
 その昔は松浦藩の御用釜で、唐子焼で有名である。
 唐の子供の絵が描かれて、藩主が献上していたので、献上唐子と呼ばれており、最近、考案された唐子  を創作唐子と呼べれている。
 唐子が3人の場合は、一般の武士の贈られており、唐子が5人の場合は大名に贈られていた。。
 唐子が7人の場合は将軍様に贈られたと伝えられている。

波佐見焼(大村藩)
 昔から実用陶器として、全国に使用されていた。
 波佐見焼の別名「くらわんか焼」ともいわれており、「飯くらわんか」からきているようです。
 特に大阪の淀川の乗り合い船でも使用されていたそうです。
 浪花節で有名な淀川下りの一節に森の石松が「のみねえ、のみねえ、寿司 くいねえ,兄さん江戸っ子だっ てね 」で使用された茶碗が波佐見焼だそうです。ほんとうか? うそか?
 
伊万里焼・有田焼(鍋島藩)
 昔は伊万里港から陶器が出荷され、長崎の出島を経由して、ヨーロッパに輸出されており、この陶器(白い 肌の白磁)がヨー ロッパの王様を魅了して現在のマイセン・ウェッジウッドの元になったといわれています。
 有田焼には古伊万里・鍋島・柿右衛門模様があり、また、有田焼は柿右衛門窯・今右衛門窯・源右衛門釜 が有名で、これを3右衛門と呼ばれています。
 柿右衛門  秋の柿をみてこの色を出したいと苦労したと言う話は有名で、赤を主体したものです。
 今右衛門  色鍋島ということで有名です。
 源右衛門  九州では大衆化され、布のコースターやハンカチなどをブランド化して販売している。

唐津焼(唐津藩)
 
1楽、2萩、3唐津と茶器が有名です。
 他の焼き物は磁器(石)でしたが、萩焼と同様、粘土で焼かれているのです。
 陶器の特徴は薄茶色の地肌に竹の葉のような模様です。
 しかし、萩焼に似た焼物もみられます。

現川焼(諫早藩)
 これは江戸時代はじまって江戸時代になくなったといわれていますが、長崎・佐賀で現川焼と称して、黒っ  ぽい地肌に鷺やすすきの絵が描かれています。
 これが江戸時代にあって、再現されたものかどうか定かではない。

深川製磁等、全国のデパートに陳列されている大手の窯元をのぞくのもいいが、こうして、ここでしか見られない陶器・磁器を見て歩くことも又、楽しいのではないかとおもいます。
三河内焼の陶器市は陶器館の広場でしています。
陶器館には各窯元の作品と窯元主の写真が展示されています。
窯元を確かめながら陶器市を見て歩くのも楽しいものです。

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