多目的スチームタービン高速艇のような〜目的 -01-
セイバー65スチームタービン(SABRE65-steam-terbine)

その昔、1980年頃
模型船舶用のタービンエンジンが発売されていた。
Wada-works(日本)製で 昔の雑誌を読むとタービンの
可能性と実用性の座談会などあって、興味がわいた。
古い物なので、入手困難だろうと思っていたら、あるルートから
ひょっこり入手。まるで新品のようで25年経っていてもこの輝きを
保っている。
 これは その動作実験と船体に搭載し、
パワーや取り扱いを習熟する奮闘記である(すこし大げさ!)
 
蒸気を入れないと回らないので、ある船に搭載予定のため
少し小型ではあるけどアスターの3気筒用のボイラーを使うことにした。
写真の圧力計は暫定的に取り付けている。
タービンの説明書によると 0.8気圧から回転し、最高回転数は3200rpm
ということでスクリューは60mm(ピッチ1.0)を回す実力があるということ。
なんか 腑に落ちない数字が並んでいる
 データが全くないため 一応参考にするが
内部のギアが10:1なのでタービンは32000回転も回ることになる。????
ミニチュアベアリングの限界が20000回転
(この回転で常用すると頻繁に交換することになる)
 32000回転なら10分も持たないと思う でも
このタービン 
分解できないようにカシメてある。
推測すると 1500回転が常用と見るべきであろう。
2000回転以上がレッドゾーンだと考えて、のちのちすすむ事にする。
とりあえず回してみた ものすごい蒸気消費量だ。
 タービンはスチームオイルを混合する必要が無い
 排気は蒸気だけなので部屋の中で回す。 
3気圧が10秒足らずで1.5気圧まで低下する。
巨大な加湿器だ 部屋が乾燥している冬はいいね。

蒸気の大食いの証拠写真
圧力が高いうちに回転数を計る 300回転だね   うぅ? うぅ? うぅ?
なぜ こんなに低いの? 説明書の記述とあまりにも かけ離れている!
 翌日 同じ条件で行う しつこくやってたら 回転数が上がってきた
500回転〜700回転 ベアリングのグリスが溶けて軽く回り出したみたいだ。
でも 蒸気消費量は変わらず大きい。
まったく 船に積む気がおこらない!!!! あぅ〜〜!

このタコメーターは昔、進和技研が出していた 接触式タコメーター
蛍光灯の下でも計測できるが、若干 負荷がかかる
モデルジャーナル1980年12月号
から引用の写真
 展示会でこのエンジンのデモをした記事がでていた。それにしても大きなボイラーである。アスターの5倍はありそうだ。
やっぱりね 大食いだな!

小食にする方法を考えなければならな〜い。
自分のは分解できないがMJ誌1980/8に分解図が出てた。

A=正転用ノズル
B=正転用排気口

A'=逆転用ノズル
B'=逆転用排気口

ただしA'B'はタービンフィンに隠れている
Aをよく見ると穴が結構大きい、
自分のを調べてみると1.6mmある
(ドリルの刃を根本側から、0.1mmきざみで差し込んでみた)

 ノズル口径を小さくすれば流速は昇がる。 
タービンのパワーは 流速*流量だろう
 素人考えかな?
ならしをかねて テストで毎日 1週間 
夜中に回した 1軒屋で良かったねぇ
そこで内径1mmのパイプと0.9mmのパイプで
アダプターを数種類作ってみた

これをノズルに差し込んで試運転する
ノズル長はカットアンドトライだが、フィンに当たる直前のぎりぎり
が良いようだ 

ノズル口径
蒸気消費量(面積比推測)
最適なボイラー
1.6mmノーマル 100%
1.4mm 76%
1.2mm 56%
1.0mm 39% アスター3気筒用ボイラー
0.9mm 30%
なお0.9mmノズルアダプターはかなり小食だがタービンの回転が
上がるまで時間がかかりすぎるし 最高回転も少し落ちる。

上の写真と比べると
排気の蒸気量が目に見えて減っている

その結果、内径1mmノズルアダプターで
ボイラーは2気圧を13分保ち、回転数は1000rpmとなった
これならどうにか実用になるかな?


ボイラーに余裕があれば大きいノズルでもいいな
 次02へ続く 
Top-page->