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各疾患・治療法の解説


■2014年10月21日「TYSスーパー編集局そこが知りたい」ピンクリボン月間 乳がん早期発見の特集で院長が出演しました。
乳がん検診についてコメントしています。
以下に内容を抜粋します。

早期発見の方法のひとつに、乳房専用のレントゲン撮影をするマンモグラフィー検診があります。 マンモグラフィーは乳房をひっぱりながら押さえていきます。
通常乳腺は非常に硬い臓器であるため、押さえると痛みが伴うこともありますが、しっかりよく判断できます。
ただ、決してマンモグラフィー検査が万能というわけではありません。
マンモグラフィーは乳腺が白く映る方の病気を見つけるのが下手なんだということを理解してください。
検診後に通知だけ来て「異常なし」と言われていても、乳腺の写真が白く映る方の場合は見つかっていないこともあります。
乳がんにはいくつかタイプがありますが、しこりになったがんはその部分が白く丸く映ります。 レントゲンで、白く丸くてトゲトゲがあるものは大抵がんです。
写真をみて、そういう映像が見つかると、我々はがんを疑います。
乳腺が厚くない方はマンモグラフィーの映像でよく判断できますが、乳腺全体が白く映る方は、その映像の中に丸くてとげとげがあっても判断しにくいのが原状です。
一般的に授乳経験がない人は乳腺が白く映りやすい傾向があります。

その場合にはエコー検診が有効な場合もあります。
エコー検診では小さな点(石灰化)が映り、そのタイプによって良性のもの、悪性のものが判断できます。このエコー検診では乳腺が白く映る方でも腫瘍を見つけることができます。

一般の検診では、自分のマンモグラフィーを見る機会はあまりありませんが、出来れば見せてもらいましょう。ご本人のマンモグラフィーがよく分かるタイプなのか、もしくは実際にはがんが出来てもわかりにくいタイプなのかということを知っておくことは有意義だと思います。


■鼡径ヘルニアについて

鼡径ヘルニアとは、太ももの付け根に腹腔内の臓器が外へはみ出してしまう病気です。小腸が出ることが多いので、俗に脱腸と言われます。鼡径部が腫れるだけでなく、痛くなったり、腸閉塞をおこしたり、場合によってははみだした臓器が血流障害をおこし腐ってしまうこともあります。(これを巌頓といいます。)子供にも大人にも発生しますが、それぞれ原因は異なります。 子供の場合は、本来出生前に閉じるべき腹膜で出来たトンネル(腹膜鞘状突起といいます)が閉じないため、このトンネルを通って小腸や卵巣などが皮下へ出ます。しばらくしてこのトンネルが遅ればせながら閉じることもあるので、自然治癒する場合もあります。手術は、この腹膜のトンネルを根元でくくってしまえば多くの場合完治致します。20〜30分の手術ですみます。これに対し大人の場合はもともとお腹の壁の弱い所(鼡径、大腿部では全部で3ヶ所あります)が、加齢や腹圧によって更に弱くなり、中からの圧力に耐え切れなくなったためにおこります。従って力仕事や立ち仕事の方、妊婦さんなどに発生しやすくなります。手術方法にはいろいろとあります。歴史的に早い順に挙げると、

@弱い部分(ヘルニア門といいます)を周辺の腱膜、筋肉などを使って直接補強する。

Aプロリーンメッシュという人工の網でできたバトミントンのはねの様なもので外からふたをするメッシュプラーグ法。(大変簡単でよい方法ですが、先程述べた大腿の弱い所を予防的に補強することはできません)



BプロリーンメッシュでできたPHSというものを使ってヘルニア門を内と外からサンドイッチに補強するPHS法(3つの穴を同時に補強できます。)



C形状記憶のプロリーンメッシュ(クーゲルパッチ)を用いてヘルニア門の前についたてをおく。クーゲル法。(極めて論理的でこれも3つの穴を全て補強できます。ただし、術者が鼡径、大腿の解剖をしっかり理解しておく必要があります。)


私自身は最近ではCのクーゲル法を多用しています。鼡径ヘルニアは場所的にも恥ずかしい面もあり、放置されがちですが、巌頓の可能性もありますので、できれば早いうちでの手術をおすすめします。尚、ヘルニアバンドは役には立ちません。

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