* MAIN MENU *
ホーム
診療情報
診療紹介
院長紹介
院内風景
アクセス
* SUB MENU *
各疾患の病態解説
医療Q&A







医療Q&A 2018年6月更新

Q.乳がん検診について教えてください。
A.日本では、昭和62年に問診・視触診による乳がん検診が開始されましたが、乳がん死亡率減少の効果がないと判明しました。これに対しマンモグラフィー検診はしこりとして触れる前の早期がんを発見できる可能性があり、20〜30%乳がんによる死亡者を減少できたとの報告もあります。 山口市では、平成29年度よりこれまでの「視触診併用マンモグラフィー検診」にかわり「マンモグラフィー単独乳がん検診」が行われています。乳房を左右それぞれ縦・横に挟んで圧迫して撮影し、゛白いかたまり(腫瘤)゛としてがんを見つけたり、゛小さな白い点(微細石灰化像)゛や゛乳腺構造のいびつさ(構築の乱れ)゛として乳がんをより早期に発見できます。 有用な検査法ですが、一つだけ注意が必要です。゛デンスブレスト(高濃度乳腺)゛と言って日本人女性に多い乳腺が白く写る方の場合、白の中に白を見つけなければいけないため、がんを発見しにくくなってしまうことです。検診を受けられる際は、ご自身のマンモグラフィーを見せてもらったり、デンスブレストかどうか教えてもらうことをお勧めします。

Q.最近周りで乳がんにかかった方の話をよく聞きます。私は、大丈夫でしょうか?
A.食生活の欧米化・女性の社会進出の増加などに伴いこの20年間で乳がんにかかる人の割合(粗罹患率)は倍以上に増えています。最近では一生のうち乳がんを経験する人は11人に1人にまで増加しています。乳がんになりやすい人は、以下のような特徴があります。
@初潮が早い(特に11歳以下)
A閉経が遅い(特に55歳以上)
B乳がんにかかった血縁者がいる
C出産していない・出産回数が少ない
D30歳を過ぎてから初産
E授乳したことがない・授乳期間が短かった
F太っている(特に閉経後に肥満になった)
G長期間にわたってホルモン補充療法や経口避妊薬を使用した
などです。  
特にリスクが高いと言われているのがBの遺伝的要因で、母や姉妹が乳がんになった人がいる場合は、乳がんリスクは2倍以上になると言われています。ただ、これらはあくまでも統計であって、これらに合致しない乳がん発症の方もたくさんおられます。何よりも日頃からの自己検診や定期的な乳がん検診が大切です。また少しでも気になるときは、早めに専門機関を受診されることをお勧めします。


Q.生後6か月児の母です。現在授乳中ですが、最近胸のしこりが取れません。このままにしておいて大丈夫でしょうか?
A.授乳中に乳がんを発症する確率は、まれですがゼロではありません。授乳中のしこりの原因の多くは乳腺の詰まりによると思われ、その場合しこりは、授乳後やマッサージの後には解消されたり、様子をみていると無くなってしまうことが大半です。ただこれが進行すると、「うっ滞性乳腺炎」の状態となり、乳房が腫れて硬くなり、触ると痛みがあります。さらに乳頭から細菌が入って感染を起こすと「化膿性乳腺炎」となり、乳房が赤く腫れあがって激しく痛み、高熱が出ます。この場合は抗生物質や消炎剤で治療ができますが、ひどい場合は「乳腺膿瘍」を併発してしまい、皮膚を切開して膿を出さなくてはいけなくなることもあります。このような経過をたどらないようにするためにも、また授乳期の乳がんの発症はまれですが予後は悪い(たちが悪い)ことが多いのも事実ですので、授乳中のしこりがなかなか取れない場合は早めに専門機関を受診されることをお勧めいたします。

Q.最近のぼせや倦怠感が強く、婦人科で更年期障害と言われ、女性ホルモンを補っては?と言われました。乳がんになりやすくなるのではないかと心配です。

A:確かに、エストロゲンやプロゲステロンなどの女性ホルモンが高い濃度で長い時間作用すると、乳がんの発症リスクは高くなると考えられています。エストロゲンだけを補うのであれば乳がんの発症リスクは高くはなりませんが、子宮内膜がんになりやすくなります。エストロゲンとプロゲステロンの両方を補充する場合は乳がんの発症リスクは少しだけ増加します。経口避妊薬(ピル)も発症リスクを少し高めてしまいます。 ただお一人お一人で更年期障害の程度はさまざまですが、日常生活が送れなくなるような重症の方もおられます。そのような方にとっては女性ホルモンの補充が極めて有用な治療であることも事実です。女性ホルモンやピルの使用による乳がんの発症リスクの増加の程度はわずかですので、使用することによるメリットとのバランスをしっかりと検討した上で使用するかどうかを決められることをお勧めします。

Q.乳がんの日帰り手術について教えてください?
A:以前は乳がんの手術といえば乳房も脇のリンパ節もすべて切除する事が一般的でした。現在では乳がんが早期に発見されるようになり、@がんの部分を周辺の正常部分も含めて少し大きめに切除し、残った乳房に放射線をかける(これで全部取ったのと同じ安全性を得られます)A転移のない脇のリンパ節をすべて予防的に取り去るのではなく、がんが最初に流れ着くリンパ節(センチネルリンパ節)を見つけ、それのみを切除し、転移がなければ脇はもう触らない、という手術が標準となっています。また、全身麻酔のみで手術した場合より神経ブロックを加えた方が乳がんの再発や浸潤をおさえる事が出来ることも分かってきました。 米国では80%が日帰り手術です。こうしたことから我が国においても
@投与を中止すればすぐに目が覚める静脈麻酔剤
A種々の神経ブロック
B鎮痛剤を併用して術中、術後の痛みもほぼ完璧にコントロールできる
「乳がん日帰り手術」が普及してきました。術後2〜3時間で帰宅が可能です。治療費も3割負担の方では、入院した場合の3分の2くらいで済みます。

Q.腫瘍マーカーとは何ですか?
A:腫瘍マーカーとは、がん細胞が作る物質、またはがん細胞が発生したことに反応して、正常細胞が作り出す物質のことです。血液や体液の中で見つかることがあります。ただし、がん細胞が体内にあるからといっても、腫瘍マーカーが必ず高くなるわけではありません。また上がっていないから再発や転移はないと言い切ることもできません。それでは、どんな時に腫瘍マーカーは役立つのでしょうか。
@手術前から腫瘍マーカーが上昇しているような方では、術後腫瘍マーカーが正常値へ戻ることで手術がきちんと出来ていることが確認できます。
Aまたがんが再発したり、全身に広がったりした乳がん患者さんの中には腫瘍マーカーが上昇している方もたくさんおられます。この様な方を治療していく場合、高かった値が順調に下がってくれればその治療が効いていると判断出来ます。また、逆に値が上昇していくようであれば、その治療は無効と判断出来ます。
この様に、治療効果を判断する際のよい指標の一つとして腫瘍マーカーは役立っています。

Q.テレビの乳がん特集で「デンスプレスト」という言葉がありましたが、何の事ですか?
A:「デンプレスト」とは日本語で、「高濃度乳腺」と訳されており、乳腺の濃度が高いためマンモグラフィーで白く写る乳腺のことです。 多くの研究において、デンスプレストの方は、乳がんの発症リスクが高いことが明らかとなっています。 もう一つ問題なのは、実は、乳がんもマンモグラフィーでは白く写ります。白の中に白を探す訳ですから、乳がんを見逃しやすくなってしまいます。 如何なる乳腺濃度の方でも「石灰化陰影」は、明瞭に判断可能ですので、どんな方にも、マンモグラフィーは有用ですが、デンプレストの方には、乳腺エコーを加えたほうが安心と考えます。 もしくは、ご自身で乳がん検診を受けられた際には、乳腺濃度の状態(情報)を教えてもらう事をお勧めします。

Q.乳がんの手術も日帰りで出来ると聞いたのですが。
A:現代人の生活環境や医療経済上の問題から鼠径ヘルニアや下肢静脈瘤に対し入院することなく手術を受ける「日帰り手術」が普及してきています。  
乳がん治療では、実は欧米では乳がん手術の大半は「日帰り手術」で行われています。国民性の違いもあって我が国での「乳がん日帰り手術」はまだ少数派です。  
乳がんの手術は大きく分けて@乳房のすべてを切り取る「乳房切除術」とAがんの部分のみを切り取る「乳房温存手術」とがあり現在ではAが主流となっています。乳がんが最初に流れつくリンパ節だけを切除し(これを「センチネルリンパ節生検」と呼びます)、これに転移がなければそれ以上のリンパ節を切除しない手術法が主流となっています。このように多くの患者さんに、乳房に対しても腋窩に対しも以前より格段にやさしい手術が行われています。
このような患者さんでは、筋弛緩剤を用いて全身を麻痺させ人工呼吸器を使用してきた従来の全身麻酔ではなく、麻酔終了後にすぐに意識の戻る静脈麻酔剤と局所麻酔剤を併用すれば自分で呼吸しながら寝ている間に必要十分な手術を受けることも十分可能です。術後2-3時間で帰宅も可能となります。
病気の進行度合にもよりますが、手術術式の縮小化にともない「日帰り乳がん手術」は今後多くの医療機関に普及していくものと考えられます。

Q.乳がんのホルモン療法とはどんな治療ですか?
A:ここでは乳がんの手術後、再発させないための治療(術後補助療法)におけるホルモン療法についてお話しします。  
乳がん患者さんのうち70〜80%の方の乳がん細胞はエストロゲン(女性ホルモン)をエサとして増殖しています。この様な方には、そのエサを与えない様にすることで再発の危険性を半分近くに減らすことができます。  
ホルモン剤として「閉経前の患者さん」には、乳がん細胞がエストロゲンを取り込む口を塞ぐタモキシフェンなどを5年間(場合によっては10年間)使用します。さらにエストロゲンが卵巣で作られるのを抑えるLH-RHアゴニスト製剤を併用する事も効果的です。  
閉経後の女性は卵巣機能が低下し副腎で作られたアンドロゲン(男性ホルモン)を原料に脂肪組織などでエストロゲンを作っています。この時に働いているのがアロマターゼという酵素です。そこで「閉経後の患者さん」にはタモキシフェンも有効ですが、更に有効性の高いアロマターゼの阻害剤を5年間使用します。

Q.視触診・マンモグラフィー・超音波検査などで乳房に異常が見つかった場合はどうすればよいのですか?
A:昭和50-60年代には乳房に異常があった場合にはその異常部分を切除して調べる@外科的生検が主流でした。それで万が一癌が見 つかった場合には改めて大きな手術をしていました。現在では画像や 病理検査が飛躍的に進歩したおかげで、@はほとんど実施されなくな りました。異常部分に採血や点滴の時に使うような細い針を刺し注射 器で吸引しながら「細胞」を採取するA穿刺吸引細胞診(殆どの異 常はこれで判断出来ます)やそれよりも4〜5倍くらい太い針で異常 部分の「組織」を採取するB針生検(この場合は局所麻酔を併用し ます)が多く実施されています。    
患者さんの負担からするとA→B→@の順に負担が増しますが診断 の正確さもこの順に増していきます。これらの検査で癌細胞が広がった りする事はないとされていますが、穿刺経路のすべてが手術の際に一 緒に切除される様に工夫する事も大切です。    
最近は癌の部分のみを切除する乳房温存手術が主流です。このため にはMRIで癌の広がりを正確に把握する事が大切です。出血などの 影響で「正しい広がり診断」が困難となる場合もありますので癌が疑わ れる場合は針生検の前にMRIを受ける事をお勧めします。

Q.乳がんにならないために、どんな食生活や暮らしをすれば良いでしょうか?
A. 日本人女性の15人に1人が乳がんを発症すると言われています。食生活の欧米化が主因の一つと考えられていますが、そのほかにわかっている危険因子を挙げてみましょう。乳がんの発症リスクを高めるのは、
@閉経後で肥満の方。肥満は万病のもとです。
Aアルコール飲料の取りすぎ。1日に日本酒なら1合、ビールなら500_リットル、ワインなら200_リットル程度にとどめておきましょう。
B喫煙をされる方
一方、大豆食品やイソフラボンは乳がんの発症リスクを下げる可能性があります。ただ、イソフラボンをサプリメントで摂取する際の効果と安全性は証明されていません。イソフラボンは通常の大豆食品から取るよう心がけてください。タバコを吸う人はやめましょう。また、閉経後であれば定期的な運動をすることによって、乳がんの発症リスクは確実に下がります。少し汗ばむ程度の散歩や軽いジョギングなどの有酸素運動がお勧めです。

Q.乳房を切除し、抗がん剤の注射・放射線照射・ホルモン療法を行うタレントが話題となっています。乳がんの治療について教えてください。
A. 乳がんの治療には、@がんを取り除く手術、再発させないためのA補助療法B放射線療法の三つがあります。@については、がんの広がりが小さい場合にはがんの部分のみを取り除く「乳房温存手術」が、大きい場合には乳房を全部取り除く「乳房切除術」が行われます。いずれの場合も脇のリンパ節を一部あるいはしっかりと取り除きます。Aについては、がんを5種類に分類。女性ホルモンと関係が深く、リンパ節転移がほとんどない場合はホルモン療法のみが、ホルモンとの関係がなかったり、あっても「性格が悪い」ケース、リンパ節転移が多い場合には抗がん剤の注射が先行されます。Bについては、温存手術を実施した場合には、残った乳房への放射線照射が必須。乳房切除の場合でも広がりが大きかったり、リンパ節転移が多いと胸壁や鎖骨上窩への照射が選択されます。乳がんを二度と再発させない為にも最善の治療法を選択することが極めて大切です。

Q:乳がん手術後の放射線療法は何のために行うのでしょうか
A. 「乳房温存療法」において手術の役割は目に見える”がんのしこり”を切除する事にあります。ただこの場合目に見えないがん細胞が、残した乳房内に生き残る可能性があります。現に乳房温存手術だけでは20%前後の方に乳房内再発が起こってしまいます。これに対し、残した乳房に放射線を照射すればこの乳房内再発を3分の1以下に減らすことが出来ます。「乳房切除術」の場合でも脇のリンパ節にたくさん転移があった場合や”がんのしこり”が大きい場合は抗がん剤療法やホルモン療法に加えて胸壁や鎖骨の上の部分に放射線を当てた方が術後の再発、引いては乳がんによる死亡の危険を減少させてくれることが分かっています。放射線療法には全身倦怠感・皮膚炎などデメリットもあります。乳がん手術を受けた際は、ご自分のがん再発の危険度を主治医と十分に検討した上で、放射線照射追加の可否についてご検討戴きたいと考えます。  

Q乳がん検診で「乳腺症でしょう」と言われました。乳がんの心配はないのでしょうか?
A. 子宮内膜と同様に、乳腺も月経周期における性ホルモンの変化に伴い腫れたり・しぼんだりを繰り返しています。ただこの変化は、必ずしも毎回乳腺全体に均一に起こり、完全に元に戻るとは限りません。いろいろな部位でそれぞれ異なった反応・変化が起こったり,消え残ったりすることもあります。こうした変化が毎月起こるわけですから、それが積み重なって行き、時には痛みを感じたり、乳腺の一部に<しこり>が出来たり、<のう胞(水の袋)>が出来たり、場合によっては乳頭から分泌物が出て来る様になることもあります。実はこういった、年齢を重ねる中で乳腺に起こってくる様々な変化の事を総称して「乳腺症」と呼んでいるのです。特定の病気の事を言っているのではありません。 乳腺症は乳がんの前癌病変ではないのかとの疑問から長年に亘って研究がなされて来ましたが、現在では直接的な関係はないと考えられています。ただ、一部の乳腺症では乳がんそっくりなしこりが出来たり、逆にある種の乳がんでは乳頭から異常な分泌物が出る事もあります。乳腺症の治療は原則的には「経過観察」ですが、乳腺症に乳がんを併発する事や乳腺症との診断で長年に亘って放置され最終的には多発転移のため亡くなられたといったケースもありますので、乳腺症の方も定期的なチェック・診察を受ける事をお勧め致します。 

Q主治医から手術標本の病理結果で今後の治療を決めましょうと言われました。乳がん手術後の病理検査で何がわかりますか?。
A.「乳がん細胞」は、乳汁を作る小葉やそれを乳頭へと導く乳管の中に発生します。術後病理検査では、その乳がん細胞が乳管や小葉の中だけに留まっているのか(非浸潤がん)、外へ浸み出てしまっているのか(浸潤がん=この場合、血流やリンパ流に乗ってがん 細胞が遠くへ流れ広がっている可能性があります)、腫瘍の大きさ、 がん細胞の悪性度や増殖能、リンパ節転移の有無と個数、ホルモン感受性の有無、乳がん細胞の表面のHER2タンパクの有無などを調べています。
 以前は「乳がん細胞の解剖学的広がり」に基づき、術後治療が半ば画一的に決めていましたが、「その乳がん細胞自体が持っている性格」を明らかにし、その患者さんにとって最適な術後の治療を選択できる様になりました。     
 治療に当たっては、しっかりと主治医と話し合い、必要かつ十分な術後補助療法を受けられることをお勧め致します。  

Q乳がんの標準手術について教えてください。
A.「乳がん細胞は初期の段階では乳房内に留まっており、時間が経つにつれてリンパ流や血流に乗って、リンパ節や全身に散って行く」との考えから、がんの周辺やリンパ節を徹底的に切除する方法が長い間行われてきました。
しかし、近年では「乳がんにおいては比較的初期の段階から、がん細胞の一部は全身に広がる」との考え方が主流となっています。従って、必要以上に大きく乳房を切り取るのではなく、適切な範囲を切除するとともに、摘出標本の詳細な病理検索から微細ながん細胞が全身へ広がっている可能性を予測しながら、個々の患者さんに最適な術後治療(全身療法としての抗がん剤治療や5年にわたるホルモン治療、また局所療法としての放射線照射や追加切除後が重要です。
もちろん必要十分な手術することはとても大切ですが、「再発させない術後療法」を完璧にやり遂げることが最も重要と考えます。長い期間を必要とすることもありますので、通院しやすい医療機関を選ばれることも大切でしょう。

Q乳がん検診について教えてください。
A.日本で長年実施されてきた「視触診単独乳がん検診」では、乳がん患者の死亡率を改善できませんでした。諸外国では、マンモグラフィ(乳房X線撮影装置)を併用すれば死亡者数が20%前後減ったという統計もあります。これを受けて、山口市でも2005(平成17)年よりマンモグラフィ併用の乳がん検診が実施されています。
医療機関で受けることができる乳がんの個別検診期間は、平成26年度は6月1日より来年3月31日(火)までで、対象は40歳以上。2年ごとのサイクルで受診できます。
乳がん検診では、これまでの出産経験や授乳状況などを聞く問診、視触診、マンモグラフィ検査が実施されます。視触診では、乳房表面の皮膚の異常や乳頭のへこみ、乳頭からの異常な分泌、しこりの有無、脇のリンパ線が腫れていないかなどをチェックします。
マンモグラフィ検査では、しこりが映っていないか、小さな白い点(微細石灰化と呼ばれ、その形や配列の具合で良性のものか、それとも悪性のものかの判断や、しこりを作る前の乳がんをかなり早い時期に見つけることが可能)の有無、乳房全体の構造がいびつになっていないかなどをチェックします。検査は通常10〜15分程度で終了します。
乳がん検診の際には、マンモグラフィの読影(チェック)をしながらの視触診が、国や県から推奨されています。受診者は、ご自身のマンモグラフィ画像も併せて見ていただければ、より安心で納得できる検診になると思います。
関係諸機関は、長年にわたり乳がん検診の広報活動に力を入れてきました。それでも山口市の乳がん検診受診者数は対象者の2割程度。がん治療の鉄則は「早期発見・早期治療」です。不安のある人はもちろん、そうでない人もぜひ、この機会に乳がん検診を受けましょう。

Q乳房のしこりを見つけました。どうしたらよいでしょうか?
A.女性の乳房は、ホルモンの影響で大きくなったり小さくなったりします。そのため、場合によってはしこりを感じることもあります。その原因としては、良性腫瘍、乳腺症、乳腺のう胞(水溜り)、皮下脂肪の固まりなどがありますが、中には乳がんの場合もありますので細心の注意が必要です。
しこりの診断には、問診・視触診・マンモグラフィ・超音波が行われます。必要であれば、細い針でしこりから細胞を吸引採取して顕微鏡で調べる穿刺吸引細胞診と、より太い針でしこりを突いて細胞を塊として採取する針生検(組織診)があります。
ただ、組織診では、検査の途中や後に出血などを引き起こしやすく、病変が修飾されてしまいますので、ほかの検査で悪性を否定できない場合には、まずMRI検査にて病巣の広がりを確認した後に、組織診を行うのがより良いと思います。
しこりが気になるときは、早めにお近くの専門機関を受診することをお勧めします。

Q.今回実姉が乳がんになりました。私は大丈夫でしょうか?  
A.乳がんと卵巣がんは遺伝子 BRCA1 の変異や遺伝子 BRCA2の変異があると、発症のリスクが高くなるといわれています。   
昨年5月、ハリウッド女優のアンジェリーナ・ジョリーさんが BRCA1 の変異があるため両乳房の予防的切除を受けたことを公表し、話題となりました。遺伝性乳がん卵巣がん家系においてはこれらの遺伝子変異が親から子に、男女関係なく 1/2 の確率で伝わるといわれています。乳がん患者さんの5-10%は、遺伝的に乳がんを発症しやすい体質を持っているとされ、乳がんを発症された方とご自身との血縁関係が近いほど、また乳がん患者さんが家系内に多くいればいるほど、その方の乳がんの発症リスクは高くなります。   
現時点での乳がんの有無は視触診・マンモグラフィー・乳腺エコー・MR・PETなどで確認できます。ただ残念ながらこれらの遺伝子の検査には保険は効かず検査を実施できる機関も限られています。ご心配な方は担当の先生にご相談ください。  
また直接<遺伝>とは関係がないかも知れませんが、糖尿病の方や喫煙・飲酒量の多い方・出産経験のない方は明らかに乳がんの発症リスクが高くなります。更に閉経後の女性に限っていえば、日常的に適度な運動をされている方・肥満でない方はそうでない方よりも乳がんの発症リスクは低くなるといわれています。
もちろん最終的には専門機関でのチェックが必要ですが、これらを参考に健康的で規則正しい日常生活を送って戴ければと考えます。

Q.50歳より更年期障害がひどく困っています。女性ホルモンを補充すると良いが、乳がんになりやすくなると聞きました。本当でしょうか?
A.女性は更年期障害を迎えると卵巣機能が低下し女性ホルモンが作られ難くなり、急なのぼせ・倦怠感などの心身の不調を来したり骨が脆くなったりします。これが更年期障害です。女性ホルモンを補充をする”ホルモン補充療法”について@従来の卵胞ホルモンだけを補充する方法では乳がんにはなり難いものの子宮体がんになり易くなること事が分かっています。Aこれを克服すべく開発された卵胞ホルモンと黄体ホルモンとを補充する併用療法では今度はわずかながらも乳がんになり易くなると分かっています。心臓病・脳卒中・血栓症・認知症などの疾患や症状の増加も報告されています。様々な副作用がある事は事実ですが、症状がひどく爽やかな日常生活が送れなくなった方には極めて有効な治療方法である事も事実です。この療法を始める際には婦人科の先生とよく相談される事をお勧めします。また、療法中の方には是非、定期的な乳がん検診をお勧めします。

Copyright(C)2009 三の宮ふくだクリニック All Rights Reserved.
Template design by Nikukyu-Punch